107-0062
central aoyama #003
4-1-3 minami aoyama minato-ku,tokyo

W : manhole-store.com
M : info@manhole-store.com
T : +81 34283 8892

blog

避けてもいい。





ルールはまだいい。
知らないよりも知っていた方が、その後ルールを破っていく/作っていく/振り返ってみる事を含めて、自分で楽しむことが出来る。
ただ、人の血が通っていない、聞きかじったようなセオリーはどうにも苦手だ。

〜だからこうなる。この〜は〜だから美しい。〜に〜は合わない。〜だからこうした方がいい/こうしなければならない。〜な人にはこう対応した方がいい。

確かにそうなんだろう。
知らない物、行ったことのない場所、初めて会う人、今までやっていなかったこと。
誰だって新しく行うことは上手くいった方が、正解した方が気分がいいし、それに頼った結果仮に上手くいかなかった/失敗した際はそのセオリーのせいに出来る。

だけど、本当にそれは上手くいっているんだろうか。
自分にとってではなく、誰かにとってなんとなく上手くいっているだけなのではないだろうか。
正解に当てはまらないものは全部失敗なんだろうか。
言われるがままに行う自分の人格は、どこに消えるのだろうか。






洋服の面白いところはセオリー通りにはいかないところだ。
セオリー通りに進んでみても、その人のもつキャラクターが良い意味で邪魔をする。
例えば、同じような背格好の人が全く同じ格好をしても全然違う見え方をする。

銀幕のスター / 写真に映り込む過去の一コマ / MVで踊るミュージシャン / ドラマの中の人 / 雑誌にレイアウトされたスナップ写真 / 街角で見かけた妙にかっこいい人。
それに憧れて同じ格好をしても憧れ通りにはならない。
むしろ理想が頭の中に強く刷り込まれているだけに、「これじゃない感」を強く覚えるかもしれない。

ただ、それは決して悪いことではない。
「自分には似合わないかもしれない。」と、立ち止まってしまうよりも「好きだから、かっこいいと思うから、着てみたいと思うから。」と、試してみることの方がよっぽど前向きで、むしろ自分が着たことの無い何かに興味をもつ良い機会だ。

大切なのは、「自分は自分以外の何者にもなることが出来ない。」と、気付いてからどう動くかだと思う。
他人のセオリーを信じすぎるとそれに気付くことが難しい。
一方「好きだから、かっこいいと思うから、着てみたいと思うから。」と突き進んだ場合、どこかのタイミングで当時の自分とは違う何者かになっているかもしれない。

洋服の良いところは、そういった自分の変化に気付くことが出来る点だ。
好きなものはそう簡単に変わらない。
変わらないけど、好きなものを増やすことは出来るはずだ。




「河上くん、ショーツ穿かないもんねえ。」

これは2021SSシーズンの買い付け中、CLASSのデザインチームから言われた言葉だ。
そういえばここしばらく、どうしても穿かなければならない時以外は積極的に穿いた記憶が無い。
その言葉を耳にした瞬間、なんだか「ショーツを穿かない。」という自分の選択が無性に勿体無く感じてしまった。

と、いうわけで今回のMississippiは色物でショーツ。
LIME/YELLOWがオススメ。
GREYはグレーが好きな方、色物に抵抗がある方や、2本目としてどうぞ。




さて、CLASSのMississippi。
これは前述した通り僕がしばらく手にしていなかった洋服。
色物でショーツ、あまり手に取る機会は無い。

企画してから「大丈夫かなあ。」なんて思っていたけど、届いて穿いたら「大丈夫だなあ。」と思えた。そんなもんだと思う。

僕は暑がりなのに、何故か「夏でもフルレングスのパンツを穿く」ことにこだわりを感じていた。
今考えると、良くわからないこだわりである。
けど、それはそれで「夏でも穿けるフルレングスのパンツ」について考えることが出来た気がするから、まあいいや。




こんな穿き方も出来ます。
結局MANHOLEで買えずに、他所でこのパンツを買った中台。

珍しく「こういう風に穿いてみたかったんだよな〜。」と、言っていました。
中台はあまり表に出さないけど、たまに「洋服好きなんだな〜。」と、僕は思う。


” CLASS ” [Punching Ultra Suede Series]

– Karachi – ¥45,100-(tax included)
– mississippi – ¥42,900-(tax included)




CLASSのパンチングウルトラスエードシリーズの一番の魅力は「今まで自分が理由なく避けていた物。言い訳をして遠ざけていた物。なんとなく手を伸ばしていなかった物」を受け入れる為の、きっかけになる点だと思う。

男性の買い物は、物に対する理由や裏付け / 自分を納得させる言い訳等、様々なきっかけが必要だ。
僕らもそういうややこしい何かに縛られ続けている。

ただ、時にはそういう「ややこしい何か」から自分を少しだけ解放してみること。
「ただ、なんとなく良いと思う。妙に気になる。昔は嫌だったけど今は許せる。」と、感じた際に素直に受け入れてみることが必要なのかもしれない。

何かの誰かのどこかの「自分が知らない良さ」は。
自ら避けてきた、欠けてしまった部分にこそ、見つけることが出来るのだろう。





僕らは最近、自分たちがなんとなく避けてきた結果として出来た穴。
それを一つずつ覗き込んで楽しんでいる。
今までやってこなかったことや出来なかったことは、これから始めればいい。

そう考えると、何かを避けることはきっと悪いことじゃないんだと思う。



※店頭での販売は7月2日(金)から、ONLINE STOREでの販売は7月3日(土)から行います。
遠方の方には恐れ入りますが、店頭販売を優先させてください。




河上 尚哉

〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室

M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892