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実用と装飾


F.LLI Giacometti:FG548。オープントゥのスリングバックサンダル。
前回紹介したモデルと同じようで全然違う靴。
靴は全体の面積が小さい分、少しの変化が全体の印象を大きく左右します。
このサンダルの特徴はノルべジェーゼ製法であること、加えて甲革に用いているのが黒のフレンチカーフであること。


ハンドソーンノルベジェーゼ。360度のチェーンステッチ、張り出したコバ。
甲革はDUPUY社製アニローカーフ、に走る太番手のステッチ。シングルソールのヒドゥンチャネル。

そう、この靴は意味がわからない靴だ。
そもそもノルべジェーゼ製法とは雪山を歩く為や登山をする為の靴を作る際の堅牢な縫い方、サンダルに使われている意味がわからない。
格式高いドレスシューズにも使われるようなきめ細やかな黒のフレンチカーフ、カジュアルなサンダル、実用的なスリングバックに使われている意味がわからない。
用途、作り方、意匠、全てがチグハグしている。

ただ、意味がわからないのは「そもそもの用途として」のみで考えた場合。
現代の都市部で履く道具として、現代の都市部で履く装飾品として考えた場合、非常にスッキリする。

ノルべジェーゼ製法は堅牢な縫い方であると同時に、装飾として用いられる意味合いが強いようだ。
見るからに手縫いであること、均整の取れたチェーンステッチは「堅牢さ」と共に「視覚的な迫力」を訴えてくる。ブレイク製法と比較すると多少劣るが、シングルのレザーソールで返りは十分柔らかい。返りが多少硬くなる分、履いた時の安定感がある。
加えて「格式高いドレスシューズにも使われるようなきめ細やかな黒のフレンチカーフ」は甲革とライニングを縫い合わせた太番手のステッチ、そして張り出したコバをぐるりと一周するチェーンステッチの力強さを強調する。型押しやスエードなどのスポーティな革ではこうはならない。

底付けの仕様と甲革がスリングバックサンダルを繋げ合わせている。
用途、作り方、意匠、全てに調和が取れている。
堅牢で軽快、繊細で無骨、美しくて力強い。
やはり、F.LLI Giacomettiの魅力は実用と装飾のバランスにあるのだ。
事実、このブランドに実用のみに振られた靴、装飾のみに振られた靴は一つもない。

我々は、日本の都市部に住んでいる。
以前も書いた通り、東京はシティでもカントリーでもなんでもない
あるべき姿、然るべき場所で使われている道具は確かに美しい。
けれど、シティでもカントリーでもない東京でそれだけを追う必要なんてない。
革靴という異文化の良いとこどりをしながら、実用と装飾を存分に楽しんでいこうじゃないか。

“F.LLI Giacometti” -FG548-
Forma: Sandalo, Norvegese,Anilou nero
Size:40-43
¥132,000-(tax included)


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河上 尚哉

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