#借り物の部屋

こんにちは。
MANHOLEの河上です。
「河上さん、春夏の商品お店に置いてくれませんか〜?」
先日、cantateデザイナー:松島さんからそんな連絡が来ました。
そんなこんなで現在、cantateが数型お店に並んでいます。

来期秋冬は別注のみでは無く、インラインの商品も幾つかピックしていたのでちょうど良いタイミングだったのかもしれません。
コート2型 / シャツ2型 / カットソー1型 / トラウザーズ2型 / デニム数型。



まずは定番的にリリースしているDenim Tapered Trousersから紹介します。
cantateを手にし始めるきっかけとなるような。
日本の美しいデニム。




MANHOLEというお店を開けてからは別注のみの取り組みだったcantate。
少し期間は空きましたが、個人的に数年を通してお客様に紹介し続けていたデニム。
物自体の説明は松島さんからの借り物の言葉を引用します。

– Denim Tapered Trousers –
cantateの定番となった「Denim Tapered Trousers」というネーミングのジーンズ。
革靴が似合うよう、太腿から裾にかけて細くなるテーパードシルエット。
素材はカルフォルニア・シエラネバダの雪解け水と肥沃な土壌で栽培された綿花:サンフォーキアンコットンを使い、シャトル織機で時間と手間をかけて紡いだ糸です。
ユニオンスペシャルの古いミシンを使った仕立て。
バックポケットとウェスト部分の「ひと文字」と言われる縫い方。
1mmだけ閂止めを落としたベルトループの縫い方など。
マニアをも唸らせる凝った縫製やディテールを用いた一本。



仕立ての良いジャケット/仕立ての良い靴とストレートに合わせられる品の良さがあるデニム。
一方で、デニム特有の男らしいヒップ周りの力強い印象はしっかりと残しています。
センタークリースは洗えば抜けますが、そのままの表情が好きな方はアイロンをかけて維持して下さい。


– Denim Tapered Trousers – [BLACK]
シルエット/用いる素材はINDIGOと同様。
経・緯糸ともにブラックなのでゴマ塩感のない漆黒。
ステッチも黒なので、ストイックな表情に仕上がっていると思います。


個人的に黒のパンツに茶靴を合わせるのは本当に勇気が必要な行為なのですが、デニムだったらそれが普通に許せてしまう。
長い間ブルーデニムが苦手だった僕が、ブラックデニムは普通に穿けたのはそんな理由から。


デザイナーズブランドの遊びの効いたジャケットに難なく合わせられてしまうのは、もしかしたら前述した茶靴と同じような感覚なのかもしれません。


” cantate “
– Denim Tapered Trousers –
[ INDIGO / BLACK ] Size: 28 / 30
¥34,000+TAX-
デニムの野暮な格好良さは残しつつ、「トラウザーズ」と銘打って作り上げられた洋服。
僕らは仕立ての良いジャケット/仕立ての良い靴とストレートに合わせて欲しいわけでは無く、お店に置いてある適当でヤレたスウェットなんかと合わせて欲しいと思っています。
どんなに作りが凝っていようが、どんなにシルエットが美しかろうがデニムはデニム。
ただ、このデニムにはこのデニムにしか無い良さを感じます。
今の僕の感覚とも、今の中台の感覚ともまた違う「借り物の洋服」
ただ、「借り物」から変わる気分だってある。
自分の中で「良いなあ。」って思う物が増えていく瞬間の楽しさは、この仕事をやっている上での醍醐味だったりします。

ちなみに今回、Blogの撮影に協力してくれたのは麻生くん。
僕じゃありません。
彼は長い自粛生活を経て髪はボサボサ、髭はもじゃもじゃ。まるで僕の影武者のようです。
僕は残念ながらこの一年間で28インチのデニムなんて到底穿けない体になってしまったので、影武者が出来て嬉しい。
MANHOLE official instagram
河上 尚哉
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892