2022/11



まだ暑い頃にしれっと届いて、いつの間にかしれっと店頭から姿を消そうとしているFRANK LEDERのアイテムたち。コートもジャケットも軒並み無くなってしまった。なんだか、ここ最近のコレクションは人気がある。

実際に、展示会で見た時からいい感じだもんなー。調子いいみたい、フランク。

という、ひとり言から始めてみました。こんにちは、鶴田です。



「THICK VINTAGE LODEN」と品名にあるシングル4つボタン、スタンドカラーのショート丈ジャケット。「THICK(=厚い)」なローデンクロスを使った同素材のコートはあっという間になくなり、このジャケットも残すところ店頭分の1着のみ。


“FRANK LEDER”
– THICK VINTAGE LODEN JACKET –
color : LODEN BROWN
¥107,800- ( tax included )



ローデンクロスと言えば、いわゆるローデングリーンのローデンコートが数年前からヴィンテージショップでも取り沙汰されていたけれど、フランクが作るこれは典型的なそれらとは一味違う正体不明のいい感じ。たまに見かける現地のおみやげ物みたいな(ぐわぐわに圧縮されたHOFER的なニットジャケットではなく)ローデンクロス製チロリアンジャケットのようで可愛い。



くりくりと光る大きなボタンのせいか、まるで子供服のような愛嬌もある。原型はミリタリー由来なのかもしれないけれど、どことなく可愛い。スタンドカラーを倒せば、控えめなラペルが出来上がる、そのVゾーンの狭さがいい感じ。身頃も袖も裏地無しのそっけない作り。

ゴワゴワの強そうな生地で可愛い服を作る。実はこれ、初期FRANK LEDERの特徴でもあった。「可愛い」で語弊があるならば「チャーミング」と言い換えてもいい。最近、フランクは再びチャーミングな洋服を作るようになったと思う。



僕が思うに、FRANK LEDERが作るアイテムはドイツの不良少年・不良中年が着るロマンチックな洋服なんだけど、不良の人たちには不思議とチャーミングな魅力がある。世の中の流れとか、時代の趨勢とかそういうものに対してどこか不器用で、うまく対応できない。そのズレ、変な感じ、どこか憎めないナチュラルシュート回転みたいな世界観を、初期のFRANK LEDERはうまく描いていたと思う。それは映画でいうところのアキ・カウリスマキであり、ハル・ハートリーであり、ヴィム・ヴェンダースである。



だから、こんなに強そうなローデンクロスから繊細なレースがチラリと覗いたりしても大丈夫なんだと思う。「合う」とか「合わない」とかじゃなく「あっていい」し「いてほしい」感じ。ちなみに、173㎝の河上でLサイズを着用しているが、サイズ感も大した問題じゃない気がする。



最近では「ヌケ感」みたいな言葉を利用して「二枚目半~三枚目キャラ」をテクニカルに演出する優等生ブランドが増えてきたけれど、FRANK LEDERは違う。たぶんナチュラルにツイストしてる。

ちなみに、ここで僕が言う「不良」とは、英語でいうところの「gang」とか「bad boy(girl)」的なニュアンスではなく、「消化不良」とか「血行不良」とか「天候不良」とかそういった文脈で使われる語感の方に近い。素行が悪いわけではなく、質や状態が良くないさま。

フランクが度々テーマに取り上げてきた木こりも吟遊詩人も詐欺師も囚人も盲人も、何かに反発して、意思を持ってその状態になったわけではない。いつのまにか、気づいたらそうだった。そんな感じだろう。つまり「悪い」わけではなく「良からず(不)」の状態。そしてここで問題なのは、そもそも「良い」の状態を規定したのはいったい誰なのか、ということ。どこの誰にとって、何が「良い」?

狡猾な優等生とナチュラルな不良。

この構図はいまや世界のベーシックであるかのように思えるけれど、とはいえまだまだ捨てたもんじゃない。MANHOLEに集まってくれるお客さんたちの顔を見ていると、そう思える瞬間がある。みんな、他人が決めた「良い」からナチュラルに逸脱している。みんな、楽しそうな顔をしている。



いまのこの時代にフランクが作る洋服が一定の人たちに選ばれる理由はなんとなく分かる気がする。FRANK LEDERが作る洋服は「みんなにとって良いもの」というわけではないけれど「僕らにとって良いもの」という感じがする。その「僕ら」が一体何を指しているのか、なんてことは分からない。けれども、僕や河上はFRANK LEDERの展示会で「みんなに売れそうなアイテム」をピックアップするのではなく(例えば、このジャケットのように)「自分自身とって良いもの」を選ぶようにしている。

もしも、それが世間一般では「良からず(不)」の洋服だったとしても、それは悪いことではない。「不良=悪い、ではない」という感覚は、自分自身が世界の「良」と必ずしも一致しなくても良い、という勇気をくれる。

そして、他人が決めた「良い人間」よりも、むしろ「チャーミングな人間」でありたいと思う。



そういえば。SADEのPT09は全て完売いたしました。
お問い合わせいただいた皆さま、ご対応出来ず申し訳ございませんでした。

言うまでもなく、なんでもかんでも早く売れたら良いというわけではありませんが、この企画に関しては時間をかけて築き上げてきたものであると同時に「MANHOLE」という聞いたことのない店と「SADE」という聞いたことのないブランドが作った「税込で6万円くらいするフレアードトラウザーズ」という、字面だけ見ると全く受け入れられなさそうな物を受け入れてくださった皆様に感謝いたします。


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鶴田 啓

〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室

M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892






赤蛇


白蛇


グレー象


赤蛇


白蛇


グレー象


赤蛇


白蛇


グレー象




F.LLI Giacometti到着。
赤蛇、白蛇、グレー象です。
赤蛇が新木型:GRIGIA SC。オブリークトゥのダブルモンクストラップシューズ。
白蛇がMARMOLADA Q。スクエアトゥの3穴チャッカブーツ。
グレー象はJONATHAN。掬いハンドモカのシングルモンクローファー。

ちゃんと書こうとしたんですが気付けばこんな時間なので、今日は諦めます。
売り場には出しておきました。ご興味ある方は是非。

全て39〜43展開。
それではまた。






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河上 尚哉

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結晶



明日(11/3)MANHOLEで発売するSADEのパンツ、PT09。

このパンツに僕は並々ならぬ思い入れがある。僕が河上・中台と一緒に働き始めて間もない頃、このパンツの原型となるモデル(これも、彼ら二人が試行錯誤しながら完成へと近づけてきたパンツ)について「この型をもう少しシェイプアップさせたいんですけど」と相談されたパンツだからだ。

つまり、彼らが築き上げてきたMANHOLEのベースに、僕の能力がクロスオーバーした瞬間。ベースになるパンツにピン打ちし「ここがこうなれば、こっちがこうなる」などと解説しながら「どうかな?」と提案した記憶がある、そのパンツ。PT09。

こんにちは、鶴田です。



このパンツが完成形にグッと近づいたことは、春夏シーズン(写真上)の納品時にすぐ分かった。抜群にカッコよかったから。曲がりなりにも25年間、様々なデザイナーやパンツファクトリーが作るパンツを見てきた(着てきた)僕だが、これほどカッコいいパンツにはそうそうお目にかかれない。かかってこなかった。だからこそ、ある種の到達点を感じていた。

カッコいい。この感覚的な概念は嫌がおうにも、人へ伝染する。自信は元々あったけれど、それを上回るスピードで半年前のPT09はお客さんの元へと旅立っていった。

MANHOLEスタッフの誰もが確信を得た瞬間だった。「このパンツはカッコいい」と。そして、機会は巡る。僕は前職時代のツテで「スーツやジャケットのカスタムオーダーに使うためのヴィンテージファブリックの残反が一定量ある」ことを知っていた。河上が「その生地、PT09で使いませんか?」と言った。ソレだ。 元々、MANHOLE企画の何かに使いたいと思っていた僕も即座に賛同した。「いいね」。



かくして、僕は某社がかかえるヴィンテージファブリックを見に行き、結果として「全部、買います」と言って帰って来た。(パンツに不向きな生地はハネようと思っていたけれど、それは結果的に大した問題ではなかったし、生地の魅力が色んなことを跳ね返してくれたから)今ではなかなかお目にかかることが出来ないようなタッチのもの、2022年時点でのプライスにはまるでハマらないだろうハイクオリティのもの、贅沢なカシミア混のもの、様々な生地を今シーズンのPT09に使うことができると決まった。

ただし、残反はあくまでも残反。3mしか残っていない生地からはパンツの用尺1.7~8mは1本分しか取れない。全部で15種類買ってきた生地だが、1本しか作ることができなかったものが12種類もある。全15種類、合計20本。

先日、実際に納品されたPT09。2022年秋冬バージョン。



スナップ式の三連トップボタン、幅広のウエストバンド、スモールフィットのヒップ周り、サイドアジャスター、片側フラップポケット、膝下からエレガントに広がるフレアシルエット。

形そのものは先シーズンから全く変更していない。



しかし、秋冬向けのヴィンテージファブリックが乗ることで、顔つきは全く別物になった。

ニットやファー、ジャケット、ネクタイ、ブーツなど合わせられるアイテムも飛躍的に広がったと思う。



ヴィンテージ生地の残反という背景の都合上、世界で一本しか作れなかったパンツもあるわけだけど、別に僕らは「レアなアイテムです」とか「他の人とカブらないです」とか、そういった売り方をしたいわけではない。単純に、カッコいい形をしたパンツにカッコいい生地が乗せられているパンツ、僕らが思う2022年時点での完成形のひとつ。

結果として、このパンツには「巡り合わせ」があると思う。生地は15種類もあるんだけど、ひとつあたりの数が少ないので全てはタイミング次第。そこにはまるで古着を買うような楽しさがあるけれど、その一方で古着のパンツでは賄いきれない完成度がこのパンツにはあると思う。スーツ屋は作らないパンツ。古着屋では買えないパンツ。

そういった意味で、このパンツはとてもMANHOLE的だと思う。

なんだか、このブログではさんざんと「完成形」だの「到達点」だのと書いてしまったけれど「それくらい自信があるんだな」と、笑いながらご容赦いただければ幸いです。

まずは、明日から。お客さんとパンツの巡り合わせの場に立ち会えることが僕らは今から楽しみで仕方ありません。








※PT09は明日、11月3日(木)から販売を開始します。
店頭販売優先、今週末はPT09に関するお問い合わせにお応え出来ない場合がございます。何卒ご了承ください。
オンラインストアには11月7日(月)に在庫が残っている場合掲載します。

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MANHOLE企画、SADEのPT09。
SADEのデビューコレクションにラインナップされていたPT01をベースに3年間ひたすらにブラッシュアップを重ね続けた結果、ようやく一つの完成を迎えたパンツだと思っている。

誰かが考えて誰かが作って誰かが買って誰かが穿く。
その「誰か」が一人でも欠けていたら、このパンツはこの世に存在しなかった。
好き勝手、自分勝手にノリと勢いと自分達のワクワク感に身を任せている僕らだけれど、お客さんがいなければ何も出来ない。


この春60本弱作った、税込で六万円くらいする、変わった仕様のウェストバンドのフレアードトラウザーズ:PT09は瞬く間に店頭から姿を消した。
その結果を見て「完成を迎えた」という気持ちが決して僕らの自己満足からくるものではないことを、お客さんが証明してくれた。

物として格好がいいのは当たり前。
ただ、このパンツの魅力はその「当たり前」が形になったという部分にはない。
MANHOLEを立ち上げた同時期にSADEを立ち上げた影山さんと、MANHOLEに通ってくれているお客さんと、MANHOLEで僕らが過ごした3年間が、このPT09というパンツを生み出した。

僕らにとって、SADEのPT09はそういう洋服だ。
きっとこれからもMANHOLEを続けていく限り気分の波や時代の波が僕らを襲うだろうけれど、その波に揉まれて形が変わろうが生地が変わろうが付属が変わろうが関係がない。今後もMANHOLEが企画する洋服の完成への道のりは、変わらない。



こんにちは。河上です。

今シーズンもSADEのPT09を用意しました。
が、既に売れたパンツを単純にバンチから生地を抜いてリピートするのもなんだかワクワクドキドキしないので「もっとたくさんの生地バリエーションでこのパンツをお店に並べることが出来たら楽しそうだよなあ。」と考えていたところ、タイミングよく鶴田さんの伝手でデッドストックのヴィンテージファブリックを15種類手に入れることが出来ました。笑っちゃうくらい雰囲気の良い生地だらけ。全部かっこいいからどれでも良いと思います。

と、いうわけで今回のPT09は15色展開。
Size0,1やSize1,2といったサイズ振りで用意できた生地も3種類程あるけれど、それでも各サイズ1本ずつ。
残り12種類の生地はパンツ一本分とったら終わりという長さしかなかった為、1色1本1サイズ展開です。Size:0にしか使わなかった生地もあるしSize:1にしか使わなかった生地もあるしSize:2にしか使わなかった生地もあります。

Size:0(42-44相当)が5本。
Size:1(44-46相当)が11本。
Size:2(46-48相当)が4本。
全部で20本。


7cmの極太ウェストバンド、フロントのスナップボタン


アメリカンポケット、サイドシンチ、フラップ付きのヒップポケット


Size:1で裾幅28cm、膝幅22.5cm







企画した本人たちが一番気に入っているのに誰一人として持っていないパンツ:PT09。
今回も欲しいけど買えないだろうから、次の企画でも考えながら大人しく我慢します。
けど、本企画のように一本取り切り15色展開とかはもう難しいんだろうなあ。
影山さんもパタンナーさんも既製のパンツ工場の方も面倒だったはずです。感謝です。


” SADE ” [MANHOLE EDITION]
– PT09 – [Flared Trousers]
Color : Asort
Size : 0/1/2
¥59,400-(tax included)




明日、11月3日(木)から販売を開始します。
寸法仕様は全く同じですが、生地が15種類もあるのでそれぞれの生地ごとに多少フィッティングが異なります。
実際にお店で試着することをお勧め致します。

店頭販売優先、生地が15種類もあるせいで今週末はPT09に関するお問い合わせにお応え出来ない場合がございます。何卒ご了承ください。
オンラインストアには11月7日(月)に在庫が残っている場合掲載します。



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河上 尚哉

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