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ドレスパンツ(薄くて強い)




少し前のブログでは、直線&曲線ジャケットの相方としてひっそり登場していたあのパンツ。

m’s braqueはジャケットだけではなくパンツも得意なんです。当然ですよね、パンツは松下さんの卓越したパターンメイキングが反映されやすいテーラードアイテムなんだから。つまり、カジュアルパンツではなく、ドレスパンツってこと。

こんにちは、鶴田です。



それがこちら。m’s braqueではお馴染み。膝下が細めストレートの、アレ。

丸い曲線ジャケットに、よく似合います。これも当たり前か、セットアップなんだから。でも、よくよく考えてみると(よくよく考えてみなくても)ドレスパンツって何?その定義は「ドレス縫製のパンツ工場で作られた、テーラードジャケットの組下になり得るトラウザーズ全般」ってことなんでしょうけどね。ともかく、なんだか、カタそうな呼び方だ。

「カジュアルパンツ」と「ドレスパンツ」をいちいち分けて考えながら洋服を着ることなんて、あります?



あります。あるんです。

ありますよね、キチンとした感じで洋服を着たいとき。それが日常的にあるかどうかは人によりますが、例えば何かのセレモニー、大事な人に会うとき、敷居の高いレストランに行くとき。ジーンズやチノパンやジャージじゃダメな瞬間(ダメじゃないけど、キチンとしていることで自分も周りも気分よくなれる)に、穿くとしたらドレスパンツ。

たまにお客さんから言われることもあります。

「よく考えたら、僕、ちゃんとしたパンツを持っていないことに気付いて…」という相談が、MANHOLEのように雑多なセレクトショップでもあるんです。だから、きっと、あるんですね。少しだけ「ちゃんとしたくなる」瞬間が。

この数年間、MANHOLE内でのそういった需要に応え続けてくれたのが、m’s braqueのこのパンツ。シーズンごとに素材や副資材を変えながら、いつみてもイヤな感じがしない稀有なパンツ。2024年のいま見ると(ワイドやフレアが当たり前にある中で)裾幅が広すぎない点にも好感が持てます。

で、今年のバージョンは「グリーンやイエローをかすかに感じるスミクロ色」をしたヴィンテージファブリック。派手見えはしないけど、迫力のある生地です。



フロントは2プリーツ、安定の膝下ストレートシルエット。ヒールブーツも難なく受け止める。



本格的なテーラードジャケットに合わせても、まったく遜色ない「きちんと感」。



ドレスシャツ、プリントタイでコンサバティブに。足元こそブーツでハズシてる感じがあるけれど、全体的にはオーセンティックで静かな感じのコーディネート。

グレーのドレスパンツって、いい意味で黒子(くろこ)のように存在感を消して、ただそこにいてくれるんですよね。



裾幅が広くない、とはいってもウエスタンブーツのシャフトくらいは中に収まる。



そして、このヒップラインは出色の美しさ。

少し前にゆうとが書いていたように「シルエットが綺麗」って言葉は実に曖昧で、何が綺麗(カッコよくて)で何が汚い(カッコよくない)かは人の好みによるところが大きいけど、少なくともドレスアイテムに関しての「綺麗なシルエット」とは人体のカーブにしっかりと沿いながら、(運動量は十分に確保したうえで)無駄なしわが入らず、(メンズの場合は)男性の肉体をより美しく立体的に見せてくれるシルエットのことを指している。



デザイナーズブランドの洋服というほどにはデザインされていない控えめなモノ作りのなかに、ドレスクロージングの精神がたしかに宿っている。それがm’s braqueの独自性。

なんだ、じゃあやっぱりこのパンツはドレスっぽいコーディネートに取り入れていくしかないのか、というと、僕の論旨はそうではなく。



MANHOLEオリジナルのテーラードジャケット、CLASSのウエストコート、m’s braqueのドレスパンツ、F.LLI Giacomettiのレザーシューズ。古着のレザーブルゾンはさておき、これらすべてのアイテムの根底にはドレスクロージングの精神がたしかに宿っているけれど、それをどう取り入れるのか、という点において僕らは徹底的に自由だ。



結局、何を着るかではなく、どう着るか。



例えば「F.LLI Giacomettiのレザーシューズを履いて3on3をやる」ことは絶対に出来ないことではないけれど、だったら普通にバッシュを履くよね。「バッシュを履いて成人式に出る」ことは絶対に出来ないことではないけれど、だったら普通にレザーシューズを履くよね。つまり、スポーツアイテムやドレスアイテムにはそれぞれ「本来の役目」があるということ。つまり、それは目的があるという強度。

アイテムとしての強度が高いからこそ、そのアイテムはどのようにでも着ることができる。



このふたつのコーディネートを見て、同じパンツを穿いていると瞬時に分かる人はきっと少ない。ドレスアイテムの良いところは、コーディネート全体において、そのアイテム単品の存在感が薄いということ。しかし、言い換えればそれは他に代えようのない薄さだ。だからどのような色にも染まる。

そして「いつもよりキチンとした感じで洋服を着たい」と思うとき、この薄さは圧倒的な武器になり、その武器はチノパンもデニムもジャージも代わりになることができない強さとなる。つまり、このパンツは「単なるドレスパンツ」という括りを超えて、「どのような穿き方もできるパンツ」となる。

“ m’s braque ”
-2 pleated trousers-
¥63,800- (tax included)



この数年間、MANHOLE内でのそういった需要に応え続けてくれたのが、m’s braqueのこのパンツ。しかし、お馴染みの形だからと思って油断しないでほしい。シーズンごとに素材や副資材を変えながら、いつみてもイヤな感じがしない稀有なパンツ。薄さの中に強さを加えているのは、m’s braqueらしい生地と副資材だ。今年のバージョンは「グリーンやイエローをかすかに感じるスミクロ色」をしたヴィンテージファブリック。派手見えはしないけど、迫力のある生地です。

つまり、薄くて強いパンツ。見落としがちだけど、見逃さないでほしい。





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