結局そこ
FRANK LEDER、裏地のつかないカーディガン以上、ジャケット未満の洋服。
甘織りの、たとえばファンシーツイードのような、あるいは縮絨する前のようなウール生地。
ウール100%。ゴワゴワに見えるけど、実際はふわふわで柔らか。
成型編みのニットではなく、織物を縫製してカーディガンにするのはFRANK LEDERの十八番です。
タイドアップして合わせてみると、カーディガンほどリラックスした印象にはならないけれど、ノーカラーのジャケットほどデザインされた洋服にも見えない、という、この洋服ならではの独特なバランス。
彼の洋服は共通して腕が細いせいか、こういう野暮ったい生地を使ってもどこかスッキリした印象になる。
加えて、このカーディガンは(カーディガンでもジャケットでもないけれど)洋服としては普通の形をしている分、彼が見つけてくる「どこかで見たことがあるようで実際は見たことがない」ノスタルジックな生地の良い部分が顔を出します。
タンクトップ、ベスト、カーディガン以上でジャケット未満の洋服。
素肌とウールのコントラスト。悪くない。
裏地なし。甘く織られたウール生地なので風は通しますが、上から風が止められるものを着れば暖かいですね。屋内が暑い東京の冬にはちょうどいいバランスかもしれません。
ローゲージのカーディガンやツイードのジャケットだと重すぎる。
ハイゲージのカーディガンや梳毛のジャケットだと物足りない。
それのちょうど真ん中の洋服。かといってミドルゲージのカーディガンやフランネルのジャケットとも違う。
なんて、使い勝手の良さや使い勝手の悪さは気の持ちようや組み合わせ、着る場所、着る人次第でどうとでも変化するので、この洋服に袖を通して僕が感じるのは「FRANK LEDERが使う生地は相変わらずかっこよく、その生地を活かす洋服である」ということ。やっぱりそこで、結局そこ。
カーディガン以上、ジャケット未満なのはおまけ。
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河上 尚哉
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