ベルト楽しいですよ

月並みな表現をすると「見えないからなんでもいいかな」という理由で後回しにされやすいベルトという装飾品。
確かに見えないからなんでもいいですね。
けれど、見て欲しい時に見ていない。そして、見て欲しくない時に見ているのが他人という生き物。
もうちょっとポジティブな言い方をすると、誰にも見えていない時間が最後にその人を作る、でしょうか。
であるならば、見てほしい時でも見てほしくない時でもない≒無意識の時間に見えるか見えないかくらいの塩梅をちょうどよく狙う必要があります。あります?そんなこと気にしながら生きるのは疲れるかな。
ともあれ、これ見よがしに見せる必要なんてないけれど、見せたいか見せたくないかであれば「これ見よがしに見せたい」と思えるものの方が身につけていて楽しいのではないでしょうか。
というか、なんでもそうですね。自分で選ぶ以上、自分が楽しめるか楽しめないか。
どうせ見えない/見られていないのならば、尚更自分が好きなものを身につけることが出来るという前向きな考え方。




さて、Dechampsのchampion belt。いうまでもなく、チャンピオンベルトがモチーフのそれ。
ラグジュアリーブランド御用達のボックスカーフ、Dechampsオリジナルの線の立った真鍮バックル。
今シーズンのDechampsのテーマはHidden champion。
1904〜1919年頃に活躍したフランスのミドル級ボクサー:Marcel Moreauにインスピレーションを受けて作ったコレクション。
ボクシング史でいう「超レジェンド級」というよりも「黎明期フランスボクシングの強豪」という立ち位置でしょうか。知っている人は知っているけれど、知らない人は知らない。知らない人の方が多い実力者。

で、Dechampsの革小物は彼らが用意してくれた革のスワッチから好きな革や色を選べるので「さて、どうしよっかな」と考えた時に、目に止まったGreatest of All Time. A Tribute to Muhammad Ali。
ツルツルの黒表紙に金箔のタイトル。

静かな美しさ。そして、力強さを感じる「これ見よがしに見せたいと思えるベルト」だ。
仮にこれ見よがしに見せたとしても誰もどこの何かがわからない点も良いし、誰かの腰に巻かれたこのベルトが意図せずチラリと見えた際、僕は「素敵なベルトをつけている人だな」と感じると思う、けれどそんなことはどうでもよくて何よりも身につけている本人が楽しむことのできるベルトです。
つまり、見ている人は見ているし知っている人は知っているけれど、見られなくても知られなくても結局は自分で選んでやっていることが自分であるということ、Hidden champion:Dechampsです。
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河上 尚哉
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