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この靴を履いてどこへ



「F.LLI Giacomettiでオペラパンプス作りませんか?」と、先方に相談したのが2021年12月ごろ。
「今、新しい木型作ってるからそれに合うかも〜」と、いうわけで待つこと約2年。

新木型:Fuxiaを使ったエナメルスリッポン:FG618。
甲革はエナメル。パイピングはグログランテープ。
底付けはブレイク製法。



今までMANHOLEに並べてきた大部分の靴と異なり、儚い革に儚い作り。
木型もそうですが、デザイナーズブランドの靴のような印象を覚えます。
今はこの儚さが良く見える。頑丈さだけが男の足元ではない。

“F.LLI Giacometti” -FG618-
Forma : Fuxia / Vit.Venice Nero
¥93,500-(tax included)



Vit.Venice(塗装されたカーフ)という名の通り、エナメルにはエナメルにしかない顔があります。
どんな革とも違う質感を足元にどうぞ。

以前紹介したリボン付きのものと同様に、男性にとってのオペラパンプスは用途の限られたフォーマルシューズ。
ですが、何を履くかではなく、誰がどう履くか。
かつて正反対の場所にあったはずのボロボロのデニムと凛としたダークスーツの距離が既にそこまで遠くない今の東京の街並みであれば、その「どう履くか」をより強く楽しめるのではないでしょうか。


余談ですが、昔買ったF.LLI GIacomettiのエナメル靴。僕の雑な保管方法でも意外と綺麗だなあ。
ハンドソーングッドイヤーでシューズ木型のタッセルスリッポン。
こうやって比較すると、今回のFG618の方が圧倒的にかっこよく見えますね。
いつだってその時のベストを目指すのが、F.LLI Giacomettiです。




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河上 尚哉

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