Memorable Jacket
「かっこいいテーラードジャケット」は鶴田さんと作ったので、今度は「中台のバランスのジャケット」を作ろうかな、と思い、今回のジャケットを作ることにしました。
中台のバランスは、、、なんでしょうね。
一言で表すならば、馬鹿馬鹿しいんだけど馬鹿に出来ない、といったところでしょうか。
ちょうど6,7年前くらい。僕らが20代後半の頃ですね。
彼が4,5枚しか洋服を持っていなかった時期から今まで着続けている古着のジャケット。
僕が「お店の名前さ〜、MANHOLEにしようと思うんだよね」と、彼に伝えた千歳船橋のガストで繰り広げられた数々の打ち合わせという名の暇つぶしの際も、彼はあのジャケットを着ていた気がする。

ワンサイズ。低いゴージラインに丸い襟、
パワーショルダーではなく、肩幅が大きいだけ。誰が着ても肩が落ちる。
で、大きい身幅。身幅に対して短い着丈。
物を突っ込むのになんの抵抗も感じないマチ付きのポケット。
何を下に着ていても抵抗のない太いアームホール、そのまま太い袖の筒。
ジャケットという規格としてのバランスは悪いはずなのに、着ると何故かバランスの良いジャケット。
馬鹿馬鹿しいくらい大きいのに、それが決して馬鹿に出来ない。
で、半年前にイタリアの背景から「ナポリのテーラーに眠っていたイギリス生地を見つけたので、何か作りたいものがあるなら是非」と、声がかかりました。この手のざっくりとしたジャケットを日本で作るのは絶対に違うと感じていたので、タイミング的にはちょうどいい。
イタリアのドレスウェアな工場にこういうざっくりとした物を頼むの楽しいな〜。断ってくれないかな〜。と、思いながら依頼してみたら普通に作ってくれました。
ざっくりとしたイギリス製のウール生地。
接着芯で袖もタタキ、素っ気ないナットの釦。
ポケットは今のままだと綺麗すぎるので、物を突っ込みまくって伸ばしてください。
このジャケットに必要なのは「自分が着ているジャケットは、ジャケットとして良いものである」という安心感ではなく「あー、着たいな」と感じるノリの良さ。それが上手く、形に出来ました。









「一応禅野くんで着用写真でも撮っておくかな」と思って、撮ってみましたが、必要なかったなあ。
このジャケットに必要なのは、特別なシチュエーションではない。
白い背景ではそれは伝わらない。








Color:BLACK,GREY,BROWN Size:FREE
¥107,800-(tax included)
– Jackets for the ordinary days.
– Photography: Ryunosuke Kanaya
– Direction:Tatsuro Nakadai
– Starring: Xavier Sexton, Yuto Yoshida, Hoshi Hijikata
– Special thanks: upstairsrecordsandbar
例えるなら、こんな感じでしょうか。良いビジュアルだなあ。楽しそう。
そう、このジャケットに映えるのは。
いや、MANHOLEに並ぶ洋服を着て楽しんで欲しいのは「今日はなんか、楽しい1日だったな」という高揚感です。「あの日、なんか楽しかったよな」という、何故か記憶に残っている時間です。
お洒落さとか高級感とか原料の良さとか作りの良さとか質の良さとかは別にどうでもいいんです。
いや、絶対にどうでもよくはない!どうでもいいわけがない。
けど、そういう「洋服の良さ」の外側に、確実に存在する「洋服の良さ」を、MANHOLEのお客さんには楽しんで欲しい。
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河上 尚哉
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