曇天の外苑前。
店内で無意識に探してしまうのは、湿った憂さを晴らしてくれるようなアイテム。
青山の端っこ、半地下にあるMANHOLE。窓から差し込んでくる光を一手に引き受ける2枚のチェックシャツは、ポジティブな気分を増幅して乱反射するキラキラの存在に見えた。今日の僕には。
こんにちは、鶴田です。
そう、単純に「パッと見で可愛い!」って感じがする洋服、MANHOLEには意外と並んでいないんです。でも、このシャツは可愛いと思う。40代の僕が見ても。
30代の中台に着てもらった。
可愛い。シャツを羽織った中台を見て「あ、可愛いね」と自然に言葉が漏れた僕。
両サイドに大きなポケットが付いていて、可愛い。
背面にインバーテッドプリーツが開いていて可愛い。
鶴田も着てみた。
ブロックチェックにパールの組み合わせが可愛い(と、自分では思う)。
チラリズムも可愛い。
ジャケット好きの鶴田も、思わず一枚で見せびらかしたくなる可愛さ。
裾をパンツインすると、ポケットが途中で途切れて可愛い。長めのハーフスリーブも可愛い。
個人的には90年代の原宿~渋谷を思い出すような配色のチェック。ブルー系には「Soda(ソーダ)」、イエロー系には「Mango(マンゴー)」と付けられた名前も可愛い。ラフォーレ前で若者が思いっきりお洒落を楽しんでいる光景をちょっと思い出して、少し笑みがこぼれる。
ちなみにこのチェックは斜め方向に柄が入っているわけではなく、縦×横(つまり通常通り)のチェック生地を斜め使いにしている。いわゆる、バイアスカット。このシャツの場合は、45度の正バイアス。
生地をバイアス使いする代表的なアイテムは、女性用のドレスやスカート。男性用アイテムではネクタイなどがそれに当たる。このシャツのひらひら躍るようなドレープ感は、バイアスカットによるものだ。だけど、そんなこと知らなくても楽しめるくらい、このシャツは単純に可愛い。

” ensou. “
– SHORT SLEEVE SHIRT –
COLOR : Soda / Mango
¥37,400-(tax included)
生地について、縫製について、歴史について、機能性について。洋服に関するありとあらゆる情報が溢れている。誰もが「少しでもいいものを買おう」と躍起になり過ぎると、それがまた情報戦の過熱に拍車をかける。それが良いとか悪いとか、そういうことではないけれど。語弊があるかもしれないが、僕は洋服に関して「見た目が9割」だと思っている。このシャツには勿論、ensou. のこだわりやテクニックが存分に詰まっているはずなんだけど、それよりもなによりも、着た瞬間に「あ、可愛い」と思えることに勝る感情はないと思っている。情報と感情。僕の中ではその順番が覆ることは無い。
真っすぐな気持ちで楽しんでほしい、ensou.のチェックシャツ。
曇天の外苑前で斜(しゃ)に構えていた僕の目に、直感的に飛び込んできたこのシャツは、抜けるような青空の下、しゅわしゅわのクリームソーダを飲んでいるような気持ちも同時に運んできた。
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鶴田 啓
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892
CLASSのウェスタンシャツ:CCCCS11UNIA。
鶴田さんが以前サラッと紹介してたけど、みんなジャケットに気を取られて忘れてましたね。
細くて長い、裾がひらひらとなびくくらいフロントダーツと背ダーツでシェイプを効かせている。
このバランスが苦手、というか「(カジュアルウェアとしての)縦長でシェイプの効いたシャツは自分の人生には必要のない物」くらいの感覚でスルーしている人も多いかもしれない。
だけど、僕らはこの細くて長いバランスが良いと思って仕入れている。
更に言えば「(カジュアルウェアとしての)縦長でシェイプの効いたシャツは自分の人生には必要のない物」くらいの感覚でスルーしている人の中にも、この「CLASSのウェスタンシャツ」を経由することで、このバランスが新たに好きになる人が絶対にいると思っている。
洋服を装うという行為の面白さは、自分自身のどこか一つのバランスが変わるだけで「自分の人生に必要のない物」が受け入れられるようになる点にもある。
最近、自分の中で変わったことは無かっただろうか。
例えば、気に入って穿くパンツのシルエットが変わったことは無かっただろうか。
例えば、気に入って履く靴のボリュームが変わったことは無かっただろうか。
例えば、クローゼットの中のジャケットの着丈が最近短く感じることは無かっただろうか。
その「変化」として、MANHOLEのお客さんにとってものすごくわかりやすいのが最近発売したSADEのPT09。
ヒップ周りスッキリ、ワタリもスッキリ、膝幅が細く裾に向かって開いていく、このメリハリの効いたパンツは「細くて長い」洋服と合わせると楽しいと思う。
よくよく考えると今回PT09を買ってくださった人や気になっている人の中にもつい最近まで「フレアパンツは自分の人生に必要のない物」と思っていた人もいるだろうし、僕もMANHOLEでこんなにたくさんフレアパンツを売るなんて思ってもいなかったから、人の気分なんてそんなもんなのではないでしょうか。
洋服は着ることの出来る遊び道具で、そもそも「自分の人生に必要ないもの」なんて無く興味がある時に臆せず手に取って良いものだと思います。
生地はウール100%のナチュラルストレッチ。
細い分、そのストレッチの効いたグニャグニャしたユニークな着心地を感じられると思います。
僕は夏は何を着ても暑いので、今からでも着られるかどうかの判断はお客さんにお任せ致します。
同じ生地のパンツは今のところ、快適です。
僕らはもうシャツが細長くてもいいです。
ご興味ある方は是非。

” CLASS “
– CCCCS11UNIA –
¥61,600-(tax included)
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河上 尚哉
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日中の気温が28℃まで上がるという天気予報。そんな6月13日、河上の出勤スタイル。
クロップド丈のテーパードパンツにレザーサンダルの素足履き。足首から涼を感じるコーディネートですね。
MANHOLEブログに「本日の出勤スタイル」みたいなコーナーは一切存在しませんが、こんにちは、鶴田です。
履いているのは河上が数年前から愛用しているF.LLI GiacomettiのFG166。「グルカサンダル」と言った方が名前の通りが良い同ブランドを代表するモデル。どの夏に見てもエバーグリーンな輝きを放つ、傑作レザーサンダル。
で、FG166愛好家の河上がお店で履き替えたシューズがこちら。
白いスエードのFG166 。
まだ寒い頃、FG166のカラーレザーシリーズと共にすっかり紹介したつもりになっていたけれど、よく考えたらブログ内では一切触れていなかった。カラフルな同期たちはあっという間にお客さんの元へ旅立っていったけれど、紹介していないからなのか何なのか、この白スエードだけがまだMANHOLEに並んでいる。この前、このサンダルを買ってくれたお客さんに「白スエードだけ、まだブログに登場していないですよね…」と言われて初めてハッとした。そうだったか、と。
そして、ふっと思い出した。
今から20年近く前、僕が前職の大型ストアで働いていたころ。販売員はローテーションで昼休憩やランチタイムを取るのだけれど、その指示を出すのは当時の店長。お昼の時間帯は、スタイリストのリース業務があったり、混雑を避けて朝一で来店される芸能関係の方がいらっしゃったりと比較的バタバタする時間帯。その瞬間瞬間で手が空いているスタッフを見つけては店長が「昼休憩に出て」と素早くサインを出す。フロアに残るスタッフの人数を確保しながら店舗運営を円滑に回すためのマネジメント業務だ。毎日の出勤スタッフは約十人。三回転で全員が昼休憩を取り終わるのだけれど。
ある時「あの~、鶴田さん。僕、まだ昼休憩に出てないんですけど…」と耳打ちしてくる後輩スタッフがいた。「え?そうなの、手ェ空いてるんでしょ?てか、さっきからずっと空いてたよね?もう四時半じゃん、たぶん店長も忘れちゃってるんだと思う。休憩、出な出な。店空いてるし、今。店長には俺が言っとくから」と遅めの休憩を促す。彼は苦笑いしながらタバコを吸いに出ていった。
そんな件があったこともあり、なんとなく彼のことを気にするようになった僕は、その後も幾度となく「休憩に出ていない彼の姿」を見かけた。また忘れられてる。目が合う。僕の方から近づいて行き「出な」と合図をする。「僕、存在感無いんですかね…」と彼は苦笑いしながらタバコを吸いに行くデジャヴュ。
店長が不在の日も、その日のフロアリーダーが必ず彼のことを忘れるのだ。 (※僕はまだ中堅社員だったので、ローテーションを回すことは無かった)四度目くらいに彼が忘れ去られているのを見た翌日、僕は店長に提案して「休憩ローテーションチェックシート」を作成した。
確かに彼は見た目やキャラクターが控えめな存在だったけれど、仕事は真面目にやる奴だった。同期がプレスやアシスタントバイヤーなどの花形ポジションへ駆けあがっていく姿を横目で見ながら、彼は果たして何を思っていただろうか。
しかし、入社から十年ほどが経った頃。彼はとある部署へ異動し、そこでメキメキと頭角を現した。同期らがポツポツと退社していく中にあって彼は今や出世頭となった。

” F.LLI Giacometti ”
– FG166(グルカサンダル) –
¥81,400-(tax included)
真っ白なホーススエードのグルカサンダル。
ライニングの端正な作りも、日本人の踵が収まりやすいヒールカップも、サンダル木型「FAUSTO」の快適なフィッティングも、ブレイク製法で取り付けられた返りの良いソールも、伸び止めカンガルーレザーを挟んだ質実な耐久性も、ハイスペックなFG166の本質はそのままに。甲革は白いスエード。
もしかすると冬の木漏れ日の下で見るには、君は少しだけ白すぎたのかもしれない。しかし。
雌伏の時は過ぎた。
ウールパンツも穿き古したデニムを受け止めてなお、余りある存在感。春が過ぎ夏の日差しがやってくる頃、少し汚れて年季が入り、君は益々いい顔になっているかもしれない。
メンズの白いレザーシューズなんて、そんなに多くはないから靴棚に紛れ込んでもすぐに見つけてもらえるさ。この夏のローテーションには必ず入るはず。君の実力があれば、毎日の出勤スタイルなんて投稿しなくても、すぐに顔を覚えてもらえるって。
そう、いつだって、エースは遅れてやってくる。
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鶴田 啓
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
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T : 03 4283 8892
こんにちは。中台です。
いつの間にか河上が話を進めていたULTERIORのカバーオール。
去年の11月頃に完成品を河上が着ていて、「何それいいじゃん、買ったの?」と聞いたところ「いや、来年の5月くらいに入ってくる予定。」と言われました。もう、教えてよ〜。
出勤した姿で上着だけを取り換えてみた。
着るとひんやりする接触冷感。
涼しげな胸元も夏場にタンクトップに頼りがちな僕らにピッタリだ。
暑がりなのに何かを羽織っていたい河上らしい企画。
MANHOLEでも仕入れているRAYON RIPSTOP MILITARY SHIRTと同じ生地。
先にシャツを買ってくれたお客さんの様子を見る限り、気に入って着てくれている人が多い。
みんな、ひらひらとふわふわを楽しんでくれているようで嬉しい。
今回の別注は同じ生地なのでひらひらとふわふわしている点は同じ。
だけど、当たり前のように印象が違うし当たり前のように着方も違う。
僕はこのジャケットを見て、河上が以前見せてくれたマルク・ボアンの一枚の写真を思い出した。
昨日鶴田さんが説明していたように、スーツ姿で出勤したデザイナーがアトリエで上着だけを取り換えたような写真。
河上はその光景が頭に残っていたから、この洋服を企画したのかもしれない。
そういえば、河上が企画する別注はいつだってお店に来た姿そのままで合わせられるような物が多いような気がする。変に着飾らない。無理に作り上げない。なのに、新鮮さは感じる。
僕は、その自然な感じが好きだ。
そう、このRayon ripstop Atelier Jacketは自然なジャケットだ。
着方のルールなんて存在しない。
かっこよければ、楽しい気持ちで外に出ることが出来ればそれでいい。
着る時期も問わない。
暑苦しくなければ、寒々しくなければ、それぞれの季節を楽しむことが出来ればそれでいい。
この洋服を合わせる為に、無理に他の洋服を買う必要はない。
自分のクローゼットの中の洋服と十分に合わせられるはずだ。
手持ちの洋服の違う一面を見ることが出来ればそれでいい。

” ULTERIOR for MANHOLE “
– Rayon ripstop Atelier Jacket –
Color : MOSS GREEN
Size : 3/4/5
¥61,600-(tax included)
それぞれの生活スタイルに合わせて。
それぞれの趣味嗜好に合わせて、自然に自由に楽しんで欲しい。
僕はこのジャケットなら、それが出来ると思う。
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中台 竜郎
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ULTERIORに作ってもらったRayon ripstop Atelier Jacket。
「アトリエジャケット」なんて呼び方をしているけれど、要は「カバーオール」。つまり作業着の一種だ。
とは言え、一般的にイメージするカバーオールとは決定的に違う雰囲気の「アトリエジャケット」は、文字通り「アトリエで着る作業着」。デニムやブラウンダック素材のアメリカンなワークウェアではなく、例えばフランス高級メゾンブランドの工房で働く職人たちが着ている姿をイメージしてもらうと良い。
こんにちは、鶴田です。

” ULTERIOR for MANHOLE “
– Rayon ripstop Atelier Jacket –
Color : MOSS GREEN
Size : 3/4/5
¥61,600-(tax included)
それは、例えばスーツ姿で出勤した医者が院内で上着だけを白衣に取り換えるような感覚。自宅から着てきたシャツやパンツはそのままに、素っ気ない作りのジャケットを羽織ると、それがスイッチオンの合図だろうか。
若き日のイヴ・サンローランが白衣姿で働く姿を写真や映画で見たことのある方もいるだろう。トワルにピン打ちをするなど、オートクチュールの繊細で感覚的な作業を集中して行うため、アトリエジャケットには利便性を考慮したパッチポケット(ワークウェアらしく、角落ち)が付いていたり、手元の動きを邪魔しないように袖丈は短めだったりする。一時期、日本ではDiorやCHANEL、HERMESなどといったフランスのド級メゾンブランドが自社のクラフトマンシップを宣伝するためにあちこちで体験型のエキシビジョンを開催していたが、会場では本国からやってきた調香師やスカーフ職人らが白衣を羽織って自らの職人技を披露するパフォーマンスを繰り広げていた。
合理的且つ様々な形が存在するこの作業着だが、アメリカのカバーオールと違ってVゾーンが形成されるラペルドジャケットのタイプが多いのは、作業中とはいえシャツ+タイが見える状態=ヨーロッパらしいエレガンスを意識した結果なのかもしれない。
とりあえず自宅から着てきたジャケットを脱ぎ、自前のシャツタイの上からULTERIORのアトリエジャケットを着てみた。
河上私物のアトリエジャケットを元にした形だが、袖の長さや全体のバランス、ディテールはファッションアイテムとして成立するように再考されている。オリジナルはざらっとした麻100%だが、ULTERIORバージョンの方はペロペロのレーヨンリップストップ 。モスグリーンの色目と、織り込まれた小さな格子柄がミリタリーを連想させるが、レーヨン素材なのでマッチョイメージは皆無。 いい意味でテキトーな感じが、これからの季節にシャツっぽく羽織るにはちょうどいい。 一方で(パッドは入っていないが)肩付けがジャケットスリーブなので、ペロペロ素材の割にショルダーラインをきちんと意識させる上品さが残る。
僕はメゾンブランドを裏方で支える職人たちに敬意を表して「アトリエジャケット」な着方をイメージして遊んでみたけれど、それはあくまでも個人的な話。なんだかんだ言ってみたところで、結局は作業服をモチーフにした只の洋服。シャツとカバーオールの中間みたいな使い勝手そのままに、本質は気軽な一着。そこにヨーロピアンな上品さが加わったアイテムだと思ってもらえればいいと思う。結局は「その日に着ているものの上からサラッと羽織る」という点がアトリエジャケットの最大の特徴でもあるのだから。いつも以上に自由にコーディネートしてほしい。
ミリタリーやワークウェアをルーツとするユニフォームライクな洋服は、そのアノニマスで素っ気ないデザイン故に、着る本人の個性をグッと際立たせる。あとは、堂々と着るだけ。
これまでに色んな洋服を着てきたからこそ、堂々と。今こそ、こんな洋服を求めていたような気がする。
” ULTERIOR for MANHOLE “– Rayon ripstop Atelier Jacket –は6月10日(金)から発売致します。
オンラインストアへは同日正午より掲載致します。
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鶴田 啓
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