NEW ZONEふたたび
隙間(すきま)産業って言葉があります。ニッチな市場を開拓する産業とでもいうのでしょうか?
ニッチ市場(ニッチしじょう)とは市場全体の一部を構成する特定のニーズ(需要、客層)を持つ規模の小さい市場のこと。狭義には、その中でも商品やサービスの供給・提供が行われていない市場とされる。(Wikipediaより)
最も代表的なものに、例えばセブンイレブンが挙げられるようです。セブンイレブンは創業当時に7時〜11時だった営業時間を24時間営業にしたことで「いつ行ってもやってる」というイメージを打ち出すことで大成功したらしいですが、その後、他社も24時間営業に追随。今では当たり前の業態となり(少なくともコンビニエンスストア業界において)営業時間の隙間は無くなりました。しかし、どれほどマーケットが成熟しようとも技術が発達しようとも、隙間というものは、いつの世も存在するようです。
ってことで、今日紹介するのは先日ゆうとが提唱していたNEW ZONEブログの、いわば続編的な。
シャツ。
こんにちは、鶴田です。
おかしな位置で袖を断ち切られたノースリーブシャツ。いや、元々袖が付いていたものを断ち切ったわけではないので「おかしなノースリーブシャツ」で十分かもしれませんね。言ってしまえばラグランスリーブのような位置で斜めにアームホールが開いているのですが、ここでもやっぱり「ラグランスリーブ?袖、付いてないじゃん」となるので、やっぱり「おかしなノースリーブシャツ」で十分なんでしょうね。
つまり、スリーブがノー(No)なわけです。でも、それだとありますよね、メンズのノースリーブシャツという既存の市場に対して供給が。消臭力のCMソングを歌ってる人が着てそうなイメージで。
袖は、無い。
袖は、無い。
でも、他の洋服と組み合わせてみると…
あっ!無かったものが、生まれた!
そこは、そこは、そこは、そこは、NEW ZONE。
洋服と洋服の間に隙間が生まれた瞬間。
「無い」が「在る」って感じです。
単なる「セクシー」とか、そういった既存の概念ではない肌見せ感。
ゆうとも書いてたけど「フェミニン」とか、安直に「性差」を感じさせるだけではない隙間。
でも、一枚で広げてみると単純に「無い」だけなんですよねー、袖が。
不思議ですね。
イタリア製のドレスシャツに重ねてみる。
このノースリーブシャツを重ねた瞬間から「身体とノースリーブシャツの間にドレスシャツが在る」かのような感覚に。
ドレスシャツの上にノースリーブシャツを羽織ったんじゃない。
ノースリーブシャツと身体の隙間からドレスシャツが生まれてきた。
そんな感じがしませんか?
この組み合わせなんて、特にそう。
「メッシュTの上にノースリーブシャツを重ねてる」はずなのに、「ロングスリーブシャツの上にメッシュの袖を重ねた」ものに見える。この不思議感覚は、CLASSで過去にリリースされたアイテム「レザーの袖」と表裏一体であると思う。
シャツ袖が無いはずなのに、メッシュ袖を付け足した感じに見えるのは何故だろうか?
隙間には無限の可能性がある。
「無かった」はずのものが「在った」になり、「在った」はずのものが「消失する」地点。
そこは、そこは、そこは、そこは、NEW ZONE。
未知の世界や新しい感覚には、ただ身を委ねればいい。
事前に謎のすべてを解明することができるのだとしたら、そこはもはや隙間の「無い」世界。
24時間営業だと分かっている店に対して「いつ行こうか?」と思うことが「無い」ように。
考えろ。考えるな。試してみろ。見よ。しかし見るな。惑え。踊れ。感じろ。聴け。それについて話せ。しかし求めるな。答えを出せ。いや、そんなものは出ないという事実を認めろ。
めくるめくNEW ZONEへようこそ。そこは身体ごと入ってみないと分からない謎の世界。
「着てみれば分かる、語ることは何も無い」というだけのシャツに対して僕がこんな長文を書けること自体、「無い」を「在る」に変える隙間がこの世にはまだ存在することの証でもある。
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