2022/03

実在する袖



こんにちは、鶴田です。

CLASSの洋服がいつも僕らをワクワクさせてくれるのは、それぞれのアイテムから日常に対する必要性や意味を感じないからなんだけど、じゃあ本当に意味がないのかと言われると何かしら「意味がある」ような気にもなる。意味なんかないね、という言葉の裏側にある意味。答えが出ない、という答え。そんな不思議な感覚。



CLASSの洋服を見ていると、たまに「こんなに可愛いorカッコいいor面白いor楽しいアイテムなのに、なぜ今までこの世に存在しなかったのだろう」と思う瞬間がある。 過去と未来が同居する、つまり懐かしさと新しさの表現。 理解を超えたそれらのアイテムは他の洋服と組み合わせたときに、全体の見え方を丸ごと違うものに変えてくれたりもする。

これはきっと、堀切さん自身の中にアーカイブへの敬意と未来への探求心が同時に存在するからだろう。僕らが既に見てきた過去とまだ見たことのない未来が絶妙にブレンドしたCLASSのアイテムは、時間軸だけではなく、日常と非日常、意味と無意味の境界線上にポツンと落っこちているような佇まいで僕らをじっと見つめてくる。


” CLASS “
– CCCS10UNI A –
BLACK / RED
¥53,900-(tax included)
– CCCS10UNI B –
PURPLE
¥20,900-(tax included)



今シーズンCLASSから届いたのは、シャツ袖。というか、これを「袖」と呼んでいいのかどうかも怪しいくらい謎のアイテム。素材はご丁寧に二種類も用意してある。見た目は謎だけど、使い方はいたって簡単。当たり前過ぎるくらい「腕に装着する」だけ。



まずは、繊細な印象のパープルから。



ジップアップブルゾンの袖の上から袖を装着した例。



パープルはナイロン100%で、透ける素材。ブルゾンのギンガムチェックが妖しくシースルー。あと、本来は出ないはずの位置にボリュームが出ている。



コーディネートの色彩を更にパワフルにしてくれたりもする。



ゴワゴワで強い印象のブラックとレッド。



ブラックはシルク×金属繊維素材なので、パープルほどの透け感はない。



袖が取り外しできるジップ付きジャケットに組み合わせて、無くなった袖を補完してみた。



毛抜き合わせの柔らかいウール素材の下から、金属繊維の野蛮な質感が顔を出している。色彩がない分だけ、素材感が強調されている。



ブラックと同素材の赤。一転して、鮮やかな赤。



ジャケット袖の上から、あるいはジャケット袖をまくり上げてシャツ袖の上から、更に袖を重ねてみた。

と、色んなパターンで袖に袖を重ねてみたけれど、やっぱり意味なんてない。「素材感が○○」とか「シースルーで○○」とか「袖が二枚に重なって○○」とか、理由を付けてみたけれど、もはやほとんど理由になってない。



ただ、これほど意味のないものを真剣に作っているデザイナーがいること。これだけは動かしがたい事実。真実とか真意とかは、きっと人の数だけ存在するのだろうけれど、CLASSからこの超現実的な袖が届いたことは、やっぱり僕らが住むこの世界の現実。

どれほどシュールなアイテムだろうと、人間の肉体とセットになった瞬間からその洋服はリアルに変わる。意味や必要性や効果などといった、脳内を渦巻く概念的な思考よりもずっと、袖の上から装着した袖の方が現実味を帯びることだってあるんだと思う。あまり先回りして考えるよりも、自分の実在を信じることができればいい。ファッションの素晴らしいところは、いつも肉体とともにある点にあると思っている。




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鶴田 啓

〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室

M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892

元・世界最大



世界で一番大きい。

このワードのバカっぽさが好きだ。子供の頃、何かの雑誌に載っていた「世界最大の餃子(普通サイズの50個分)」とか、テレビの「世界びっくり大賞」で見た「世界一バストの大きな女性」とか。「世界最大」という言葉の意味の無さに、なんとなく心地よい脱力感を感じてしまう。

こんにちは、鶴田です。



今日ご紹介するのはBLESSから届いた「(たぶん)世界最大のカシミアTシャツ」。

ギネス記録を確認したわけではないけど、そんな項目はきっとない。コットンのTシャツならありそうだけど、カシミアのTシャツでは多分ないだろう。念のため検索してみたところ、 「世界最大のカシミアTシャツ」ではヒットせず。代わりに「世界でもっともラグジュアリーなカシミアTシャツ」という某有名ブランドの記事が出てきた。



成人男性と新・成人男性が二人でBLESSのカシミアTシャツを広げてみると、このサイズ。

でー---かー----。

ワンサイズ展開で、そのスペックなんと着丈97cm、身幅87cm。イメージ的には身長2m90cm、体重180㎏な人のMサイズ、って感じ。分かんないけど。

中台が着ても当然、デカい。



袖は手首まで、着丈は膝まで届いている。一枚でテキトーにざっくりと羽織りました、の範疇をはるかに超えている。が、肩幅はその人なりの位置でどっちみちドロップするので、広げてみた時ほどのインパクトではない。けっこう自然かも。







ゆうとが着ても当然、デカい。



デカいんだけど、生地は滑らかで薄手のカシミアニットなので、上からブルゾンを羽織っても意外と収まってくれる。身幅87㎝の痕跡が消えて、着丈97㎝だけが全体の印象を引っ張っている。







鶴田が着ても当然、デカい。



デカいんだけど、オーバーベルトでウエストマークしてアシンメトリーなドレープをテキトーに作ってみたところ、着丈97㎝の痕跡が消失して身幅87㎝の存在だけがシルエットを形作っている。







もはや、デカくないじゃん。そんな気すらしてくる。



このバカバカしいくらいデカいサイズのカシミアTシャツを前にして、僕が思うのは「洋服なんて、広げて見ただけじゃ何も分からない」ということ。そして、これはすべての洋服について言えることである。僕らの先入観を鮮やかに破壊してくれるBLESSの洋服は、相変わらず楽しい。


” BLESS “
– OVERCASH T-SHIRT –
SIZE – OS
¥207,900-(tax included)



ということで「世界最大のカシミアTシャツ」は無駄な先入観を助長するだけなので、呼び方を変えようと思う。

「世界最強のカシミアTシャツ」。

これがいいな、うん。

チュニックにもロングシャツにもワンピースにもアウターにも、もしかしたらマフラーにもなれるかも。物差しだけでは測れない、変幻自在のポテンシャル。現時点で実力を全部出し切っている洋服よりも、全然最強でしょうよ。

完成美なんて、意外と弱いんだって。



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鶴田 啓

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” NICENESS “
– CAINE –



40sのブリティッシュスモック・フレンチスモック・アメリカンアノラックを掛け合わせたデザインに、高級感のあるオリジナルスビンチノを使用し作成した多国籍アノラック。素材に製品洗いをかけることで、ナチュラルなシワ感と腰の抜けた風合いが特徴的で、どこか洗練された綺麗な表情のあるアイテムに。オールド感のある生地に様々なディティールも取り入れ、多国籍な風貌に仕立てています。

< NICENESS 商品説明より引用 >



と、いうわけで。
色んなものを掛け合わせたミックスアノラック:CAINE。

日本人はご飯だったり、洋服だったり、家だったり。
色んなものをかけたり、ミックスするのが上手です。

特にNICENESSのデザインチームは、そのミックスされたアイデアを形にするのが本当に上手。
自分達のひらめきに自信を感じる。
このアノラックパーカーだって、元々既にこういう洋服があったかのような自然な存在感。




さて、そんなミックスアノラック:CAINE。
ミックスされすぎているが故に文脈を拾う行為はあまり必要ない。
というか、僕らはそもそもそこにあまり興味もない。
デザイナーの意図を汲んで、裏切る方が楽しいと思う。

というわけでいつも通り、ただの「かっこいい洋服」として扱ってみることにします。

NICENESSのデザインチームは、40sのブリティッシュスモック・フレンチスモック・アメリカンアノラックを掛け合わせたデザインをかっこいい洋服として形にしてくれました。
その上で僕らに出来ることは、このかっこいい洋服をどうすればその時々でかっこよく着ることが出来るかを考えることで十分なはずです。

かっこいい洋服に、ちゃんとかっこよく使われたNICENESSオリジナルのチノもなんだか幸せそう。糸が、生地が、笑ってます。



男性的な形ですが、そこに引っ張られすぎなくても大丈夫。

NICENESSのデザインチームのように。
その時々のひらめきに自信を持って、様々なバランスで着て欲しい洋服です。


” NICENESS “
– CAINE – [ ウォッシャブルチノアノラック ]
¥84,700-(tax included)







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河上 尚哉

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今シーズンも特徴的な色使いのNICHOLAS DALEY。
毎度僕らのイメージを上回る感性に嫉妬している、中台です。

初めてNICHOLASのコレクションを見た時はもっと土臭く、渋くて煙たい印象だった。
いつの間にか大胆、且つ色鮮やかなカラーパレットで構築されるようになったコレクションは、自分が日本人であることを忘れてしまうくらい、楽しい気分にさせてくれる。








先日入荷したリネンカーディガンもやはりナイスカラー。

「ストライプのリネン生地はアイルランドの豊かなテキスタイルの歴史に敬意を表し、ウェックスフォードの優れた織物職人とのコラボレーションにより制作。」(ブランドリリースより引用)

直感と伝統を感性でミックスしているのがニコラスらしい。












柄といえば柄だけど、色として捉えれば何でも合わせられる。
不安な気持ちを捨てれば、なんでも組み合わせてとことん色を楽しむことができる洋服。
もちろん、適当にただ羽織るだけでも気分は良い。



” NICHOLAS DALEY “
– WORK CARDIGAN –
COLOR : ORANGE-TURMERIC / BLUE-BURGUNDY
¥73,700-(tax included)



音楽からのインスピレーションを毎シーズンテーマに掲げているが、今シーズンは「Richie Havens」/「Joan Armatrading」/ 「Davey Graham」など、往年の偉大なアーティストらと共に、「Lianne La Havas」/「Sons of Kemet」/「Caleb Kunle」のような現代に活躍する若手アーティストにも親和性を見出し、一つのテーマとする事で、懐かしくも新鮮なイメージを創り上げている。


音楽やアートをテーマに謳うブランドは数あれど、嘘なく、誰よりもピュアに、そしてリアルに表現しているのがNICHOLAS DALEYではないだろうか。





朝と夕方に聴くといいです。







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中台 竜郎

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FRANK LEDERからストライプ柄のアイテムが届いた。柄と言えば、勿論、僕。

こんにちは、柄田です。
いや、鶴田です。



以前に紹介した、同じストライプ生地を使ったコートは、あっという間に店頭から姿を消してしまった。昨年の夏にこの生地のシリーズを展示会と見たときは、河上とふたりで「コート+パンツ、とかコート+ベストでセットアップ風に着てもバカバカしくて可愛いよね~。いっそスリーピースでも」なんて話していたんだけど。コートがすべて旅立ってしまった今となっては、もはやどうでもいい話。

タイミングが少しズレて、今回入荷してきたのはアウターとしても使えるボックスシルエットのベストと、ドローコード付きのワイドなイージーパンツ。



ザラっとした手触り、渋い配色のストライプ。フランクらしいムードのあるファブリック。


” FRANK LEDER ” [VINTAGE FABRIC EDITION]
– STRIPED COTTON VEST –
Color : BROWN
¥52,800-(tax included)
– STRIPED COTTON TROUSERS –
Color : BROWN
¥63,800-(tax included)





河上はこのベストをタンクトップのつもりで買い付けたらしいので、ジャケットのインナーにざっくりと着ている。「クラシックなベストのインナーには襟付きのシャツを着る」という概念を一旦外してしまえば、スッキリとした首元がとても軽やかな印象に変わる。



スウェットパーカを着るときも思うけど、ポケット付きのインナーに男性が手を突っ込む仕草って、なんだかチャーミングだなぁ。



ジャケットのVゾーンとベストのVゾーンが重なって、ブラウン~ベージュの渋いカラーリングも切れ味が鋭いコーディネートになった気がする。



鶴田の場合、このベストはパンツとセットの「ツナギ」だと思って買ってきたので、セットアップで着てみた。



インナーにレザーシャツをレイヤードして、より一層アウター感覚で。



ザラっとしたコットンに異素材を組み合わせる行為は、インナーの袖がばっちり見えるベストというアイテムの特権か。



パンツはドラマチックに太い。ヒップ~ワタリにかけて丸く太く、膝下~裾に向けて大きくテーパードしている。股下はやや短め。穿き位置にもよるけど、ほとんどの場合はクロップド丈。



たっぷりのギャザーで膨らんだヒップも、右側だけに付いた大き目のパッチポケットも「男っぽいけど可愛い、どこか憎めない」というFRANK LEDERが思い描くチャーミングな男性像にぴったり。でも、それに従うか従わないかはその人次第。



この位置のポケットは、やっぱり手を突っ込んでみたくなる。



ベストがアウターだと、まだ肌寒い?ペラペラのコートを羽織って大判の巻物でボリュームを付けてあげれば、十分すぎる三月仕様。パンツそのものに太さがあるし柄のインパクトもあるのでボリュームアウターにも負けない存在感。



丸っこいシルエットだけど丸っこいボリューム靴を合わせない、という裏切りもこのパンツならば楽しめそう。



これら二つのアイテムは、セットアップで着ても単品で着ても、どちらでもいいと思う。河上には単品のタンクトップに見えたし、僕には袖無しのツナギに見えた。コートを買ったお客さんの中に、もしこのベストとパンツがスリーピースの片割れに見える人がいるのならば、全部揃えてもらうのも勿論いい。

「ビジネススーツの上着だけ」ってのは一人だと何もできない中途半端な存在だけど、このベストとパンツにはそれぞれに自立した良さがある。だからこそ、一緒に着ても楽しいし単品で着ても楽しい。MANHOLEの3人がいつか「ソロ活動でも十分に魅力的なメンバー同士、結果的に集まったスリーピースバンド」みたいになれたらいいな。

え、もうなってるって?
いや、まだ全然ダメだって?

どーなんすかね。
知らないけど。

そんな調子のトリオです。





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鶴田 啓

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