ふわっとサクサク
「ふわっとサクサクしている食べ物と言えば、何?」と河上に訊いたら、「あれ、なんでしたっけ?名前忘れたな…チーズ味とかがある…ふわっとして、サクサクしてる…あ、カール!」と答えてくれました。
「それにつけても、おやつは」のあれですね。まだ売ってるのかな?あまり見かけないような気もするけれど。そういえば、昔は「カール うす味」ってのがありましたね。と思って調べたら、いまも一応ありました。こんぶやかつおの出汁が効いた味で、好きでした。いまはチーズ味がメインのようです。
ちょうどこの前、家族でテレビを見ていたら名作スナック菓子の特集をやっていて「カール」が出てきました。そんな矢先に河上の口からも「カール」の名前が出てきたので、今朝の会話はなんだかタイムリーでした。
こんにちは、鶴田です。
昔はカレー味もあったよな…。
ふわっとサクサクしているm’s braqueのジャケット&トラウザーズ。その秘密は、打ち込みの甘いコットン60%×リネン40%のチェック生地。繊維同士の隙間にある空洞が、表面はサクサク、着るとふんわり軽いタッチを生み出している。
ボックスシルエットの揺れ方も、裾にたまる生地のクッションもふわっと軽快。手触りはざらりとクリスピー。
相変わらず、パンツを作るのがとても上手なブランドだと思う。フィット感とリラックス感の要所を見極めているとしか言いようのないパターンメイキング、縫製。
そして、セットアップになるジャケット。
縦落ちするドレープを見ても生地のふんわり感が伝わるし、うっすらと透けるちりめん状の裏地もドライでふんわりと軽い。
ちなみに「ふわっとサクサク」で検索すると、かき揚げレシピの画像がたくさん出てくる。あとは白身魚のフライなど、「ふわっとサクサク」は揚げ物とセットでよく使われる表現らしい。
…と、ここまで書いた段階でお店に来客が続き、約5時間のブランクを経て続きを書き始めている。昼食をとる時間が無かったので、近くのHMで買ったのり弁をさっき食べた。磯部揚げの隣に鎮座した白身フライは揚げたてだったのだろう。いつもよりずっと「ふわっとサクサク」していた。まるで僕が張った伏線を自分で回収するかのように白身フライはサクサクと音を立てた。
僕はのり弁が好きだ。(さっき食べた)熱々の出来立ても美味しかったけれど、のり弁の凄いところは冷めても十分に美味しい点。萎びてしっとりとした白身フライや磯部揚げも、それはそれで悪くない。いつ、どの状態で食べようとも、要は食べる人の心持ち次第。
数日前 鶴田、テレビで「カール」を見る
11:00 MANHOLEでm’s braqueを触る
11:01 「ふわっとサクサク」してるなと思う
11:03 河上に質問する
11:04 河上、「カール」と答える
11:05 鶴田、テレビを思い出す
11:40 「ふわっとサクサク」ブログ執筆開始
13:28 ブログに「白身フライ」と書く
13:30~お客さんの来店続く
17:00 鶴田、のり弁を食べる
17:01 白身フライが音を立てる
17:02 鶴田、ブログのことを思い出す
18:00 ブログ執筆再開
今日一日の中だけで、こんなにたくさん「ふわっとサクサク」してしまった。この調子で色々なタイミングが重なれば、僕らは一年中「ふわっとサクサク」し続けることだってできる。そう。つまり、このセットアップは、そんな洋服だ。
え?
いや、え?じゃなくて。「ふわっとサクサク」はいつでも追いかけてくるということ。あぁ、いいなーと思ったタイミングですぐに食べなくても、いずれそのうちに追いかけてくる。HMでのり弁を注文した時はブログのことなんてすっかり忘れていたけれど、気付いたら口の中で白身フライが「ふわっとサクサク」していた。テレビの前でノスタルジーに浸った数日後に、河上は僕に向かって「カール」と言った。なんの因果か。僕の前世はかき揚げだったのか。「ふわっとサクサク」が追いかけてくる。萎びた「のり弁」、元「ふわっとサクサク」が追いかけてくる。白身フライは揚げたてが美味しい?コットン×リネンは春夏向き?そんな既成概念を飛び越えて「ふわっとサクサク」が今日も追いかけてくる。このサックリとした素材はタートルネックやカシミアのストールも受け止める。暖かい2月にウールコートの内側で揺れる。「ふわっとサクサク」に食べ時なんてない。いつ、どの状態で食べようとも、要は食べる人の心持ち次第。僕がのり弁を食べる直前にも一人のお客さんが「ふわっとサクサク」パンツをサクッと買ってくれた。
暖かくなくても着たくなる洋服がある。冷めても美味しい弁当がある。「ふわっとサクサク」は永遠だ。永遠じゃないのだとしても、「ふわっとサクサク」よ永遠なれ。「カール」の薄味も流通させてほしい。
帰宅して、今日の晩飯はエビフライかもしれない。
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鶴田 啓
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