無国籍ジャケット



CCGA03UNI AはCLASSのチャイナシャツ、カンフーシャツ、というかカンフージャケット?
呼び方はともかく、スタンドカラーそして組紐ボタンの2要素が隣り合うとそれはもうそう。
で、河上さんは「個人的にはこういうジャケットの印象はもちろん中国にあるんだけど、イメージはどちらかというとヨーロッパ、フレンチワークにあるなあ。」と言っていました。
例えば英国とインド、フランスとアフリカ、ポルトガルと日本。関係のあり方こそそれぞれ違いますが、歴史を遡れば、遠く離れた土地の文化が思わぬところで混ざり合っていることがあります。河上さんのいう「印象、イメージ」の話も、フランスと中国の間にあったそんな往来と、どこかで繋がっているのかもしれませんね。

さて、FRANK LEDERのネルシャツ同様、話が壮大になりそうなのでCCGA03UNI Aに戻しましょう。
残念ながらこの洋服に「ヨーロッパ、フランス」というイメージではなく「中国」という印象が来た僕ですが、中国に加えて生地に日本を感じました。
尾州で織られたツルッとしたアイボリーのウールに細黒線。
河上さんは「経絣なのかな、日本的な生地だけどレインカモみたいにも見えるよね」と言っていました。
以前のコレクションにもこの生地は登場していましたね。その時にも確か「なんか日本っぽい」と思ったことを思い出しました。しかし好奇心さえ中途半端なぼくは特に深掘ることもしなかったのでしょう。
気を取り直して、このまばらに引かれた黒い線たちがなんか日本っぽいのは、浮世絵に描かれた雨の表現に似ているからですね。「 雨線 日本 絵 」と大雑把検索の末ヒット。かの歌川広重がこういった雨の表現に長けていたようですね。ゴッホも模写した《大はしあたけの夕立》の雨はもっと強く緊密に描かれていましたが、ぼくはこの生地のようなまばらな雨の方が傘をささずとも歩けるので好きですね。ここで一歩立ち止まったぼくは思いました。「大体この時代くらいの『にほんすごい』的感覚/技法って、辿ってみたら実は中国から来てたりするよな」と。少し調べてみると、中国の山水画にも古くから雨景が描かれていたようです。一方、この雨を鋭い線として画面いっぱいに降らせる表現は、浮世絵、とりわけ広重の得意技だったらしい。ふむふむ。
だからこそ歴史というのは面白くもあると思うのですが、遡るほどに「それ、実はこうだった」みたいなことが多いですよね。
ちなみにこのカンフージャケットのポケット、幅の広くてキュートなフラップはフェイクで横方向にポケットインできます。


この写真を見た河上さんは「お、ちょうどいいのが写り込んでるじゃん。これと繋げてBLOG書こうと思ってたんだよな。前のBLOGにも登場してるから探してみて」と呟き、どこかへ出かけてゆきました。
前のBLOGとはこちらですね。つまり、アンディー・ウォーホルだって着たことがないものは着てみたい、ということです。
そういえば、このBLOG、先ほどから河上さんの注釈ばかり。
ぼくもぼくなりにANDY氏と今回のカンフージャケットを繋げてみようと頭をくるくる回してみたのですが、ぼくにはうまいことそれぞれを再接合することができませんでした。
うー、A。。。ASIMO。アシモだ。あの人型ロボット。
先日、”2026 World Humanoid Robot Games” が中国にて開催されていたのはご存知でしょうか?
ぼくはたまたまYouTubeに出てきたハイライト映像を見たのですが、すっごいですね。ぶったまげました。「2000年代初頭、中国は日本のASIMOに驚嘆したが、20年の間に逆転した」みたいな旨のコメントには素直に共感しましたね。
おっと流石にこの服から離れすぎました。

ジャケットの上に



そのまた上にコートを

もうこんなことわざわざ言わなくてもとは思うのですが、シャツとして、ジャケットとして、インナーとして着ることができます。
ここでまた河上さんが「昔の職場で一瞬『カンフージャケットを着る』みたいなのが流行った?プチ流行りした?のかはわからんけど何かの企画でカンフージャケットがラインナップされている瞬間があって、テーラードジャケットのインナーとしてチャイナジャケットを着ている人もいた。当時は『へー、そういう着方もあるんだなあ』くらいにしか感じなかったんだけど、今見たら違った印象を覚える気がする。つまり、洋服を着慣れている人でも着たことがないものは着てみたいし、面白いと思ったら自分なりに合わせたい。それが仮にエキセントリックな着方だとしても、昔の人が大体やっているから意外と何をやってもオッケーなのかもなあ。その場所、その時の自分にとって理にかなっていればオッケー」と、言っていました。

「この服はこういうディテールだから」という考えがあったせいか、この服自体によく触れられないままBLOGは終わりに近づいてきてしまいました。
最後の気分転換ということで、今お店のラックに掛かっているこのCCGA03UNI Aを再び試着してみました。するとさっきまでぼくは何をASIMOとか全く脈絡のない話題に逃げていたんだと反省するくらい率直に「なんだかいつでも羽織れそうなシャツジャケット」でした。同時に、「襟があれば何でもOK」というほぼ私服の高校生時代、ぼくも友達もどこかで買った古着のカンフーシャツを着ていたことも思い出しました。なんで忘れていたんでしょう。
たぶん、ぼくが今日このBLOGで「日本っぽいものと中国っぽいものを『洋服』としてうまいこと繋げて書こう」として失敗したように、無理して考えるのではなく!
日本っぽい生地の中国っぽい洋服。つまり、無国籍ジャケットです。
洋服自体、人が勝手に持ってきて、混ぜて、別の場所で都合良く着ています。
というわけで。
ふつうにその時思いつくままに、都合の良いように羽織ってみましょうか。


Color : IVORY Size : 1,2 ¥108,900- (tax included)
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