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– STEALTH

こんにちは。
MANHOLEの河上です。
SADEの納品がありました。まずはジャケット1型、ニット1型、トラウザーズ1型。
昨日紹介したO’DEMのデザイナー:中村さんと同様に、SADEデザイナー:影山さんも文字通り身を削りながら自分が好きな洋服を作っている。
SADEは良くも悪くも商売っ気の無い、戦略も何も無いブランドだ。
もしかするとあるのかもしれないけど、少なくとも僕らの目にはそうは映らない。
MANHOLEで取り扱っているブランドは商売っ気や戦略を感じさせないブランドが多いけど、SADEはその中でも飛び抜けている。
僕らも大概無鉄砲だと思うけど、影山さんは僕ら以上に無鉄砲だ。上には上がいる。
その突き抜けた感じは羨ましさすら覚える。

影山さんはリファレンス元の洋服を、上手に「影山さんの思い描くもの」として形にする。ディテールや作り、用いる素材がクラシック/ベーシック/ルールから著しく飛び出ていたとしても、全体で見ると上手くまとまっている。例えどこかに歪さを感じても、その歪さすら許せてしまう。今年の春夏シーズンにリリースしていた、穴の空いた礼服が良い例である。
SADEの洋服からは影山さんのルーツ、通ってきたもの、通ってきた人を確かに感じることができる。僕が影山さんが作る洋服:SADEを仕入れる理由は、その「影山さんのルーツ、通ってきたもの、通ってきた人」をいちいち説明しなくても、影山さんの作る洋服:SADEがちゃんと一つのかっこいい洋服としてお客さんの目に映ってくれるような気がするからである。
「どういうブランドで、どういう背景で、誰の元で働いた経験があって、この洋服のリファレンスはこれで、それをベースにこういう風に作り変えて、こう仕上がった。」という説明をするのは、時に楽しく、時に苦しくもある。
楽しい時は物の力に頼らず、苦しい時は物の力に頼りたい。
MANHOLEに並ぶ洋服は、僕らのそんな勝手な気持ちを汲んでくれる物がほとんどだ。「目の前の洋服」を魅力に感じる場合、物以外の情報も大事な要素である事が多いけど、時には物以外の情報がどうでもよくなる瞬間もある。
今回MANHOLEに納品された波柄のジャガードニットソー。
これは波柄が可愛い。 大人の可愛さを感じる。
冬の洋服の強い素材感にも負けない、存在感のある存在感の無い洋服である。
80年代のデザイナーズブランドの空気感を感じる毛芯仕立てのテーラードジャケット。ゴージの低い変形フィッシュマウスラペル。打ち合わせの深い2つ釦のダブルブレスト。袖はターンナップカフスで本切羽。という文章を見るだけでクドいジャケットは、グレーフランネルの落ち着いた印象の生地が少しだけクドさを抑えてくれている、けどやっぱりクドい。それがいい。
SADEのファーストコレクションから、この手の「クドいジャケット」はコレクションにラインナップを続けている。僕らもオーダーし続けたいと思っている。
表層的なデザインはワークパンツ。作りやディテールはテーラード。
ジャケットと同素材のグレーフランネルを使用したこのトラウザーズもまた、わかりづらくもわかりやすいかっこよさを感じることが出来るはずだ。

買う側のこちらが「果たして(ブランドの存続的に)大丈夫なのだろうか。。。」と勝手に心配してしまうブランド:SADE。まだまだ荒削りな部分はあるけれど、そこも好きになれる。物としての雰囲気は良い。影山さんの人柄、商売っ気のなさ、無鉄砲さも好感が持てる。
だからこそ、応援したい。一緒に出来る事があれば取り組んでいきたい。
でも、いくら無鉄砲な僕らでもブランドと心中は出来ない。お客さんに無理をさせるつもりもない。今の自分たちが背負える分のリスクなんてたかがしれている。
何か良い方法はないのだろうか。


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河上 尚哉

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