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ジャケットって面白い


こんにちは。禅野です。
ジャケットが好きです。いや、正確にいえばMANHOLEに通うことでジャケットが好きになりました。
が、最初は何がかっこいいジャケットなのかわからなかったです。
僕にとって、かっこいいジャケット=かっこいい洋服ではありませんでした。
ただ、MANHOLEで働いている人たちが着ているジャケットや紹介されるジャケットは、とてもかっこいい洋服に見えた。

で、実際に買って着ている内に徐々に自分がかっこいいと思うジャケットがなんとなくわかってきた気がします。
ですが、未だに「かっこいいジャケット」と「そうでないジャケット」の違いが言語化できません。
サイズがあっていたりディテールが好みだったり生地がカッコよかったりテーラードジャケットとしてまともに作られている、という点だけでは「羽織った時の全体感」としてかっこいいわけではないのが、ジャケットの難しさでもありジャケットの面白さでもある。

で、何がカッコよくて何がそうでないのか言語化できない、というのはある意味、そんなに間違った感覚ではないんじゃないのかな、と最近は開き直るようになりました。
「正解はあるんだけど、その正解がその時の自分達にとっての正解とは限らない。」ということが一番伝わりやすいのが、テーラードジャケットという洋服。
僕はこの数年で、それをなんとなく学んだ気がします。

というわけで、今日紹介するのは点だけで見ると不正解だらけのテーラードジャケット。
不正解だらけなのに、羽織った全体感を見ると僕の目にはカッコよく映るテーラードジャケット、SADE:JK14。


えーと、なんですかね。
小さすぎな釦。上衿で挟んだ下襟。
胸ポケットをそのまま内側に移植したような内側のパッチポケット。
背抜きでハーフキャンバスの軽い仕立て。
いせ込みをほとんどしていないナチュラルで平面的な袖付け。
なのに、肩を強調する肩パッド。
で、身頃は当たり前のように大きい。
一方で身頃と比較すると細いし肘位置も丈もあっているという、とってつけたような袖。

と、細かく挙げていくとディテール、バランス、作りなど、全てが不正解なジャケット。


そんな不正解ジャケット:JK14。
こうやって全体で見ると「かっこいいジャケット」に見えるし、どこが不正解なのかもわからなくなります。わかりやすいのは小さすぎる釦ということくらいでしょうか。
いや、釦が小さいのか?ジャケットがとてつもなく大きいのか?
ただ、「ただ大きいだけのジャケット」を着ているようにも見えない。
さらに付け加えると、世間一般的に「正しいとされるジャケット」を羽織っただけではこうはならないし、多分きっとこの写真に映る彼もこんなに自信満々な顔をしていないと思う。

ちなみに生地は目付け350g、3本撚りの梳毛ウール。
数値だけ見ると春夏生地にしては重いウェイトですが、実際に触れてみるとジャリッとした清涼感と軽さを覚える生地。

“SADE” -JK14-
¥121,000-(tax included)



人は正解がわからないものほど「わかりやすい正解」を求めてしまいます。
生地の値段の高さや付属の値段の高さや仕立ての良さ、高そうに見えるディテールや数値的バランスなど、「何故かっこいいのか」が言語化できない故に「どれだけまともに、高そうに作られているか」という商品説明で終わっていることがほとんどのように思えます。
ただ、その正解が実際にその人にとっての正解であるとは限らないということ。
生地の値段の高さや付属の値段の高さや仕立ての良さ、高そうに見えるディテールや数値的バランスでは、格好の良さは決まらないのです。
この不正解だらけのジャケットが、今の僕にとって正解に見えるように。
ジャケットは面白い、正しくなくても良い。


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