今年の冬は寒いのか、暖かいのか。

こんにちは。
MANHOLEの河上です。
「コート売りすぎちゃったもんな〜。」なんて勝手な理由で、MANHOLEでは当初よりそんなにたくさんのアウターを買い付けていない。
去年は暖冬が理由でアウターが売れない、なんて話が周りから聞こえてきたけど、本当に暖冬が理由だったのか、僕は疑問に思う。
暑がりの僕にとって、屋内外への出入りが多い東京の冬はいつだって暖冬である。
今年の冬が寒いのか、暖かいのかはあまり気にしていない。
去年は確かに平均気温は高かったような気がするけど、世間がSALE真っ只中の12月下旬から2月初旬はちゃんと寒かった。
ここ1,2年で僕は洋服を買う上でも、売る上でも。
「生地の経年変化」だったり「永く着る事が出来るか。」を主に追求する買い物の仕方やさせ方は、前時代的なのではないかと思うようになった。
もちろん「着込んだら良くなる。最低限の手入れさえすれば永く着る事が出来る、もしくは最低限の手入れすらしなくても永く着ることが出来る。」というのは大前提で、そこから先「本当に永く着るかどうか。」はお客さんの日常の選択に任せる外無いのである。僕らがいくらお客さんとコミュニケーションを深めて、お客さんの未来の生活背景を具体的に想像しようと、その答えが本当に正しいのかはわからないし、きっとお客さん本人もわからない。


僕が「欲しいなあ。」と思うアウターは、僕の適当な生活に耐え得る雰囲気の物と、僕の適当な生活を戒めてくれるような物だ。
当然、自分で仕入れて店頭に並べるものもそうであってくれることに期待している。
どちらか一方、あるいはどちらもカバーしてくれるものが1年/2年着たくらいで駄目になるわけがない。頭で考えると、そんなにアウターを買い足す必要は無い。






「コート売りすぎちゃったもんな〜。」なんて思いながら少しだけ気持ちを抑えつつ、それでも「欲しい、紹介したい。」と思うものは当たり前に仕入れるようにしている。
ROLIATのコートもその中の一つ。
ダブルフェイスの接結ウールを毛抜き合わせ。
裏地の無い一重の生地が体に合わせて踊るように動く様は、ただ単純に美しく感じる。
BEIGE/CAMELはナイロン混紡のウール素材。
BLACKはカシミア混紡のウール素材。

” ROLIAT “
– HANDMADE TOGGLE HOODED COAT –
BEIGE : ¥115,000+TAX-
BLACK : ¥118,000+TAX-
数年前だったら見向きもしなかったBEIGEカラーが、今の気分にフィットするのも面白い。
リバーのフードコートも可愛すぎて興味がなかった。今、僕らは「可愛い〜。」って言われたい。いや、それはどうでもいい。
物を見れば見るほど、買えば買うほど「今の自分の中の気分」という項目が最強の選択肢であることに気付く。
「今の自分の中の気分」というのはもちろん目の前の物、その物を見る時のお店の空気感、相手をしてくれる販売員の言葉、その時自分が着ている洋服、その日の機嫌、天候、一週間前に起こった事、一時間前に起こった事等、全てに左右される。
こういう細かな動きは現場でしか感じる事ができない。
〜がこの時期に何点売れた、なんていうデータを集めて解析することに集中しすぎて、肌で感じて体全体で考える力が失われてしまうのではないか。去年アウターが売れなかったのは、本当に暖冬のせいなのか。なんて事を考えてしまうから、僕は過去のデータを見る行為自体が怖かったりする。
「コート売りすぎちゃったもんな〜。」なんていう僕の中の気持ちは、本当に「コートを売りすぎちゃったもんな〜。」と思っているのか、それとも別の理由から生まれたものなのかは自分でもわからない。
なんて、自分の心の中のもやもやと戦っている間にも、目の前ではお客さんが楽しそうにこのコートを試着している。
その様子を見ていると、こうして頭の中で色々考える事自体が馬鹿らしくなってくる。
このお店は、お客さんのおかげで成り立っている。
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河上 尚哉
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