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ひらかない



ガチャピン meets ムック。

こんにちは、鶴田です。



これは何でしょうか?



洋服です。



ひらいています。



ひらいています。



ひらいていますが、留めてあります。



ポケット口もひらいています。

サン・ラ「スペース・イズ・ザ・プレイス」
ダーレン・アロノフスキー「π(パイ)」
J.D.サリンジャー「ライ麦畑で捕まえて」
田名網恵一「Gold Fish」
さくらももこ「コジコジ銀座」
ゆらゆら帝国「空洞です」

全部、ひらいています。

“ RANDY ”
– Spotted Garden Eel –
¥110,000- (tax included)



「ひらけ!ポンキッキ」はフジテレビ制作で(途中『ポンキッキーズ』などと名前を変えながらも)1973年から2018年まで続いた子供向け名物番組です。「ひらけ!ポンキッキ」のメインキャラクターであるガチャピン(緑ヌル)とムック(赤もじゃ)は現在もテレビで見かけるので、若い方でも彼らのことはなんとなく知っているはず。その「ひらけ!ポンキッキ」、肝心の番組内容はというと…

「自然・社会・言葉・数・しつけ・リズム・感覚の7つのカリキュラムで構成。『セサミストリート』と同様に物語性を重視せず、テンポの速いアニメーションや歌、踊り、人形や出演者の一人語り、対話、絵などを組み合わせながら、知らず知らずの内に教育効果を上げる目的で製作しており、カリキュラム作りには、大学教授を含む児童心理学や保育学などの専門家11人がブレーンとして参加。他にも、幼稚園の教師や学生、医者など50人が随時意見を述べながら、番組作りに参加していた」(Wikipediaより)

ってことらしいです。完全に幼児たちの何かを「ひらく」ために構成された「教育番組」だということが分かります。



ゆうと、街へ。



ひらかれています。



ひらかれています。



ひらかれています。



うう~ん、と背伸び。ひらかれている、証。



ひらかれている状態とは、つまり無敵状態のこと。

ちなみに、このアイテムの英語名「Spotted Garden Eel」とは「チンアナゴ」のこと。このアイテムのどこが「チンアナゴ」なのか、それについて意味を考え、読み取り、想像することに何の意義も感じない。あいかわくんにメッセージしてわざわざ訊いてみる気にもならない。でも、この上着の「ひらかれた存在感」と「Spotted Garden Eel」という名前は、これ以上ないくらいマッチしていると思う。

「ひらけ!ポンキッキ」という番組を「より、ひらかれた状態」にしているのは、間違いなく「ポンキッキ」という名前そのものだ。そして「ポンキッキ」という名前の由来は「当時のフジテレビ社長の浅野賢澄氏(元・郵政省事務次官)は小説を書くのが趣味で、自作の小説内に登場させた『ポンキッキ博士』の語呂が良かったので、そのまま番組名に採用した」ということらしい。

元・郵政事務次官が?ポンキッキ博士?

絶対に、確実に、ひらかれています。



ブログで洋服を紹介するとき、たまに「言語の限界」を感じることがあります。MANHOLEで取り扱う洋服は(実用性とか機能性というよりは)「毎日を楽しく過ごすための道具」としてあるので、機械の説明書のように意地でも言語化する必要なんてはなっからナイのですが、とはいえブログは、テキストを使ったフォーマットなので(書き手のサービス精神を含めて)あれやこれやと言葉を尽くすわけです。

で、「洋服という物質」に「言葉という抽象的なもの」を乗せてうまく紹介できることもあれば、「やっぱりこれは『カッコいい』の一言で終わりだよな、それ以上に言うことがない」ってときもある。逆に言えば「そもそもカッコよくない洋服」が「言葉の力でカッコよくなる」なんてこと、ほとんどありえないのです。ファッションの前で、言葉は無力である。

身も蓋もないことを言ってしまえば、究極的にそうなるわけです。

だからこそ、洋服屋は「言葉で語らずとも、そもそもカッコいい洋服」を頑張って探し、作り、仕入れるわけです。つまり、ブログで紡がれる言葉はオマケみたいなもんです。



しかし、稀にある。

さくらももこの漫画に「コジコジ銀座」というタイトルが添えられたとき、サリンジャーの小説が「ライ麦畑で捕まえて」と題されたとき。

絵画が音像に変わり、映像が植物に変わり、文脈がスピードに変わり、2Dが宇宙に変わる。

「ひらかれている」という状態を、「イカレてる」とか「ぶっ飛んでる」とかチープな言葉に置き換える必要はないけれど。この上着を見て「あ、ポンキッキだな」と思った僕が、タグをめくって「Spotted Garden Eel(チンアナゴ)」という品名を読んだとき。衣類と言葉が反応を起こして、ファッションに変わった。

あぁ、この上着はひらかれている。



ゆうと、ひらかれた状態で再び街へ消えていく。

いらっしゃいませ、こんにちは。むしろ、ようこそ、と言った方がいいのか。ガチャピンとムックは一体どこからやってきたんだろう?

RANDYの「Spotted Garden Eel」を、是非どうぞ。






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