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CLASS – Play – #1





「好きなものしかつくらない。」

その言葉の通り、商業的な匂いを全く感じさせないモノづくりは、洋服が本当に好きな人達の心を強く惹きつけます。

トレンドであろうがなかろうが。

今の自分にフィットするもの、着たいと思うものを、物怖じすること無く作る姿勢は、いつだって新しい流れを自然と作り出してしまうような強さを感じるのです。

クラシックな洋服から、出どころのわからないストリートな分野まで。
デザイナー自身の引き出しの多さに、ハッとさせられる部分が本当に多い。

着て楽しむこと。
見て楽しむこと。
聞いて楽しむこと。
触れて楽しむこと。
知って楽しむこと。


大げさでもなんでも無く、僕は洋服の楽しみ方の大半をこの人から学びました。




<CLASS>
デザイナーは堀切道之。
恒久的なアイテムをアヴァンギャルドに。
アバンギャルドなアイテムをリアルクロージングに。






こんにちは。
MANHOLEの河上です。

「ベージュのウールパンツが欲しいです〜。生地、形、金額はお任せします〜。」というCLASSのデザインチームに対する僕の緩いお願いから始まった本企画。
何回か打ち合わせの時間をもらい、数ヶ月前に納品されたのが今日紹介するウールパンツ:Playである。
そろそろ穿ける時期も近付いて来たので、店頭に並べることにする。


実はこのPlayという型、前職で取り扱っていたことがある。
確か2015年の秋冬シーズン、生地はライトグレーのコットンだった。

POOL BY CLASSのタグが付いていたのでおそらくレディースのバイヤーが買い付けたのであろう。
その当時は「ベルトレスのパンツなんてどうやったら売れるんだろうか。しかも女性に売るにはかなりデカイ。」という疑問のムードがスタッフ間をふわふわと漂っていた。当然、売れるわけがない。

結局そのパンツはしばらくの間お店のストックで眠り、数年越しに「メンズとかレディースとか関係ないし、なんか気になってきたから自分で買おうかな。」と思っていたタイミングで僕のお客さんが買っていってくれた。





と、いうわけでCLASSにベージュのウールパンツを作ってもらった。
打ち合わせの際に何型か用意してくださった候補の中から、この型を選ぶことにした。


ベルトレス/ヒップポケットレスという、何もないパンツ。
デザインらしいデザインも見返しとフロントポケット口に入るピックステッチくらいしかない。
腰回りのフロントダーツとバックダーツで骨盤を覆うような作り。
メンズのパンツというよりもむしろ、レディースのパンツという印象の方が強い。

生地はブラウンがかったベージュのウールライトサージ。
生地自体の軽さからくる印象はもちろん、綾に入る織りがなんとも涼しげに目に映る。

一見なんてことは無いウールのパンツだけど、やはり全体的な印象はどこか柔らかく、穿けばこのパンツの特徴を確かに感じてもらえるように思う。






先日、「なんでこのパンツ、ベルトループがないんですか?」と、お客さんから質問があった。
数年前の僕も同じ疑問を抱いた。なんでこのパンツはベルトループがないんだろう。







今の僕は、なんでこのパンツにベルトループが無いのかがわかる。
「そういうデザインだから」だ。

ベルトループが無いから、当たり前のようにサイズが合う人にしか売ることが出来ない。
「大きいウェストのパンツをベルトで締め上げて〜」なんていう、僕らが若い頃からやっていた誤魔化しも効かない。

ちなみにこのパンツ、ウェストのサイズ感は大きい。
CLASSのサイズピッチは用いる生地がユニークなせいか、昔からあまりあてにならない。
「多少のコストをかけても欲しい。」と思ってくださる方であれば多少ウェストが緩くてもご案内することは出来るかもしれないけど、それも実際に穿いてみなければわからない。

寸法の数値はあてにならない。
裾はフラシだから、丈の直しは必須だ。
オンラインストアでの買い物には全く向かない、今のご時世的に売り場に全く必要とされないリスクだらけの洋服だと思う。




” CLASS for MANHOLE “
– Play – ¥50,600-(tax included)
Color:BEIGE
Size:1/2/3





さて、では何故僕らがこのパンツを作ったかというと、人と会って話がしたいからだ。
物だけ手に入れても、しょうがない。お金だけ手に入れても、しょうがない。

このパンツの魅力に関してはこの場で語るまでもない。
良いと思わなければ、わざわざお願いしてまで作らない。

目の前にお客さんがいなければ / 物が無ければ / 僕らがいなければスタート地点にも立てない、最高に売りづらい/最高にかっこいいパンツだ。

在庫のリスクとかはどうでもいい。
仮に今残ったとしても、以前の僕のように数年後に良いと思えるはずだ。






河上 尚哉

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