やりたくてやっている
こんにちは。河上です。
テーラードジャケットにTシャツを合わせるのが苦手です。
人がやっているのを見るのはいいんですけどね。
なんか僕がやるとあの気怠いカッコ良さが出ない気がする。
で、自分でやるとしたら大肩パッド入りのジャケットだったり、中にブルゾンを挟んだり、ニットを挟んだりして逃げてます。そして、その逃げついた先がタンクトップ。だから僕はタンクトップが好き。

-CCFS04UNI A- ¥277,200-(tax included)
-CCFS08UNI A- ¥171,600-(tax included)
さて、今日紹介するのは見た瞬間に「カットソーでスーチングできそうな洋服だな」と思ったCLASSのセットアップ。
このセットアップだったらテーラードジャケットのインナーにTシャツを合わせるのが苦手な僕でも、タンクトップに逃げなくてもいいかもしれない。
組上はボタンレスのピークドラペル。
「ボタンレス」どころか肩パッド以外ほとんどのテーラード的構造を省いた、着る人にも見る人にも威圧感ゼロの柔らかな雰囲気。襟なんて綺麗なふんわりとしたロールが裾まで返っている。やる気があるのかやる気がないのかわからない。
で、所謂イージージャケットや「かたい雰囲気のジャケットが苦手な人に向けて作られたジャケット」に感じる退屈さは皆無。
組下はノープリーツのストレートシルエット、裾幅21cm。
サイドにハギがないテクニック溢れる作りが生み出すのは、着る人にも見る人にも緊張感ゼロの柔らかな雰囲気。一つひとつ丁寧に積み上げた無味無臭なパンツ。
だからこそ、裾をステッチでギャザー状に摘み上げた破壊的なディテールがとても、良く映る。


とても気に入ったので「セットアップでお店に並べよ」と思って値札を見たら冒頭のクレジットの通りすげえ値段でした。
Super160sの原毛を8本撚りした糸を縦横に使用して織ったDormeuil社の超高級生地。
で、見た目からも伝わる通り、シャリ感はあるのにありえないほどトロッとした心地の良い肌触り。
ただ、この生地だからこういう見た目になっているのもわかるんだよなあ。
「高いから無理!」と、一蹴できない。しちゃいけないような、儚さを感じる。
(値段的に)一般的には全然必要とされていない生地、(テーラード的に)全然必要とされていない作り。
「別に必要ではないけれど、すごく良いです」と言ってくれる人を静かに待っている洋服。

というわけで、今お店に並んでいるCLASSのセットアップ。
ポイントで押さえているだけなのにテーラード然とした空気、ポイントで押さえているだけだから全体は柔らかなムード。
自信を持ってカットソーと合わせられる。いや、合わせたいと思うセットアップです。
もちろん上下バラバラに着ることは出来るけど、カットソースーチング、いかがでしょうか。

ちなみに。この上下で店頭に並べているのはMANHOLEと神戸のMuktaさんの2店舗のみだそうです。
CLASSは相変わらず採算度外視なことをやっているなあ、と改めて感じる生産数の少なさですが、この上下に関してはそれすらも狙ってやっているような気がする。
そして、僕達も同じく。
仕方なくやっているわけでも、やりたいけどやれないわけでもなく、やりたくてやっている。
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河上 尚哉
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