MANHOLEスラックス
MANHOLE企画、ノータックトラウザーズ。
企画し始めてちょうど2年くらい経ちましたが、ようやく売り場に並べることが出来ました。
「毎日穿きたいな、と思える股上の深いノータックのストレートのパンツが欲しいなあ」という気持ちで企画しました。
2年前、まだまだ裾幅が細いパンツに戻れる気がしなかったので、ノータックで腰回りはスッキリしているけど裾幅はあるスラックス。ちなみにリファレンスにしたのは僕が持っている1976年製の英国製ビスポークスーツの組下。奇跡的にサイズがぴったりだったしちゃんと当時の形をしていてすごく気に入っている、んですが、70年代の他人のビスポークのスーツ、サイズが合っていても(僕は今は)色々な意味で着る気にならない。
かっこいいし穿きたいんだけど穿けないなあ。でも理想的な形だよなあ。と、悩んでいたところ、答えに辿り着きました。「そうだ、作ってもらおう。」いや、ただ作ってもらうだけだとなあ。イギリス物だしなあ。この感じを出すためには頑固さが必要だよなあ。なんて悩んだ末に90年代のニュー・ビスポーク・ムーブメントを牽引したイギリスのビスポークテーラーでカッターを務めていた方にパターンを引いてもらうことになりました。素直にその方の普段通り引くパターンを引いても量産時工場のCADに上手く落とせないようなので、結果的にその方に細かいところまで色々コントロールしてもらいました。
で、ポケット。アメリカンポケットでもよかったんですが、せっかくノータックだし、ノータックだからこそ出来るL-POCKETにすることにしました。
とか、なんか色々書いてるけど、僕は相変わらず待っているだけだな。何もやってないじゃん。
まあ、いいや。かっこいいパンツを用意できて嬉しいです。
本当はジャケットと同じタイミングで出す予定だったのですが、いや〜時間かかりましたね〜。
いや、サンプルは1年前くらいに出来てたんですが、生地どうしよっかな〜とか悩んでたらこんな時期ですよ。生地、高いんですよね〜。直感でこれだ!って決めても売り切れてたりしますしね。直感でこれだ!って決めても値段を聞いてびっくりしますしね。で、結果的に選べる生地が限られてしまう。そうこうしている内に考えるのがめんどくさくなって、一回ちょっと放置してみよう。となるんだけど放置したら放置したで「あー、早く作りたいんだけどなあ」とか、ずっと気にしてるんですよね。で、もう一度生地を見に行って振り出しに戻る。というのを半年くらいやってましたね。
そんなことを3回くらい繰り返した頃でしょうか。「どうせ特別な生地を選んでもリピートがしづらいから、むしろこの結果的に選べる生地の方が今の僕にとっては良い生地なんじゃないだろうか」という気持ちになりました。直感で決めて売り切れている生地、ぐるぐるしている内に売り切れてしまった生地、直感で決めて値段が高くて諦めた生地、ぐるぐるしている内に値段が上がってしまって諦めた生地よりも、常に用意されていて安定的に供給できる生地こそが僕が考える「毎日穿けるパンツ」にふさわしいのかもしれない。気に入って穿き続けて、もし仮に「買い替えたい」と思った時にもそんなに苦労せずに用意が出来る生地。というわけで、今回の生地は4種類。冬用のグレーフランネル、合物のシャークスキン3色。サイズは42〜50の5サイズ展開。納期が読めなかったので冬生地が紛れ込んでますが、まあ良いや。のんびりいきましょう。
生地のパワーに頼らない、非常に気持ちの良いパンツが用意できたと思います。ここでいう気持ちの良さとは、手触りとか穿き心地とかではなく心の収まり方です。僕らは誰も持ってないようなものや希少性の高いものや質が良いものが欲しいわけでは無く、心の収まりの良いものが欲しい。
いや、のせてる生地は十分良い生地、想像以上に仕立て映えしています。が、大切なのはそこじゃない。気軽に手にとれて気に入ったら気に入った分だけ穿けるスラックスです。値段も良い塩梅に出来て満足。作りたい時に作れるのも良いよなあ。
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