僕らはいつもぺらぺら
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
昨日は久しぶりにたくさんお店をぶらぶらしました。
12時から18時くらいまで一人、それ以降は中台と山崎くんに三軒茶屋を案内してもらいました。
ぐるぐる歩き回って疲れたけど色々な人に会えて楽しかったです。
買い物って自分はもちろんだけど、お店の人も喜んでくれるから嬉しいし楽しい。
うちのお店も売って終わり、売れて当たり前のつまらない作業にならないようにしたいなあ、と外で買い物をする度に改めて感じますね〜。
お財布が軽くなる代わりに何かのきっかけを掴む可能性のある行為。
自分のことを改めて考える良い機会にもなるかもしれません。
オススメです。
いつもMANHOLEで買い物をしてくださるお客様に感謝しつつ、しゃぶしゃぶ食べ過ぎて太ったので今日からまた頑張ります。
本日紹介するのはFRANK LEDERのぺらぺらのコート。
僕がこのブランドの洋服に抱く一つのイメージである、「ドイツの不良の洋服」にぴったりなコート。
ラバーライズドコットンのステンカラー。
何が良いって、ぺらぺらなのが良い。
あと、グレージュの生地の表情が良い。
丈感もショートコートくらいなのもちょうど良い。
ラバーライズドだから雨風を最低限防げるけど、ゴムっぽさや暑苦しさを感じないのも良いです。
狙ってこうなのか偶然こうなのかはわからないけど、裏がくすんだピンクベージュのような色味なのも、表地のアンニュイなグレージュと絶妙にあっています。
ラバーの加工は着ている過程で擦れていくと思うけど、その表情すらもきっとかっこいいはず。
偶然細かいことを気にせずにバサっと羽織れる形なので、買った方はもったいぶらずにどんどん着てください。
彼の作る、こういうやさぐれた印象の洋服にはとことん弱いんだよなあ。。。
欲しいです。
狙ってこうなのか偶然こうなのかはわからないけど、衿下がりが極端に付くことで、このシンプルなコートにちょっとした違和感を加えています。
自分にしては珍しく、タイドアップしたいな〜なんて思っちゃいました。
秋冬の強い生地感の洋服にも負けない雰囲気があるので、中さえ着込めば真冬でも着られるはず。
このコートは仮に今シーズン売れ残ったとしても、うちのお店の定番としてずっと並べておきたい。
そんな理由でたくさん買い付けました。
FRANK LEDERらしさはしっかりと感じるけど、良い意味で彼の作り出す/あるいは勝手に作り上げられてしまった世界観の外を歩けるような洋服だと感じます。
適当に。
FRANK LEDERらしくでは無く、自分らしく着てください。
そんなFRANK LEDERのぺらぺらのコートですが、「洋服を通じて何かを伝えたい。自分の作るものに共感できる人だけ、好きな人だけ、面白いと思う人だけ手にとってもらえれば良い。」なんていう意思を強く感じます。
誰にでも似合うように内容を詰め込められた物よりも、こういった特定の誰かをめがけて作られた事により何かが欠けている、何かが足りない物の方がよっぽど胸を打たれる瞬間があるのです。
見た目も口先もぺらぺら。頭の中身はスカスカな僕たちだけど、誰かに何かを伝えたいからお店をやっています。
だからこそ、誰かに売り方まで完璧にお膳立てされた何かよりも、どこか何かが欠けている洋服くらいの方が「良いなあ。」と、思いながら紹介できるのだと感じます。
既に詰め込められた物を捨てる作業よりも、足りない何かを考えながら補っていく方が、よっぽど楽だし楽しいんじゃないでしょうか。
河上 尚哉