この魅力は一体

芯なし、裄綿なし、肩パッドなし、更にボタンレス。
一般的なジャケットに使われる副資材が全く使われていないいわゆるイージージャケットに分類される洋服なんだろうけれど「ジャケットを楽に着たい人」へ向けて作られたジャケットではなく「ジャケットが好きだから着ていたい人」に向けて作られた、さらに言えばその「ジャケットが好きだから着ていたい人」の中でも限られた人に向けて作られたジャケット。
いや、そもそもこれはジャケットなんですかね。CLASSは名前の付いていない洋服を作るのが本当に上手だな、と思うけど、とりあえずジャケットの顔はしているからジャケットでいいや。
「ジャケットが好きだから着ていたい人」がいつの間にか抱いてしまった「ジャケットはこうでないと」という円。「ジャケットを楽に着たい人」がジャケットに期待している「こういうジャケットなら俺でも着られるんだけどな」という円。円と円の重なりからズレた点。それがCLASSのCCGS06UNI。
楽さを期待するならばこれを選ぶ第一の理由にはならないし、涼しさを期待したいならばこれを選ぶ第一の理由にはならないし、ジャケット然としたものを期待したいならばこれを選ぶ第一の理由にはならないだろう。
では、このCCGS06UNIを選ぶ理由は一体なんなのか。


が、ダレたようにつけられたパッチポケット。












かつてMANHOLEのオリジナルとしてジャケットを企画していたことがあったのですが、辞めました。
もちろん物が気に入らなかったとかではなく、とても良くできていたと思うし、テーラード工場とほぼ直接やりとりしていたので値段もクオリティに対して高すぎるとかも感じなかったし、今もお店に着てきてくれるお客さんを見るたびに「いいジャケットだな」と、思うんだけど辞めました。
一度ベースも作り上げたので、体型補正など含めたオーダー会も出来る企画だったんだけど、、、なんかそういうのも気乗りしないんだよなあ、なんでだろ。
で、その理由は「自分が作ったが故に自分が格好がいいと思う部分を自分で説明出来てしまうから」だと思いました。正論だけでは人を納得させることが出来ないことや、セオリーがつまらない、という主張が既に使い古されたセオリーであるように、言葉に出来ること全てが良いことだとは限らないな、と思いました。
言葉に出来ない、いや、もちろん出来るけどそれだけじゃ目の前のものの格好良さが説明出来ないのが、僕にとってのテーラードジャケットだったのです。
誰かに委ねるが故にわかるけど、わからない部分が残されている。
僕はテーラードジャケットのその部分に魅力を感じていたのかもしれない。
もちろん、以前こう書いている通り、自分で作ることは諦めていないけれど。
MANHOLEを開ける時に「どこにでもあるもの、全てにつながるもの。だけど、中がどうなっているのか誰にもわからないもの」というコンセプトをお店に添えました。
そう、7年前。いやもっと前からわかっている通り、わからないから想像が膨らむこともある。
わからないと匙を投げるのではなく、わかろうと努力すればするほどわからない部分が溢れてくるような「わからない」という楽しさを、僕はこういう洋服に期待している。

Color:NATURAL Size:2 ¥123,200-(tax included)
さて、このCCGS06UNIを選ぶ理由は一体なんなのか。
・・・なんなんでしょうね。っていうのを、僕はお客さんと探していきたいなって思っているし、そう思えるってことが僕にとってCCGS06UNIを選ぶ理由なんだろうな、とも感じている。いい洋服だなあ。
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