SADE [MANHOLE EDITION] -PT41-

去年、SADEとのベルベットシリーズをリリースした頃ですかね。
MANHOLE卒業生、現GOODTIMEという屋号にて活動中の山崎くんが恵比寿で開催していたポップアップに顔を出したところ、
「河上さん、ベロアのパンツ僕も出そうと思っていたのですが、MANHOLEの後だとアレかなあ。と、思ったのでやめました!ただやりたいはやりたいので今度一緒に何かやりませんか?」という打診を受けたので「いいよー!折角だから新しい形でやろうかね。5ポケットがいいと思うんだよなあ」というのが今回の企画の始まり。意志の通じ合った連帯を、再び。
で、SADEのデザイナー:影山さんに「今度は5ポケットのバギーとかどうすかね。ジャージやスウェットのリラックスは十分お客さんに渡してきたし、かといってテーラードのドレッシーな繊細さ、ではなく巻き縫いの日常的な気取らなさが欲しいんですよね。」と、伝え、ベロアの生地は「頑丈なコットンパイルっていうよりも繊細なシルクやシルクレーヨンみたいな。ただ、シルクやシルクレーヨンだと洗えないし、日常的に穿きすぎるとすぐ破れると思うのでそういう見え方のするジャージ生地がいいです」と、伝え、待つこと数ヶ月。
上がってきたのがこれ。





か、完璧だ。。。
7年間お互いあーだこーだ言い合いながらモノづくりしてきた甲斐があってツーカー感があります。
で、前述した通り見た目は頑丈そうなコットンパイルというよりもシルクやシルクレーヨンのそれながら、ポリエステル90%/ポリウレタン10%のジャージ生地。
ジャージらしく洗える、すぐ乾く、伸縮性がある。
と、ここで多くの方が「夏にベロア及びベルベットってどうなの?」と感じるかもしれません。
が、実際にシルクやシルクレーヨンのそれを穿いて冬の世界にgoした方ならわかりやすいかもしれませんが、めちゃくちゃ寒いんですよね。意外と風を通す、裏地次第で普通に涼しい、接触冷感っぽいヌメリがある。乱暴に例えるならば、表が起毛されたキュプラみたいなもの。
本来タキシードが晩餐会用の洋服なだけあり、冬とか春とか秋とか夏ではなく通年に向けた夜の素材なんだなー、と僕は身をもって痛感しました。
改めて、日本人にとって洋服は異文化であるということを含めて。



そう、異文化は異文化。晩餐会や昼夜がわからないような閉ざされた社交の場なんて日本の庶民には機会がないので、ここは庶民らしく都合良く着てしまおうぜ!というのがMANHOLEのベルベットに対する提案。
規模感を気にせずに大義名分だけを得るならば、Yves Saint LaurentのLe smoking。
これは簡単に書くと「男の世界」を女性側に移植、更にいえば本来夜の照明の元着るものを昼の太陽へ、閉ざされた社交場を開かれた街へ。つまり、フォーマルをカジュアルへ。
で、規模感を気にして自分の言葉で書くならば、タンクトップにベルベット、Tシャツにベルベット、サンダルにベルベットっていうのは正反対すぎて単純に見た目が良い。
例えば、上の写真の悠人のように。


で、ここからがベルベットジャージのサンプルの出来の良さに気をよくした僕のアドリブ。
「これはこれで気に入っているけど、ベロア及びベルベットをカジュアルにっていうのはMANHOLEの提案としてしばらくやってきたことだし、夏は何を着ても暑いのならばせめて現代社会において現実的に扱いやすい化学繊維素材のパンツとかどうかな」と思い、イタリア規格のリモンタ社の生地バージョンも作ってみました。
ラグジュアリーブランドのそれとして化繊テキスタイルメーカーらしく、当たり前のように様々な化学繊維生地を作っているのがリモンタ。
ベロア及びベルベットの5ポケットパンツが(ジャージとはいえ)「フォーマル×ワーク」ならばリモンタのそれは「ラグジュアリー×ワーク」なイメージ。Dickiesの874、Levi’sのスタプレを高級化学繊維メーカーの作る生地で。




ジャージのそれは生地が寝るのに対してリモンタのこれは生地が立つ印象。
PT41本来の太さが浮き彫りになる化学繊維ならではの立体感。
山崎くんに見せたところ「リモンタって聞いて蒸れて暑くね?と思っていたんですが、これならいいですね!」と、これも併せてGOODTIMEに並べることになりました。
黒のベルベットジャージ、紺のリモンタ、共に外苑前MANHOLE及び恵比寿GOODTIMEにて5月30日より発売。





Color:BLACK, NAVY Size:0, 1, 2 ¥55,000-(tax included)
PT41を企画した時の僕のテーマはリリース時期が故の「白いTシャツに合わせても退屈しない洋服」でした。
それは叶った上で「暑いとはわかっているけれど、色々な洋服、色々な靴、色々な小物を合わせたいと思える洋服」に仕上がったと感じています。
そう、夏が暑いことは十分にわかっている。だからこそ、余計に抗いたくなる、工夫がしたくなる。
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