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起源










Kilgour French & Stanburyのジャケットの袖口につけられたアジャスターベルトとアジャスターボタン。
Henry POOLEのトラウザーズのアジャスターベルトとアジャスターボタン。

これは「ダックストップ(daks tops)」という名称のディテールらしい。
名前だけが頭に残り、「あひるの嘴を上から見たのかな。」なんて思っていたんだけど、英国のブランド:DAKSがゴルフ用のトラウザー向けに考案したディテールだそうだ。
どうりで「DUCK’S TOP」あるいは「DUCK STOP」で調べてみても的外れな情報しか出ないわけだ。

クラシックな英国物/もしくは英国風の物で見かける為、勝手に「ミリタリー/ハンティング起源のディテールなのかな。」なんて妄想していたけど、ゴルフ用のスポーティなディテール。確かにそう言われるとそうなのだろう、と腑に落ちる。
まあネットに落ちている断片的な情報なので本当かどうかはわからないけど。だし、本当かどうかなんて本当はどうでもいい。ただ、断片的な情報でも知ると面白い。

さて、起源がどうこう、用途がどうこうは置いておいて、僕は「サイドアジャスター/シンチバック/サイドシンチ」というディテールが好きだ。
今は太ってしまってそういう悩みは一切ないけど、昔の僕は「ヒップはあるけどウェストが細い」という体型だった。
そのため、ベルトでウェストを締め上げるとどうしてもウェスト部分にたるみが出るのが気になっていた。いや、ウェストが極端に大きいパンツをベルトで締め上げて穿くのは好きだ。「まあ、そういうもんだろ。」で片付く。
「ちゃんと合いそうなんだけど、地味に合わない。」くらいのサイズ感のパンツを穿いた時にそうしたたるみが発生するのがどうにももどかしい。ウェストを詰めればいいんだけど、それはそれでめんどくせえな、なんて思ってしまう。最近は「詰める」悩みよりも「出す」悩みが出てきたから悲しい。
結局諦めて穿いているとどうでもよくなるんだけど。
その点、サイドアジャスターやシンチバック/サイドシンチが付いているパンツは、締め上げると「まあ、そういうもんだよな。」で片付くから気持ちが楽でいい。

そういう理由からか、古典的な見た目に惹かれているのかはわからないけど、僕はサイドアジャスターのディテールが好きだ。付いていればいいってもんじゃ、もちろんないんだけれど。






今日紹介するのはCLASSのDog’s nose。
サイドアジャスター付きのベルトレストラウザーズ。
クリースさえ入れればクラシックなトラウザーズに見えそうだけど、サイドシームはステッチで叩かれ切りっぱなしで処理されている。
シルエットはストレート。


1型はsuper140’sの糸をハイカウントしたハリのあるグレーの生地。
もう1型は絣のストライプ、生地だけ見ると日本的な要素を感じるけど、洋服になるとヨーロッパ的な要素も感じるから面白い。





ディテールの起源、リファレンスがどうこうはどうでもいい。
もちろん知る楽しみや考える楽しみ、追求する楽しみ方もお客さんに伝えることが出来たらそれがベストなんだろうけど、洋服の楽しみ方は人それぞれだ。押し付けることは出来ない。

僕がこのトラウザーズを気に入っている点は「サイドアジャスターが付いているから」でも「選ぶ生地によって、合わせ方を変えることが出来るから」でも「サイドが切りっぱなしになっているから、上品な生地なのに適当な合わせ方を楽しむことが出来る、必要以上に高そうに見えないから」でも「腰回りにボリュームのあるパンツが多い中で、改めて新鮮に見えたから」でも無い。ましてや「CLASSだから」でも絶対に、無い。




” CLASS ” – dog’s nose –
SUPER140’s ¥79,000+TAX-
Wool Kasuri Stripe ¥68,000+TAX-





このトラウザーズを取り巻くムード、全て含めて「穿くと最高にかっこいいから。」だ。
僕らはそれを第一に伝えていきたい。





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河上 尚哉

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