全部、無駄じゃない

今日も懲りずにCLASS:SPIDER LILY。
だって、かっこいいんだもん。
ダウンジャケットばりにラックスペースを占領するこの洋服を。
機能素材ではあるんだけど、持ち主の閃きが無ければなんの機能も発揮しないこの洋服を。
「面白い、楽しい、着ると気分が良い。」という部分に多くの役割を割いてしまった、持ち主の寛容さが必要なこの洋服を。
僕らはとにかくどうしても、誰かの家のクローゼットへ突っ込みたい。



いつかその誰かがこのベストを着てお店に遊びに来た際に。
何かの上に重ねた、何かの下に着たベストを見て「やっぱりかっこいいですねえ。」と、言いたい。
いつかその誰かがこの袖を着てお店に遊びに来た際に。
何かの上に重ねた、何かの下に着た袖を見て「やっぱり腕、まっすぐになりますねえ。」と、笑いたい。
いつかその誰かが両方着てお店に遊びに来た際に。
袖の上に重ねたベストを見て、袖の下に着たベストを見て「やっぱりかっこいいし、腕がまっすぐになりますねえ。」と、あの時の楽しさを思い出したい。


自分は変わるけど、物の形は変わらない。
数年後、自分は何を合わせてこの洋服を着ているのだろうか。
数年後、自分は何を思ってこの洋服を着るのだろうか。
数年後、そもそも自分はこの洋服を持っているのだろうか。
いずれ袖だけが2次流通に流れる状況も、ベストだけが2次流通に流れる状況も想像が出来る。
これは普段、物を売っている僕らにとって心のどこかに何かしらが引っかかる光景だけど、SPIDER LILYはその光景ですら笑えるような可能性を僕らに感じさせてくれる。
まとまって、あるいはバラバラに誰かから誰かの手に渡るSPIDER LILY。
その時に手に取る誰かは、何を合わせて/何を思ってこの洋服を着るのだろうか。






中台の家のクローゼットの肥やしとSPIDER LILY。
マンホールの肥やしとSPIDER LILY。
着方のわからない、あるいは着方が自分の中で固まってしまったものを、再び引っ張り出す機会を作ってくれる。
自分の過去の選択を「あー、なんか無駄じゃなかったんだなあ。」と思わせてくれる洋服。
その存在は、なんて楽しんだろうか。
その存在に、どこか救われるのは僕らだけだろうか。

” CLASS “
– SPIDER LILY –
¥205,700-(tax included)
便利さを目的とせず、着やすさも目的とせず、合わせやすさも目的としない。
純粋に「装うこと」を目的とした洋服:SPIDER LILY。
この洋服は改めて「装うことは、無駄じゃない。」ということを着る本人に伝えてくれるだろう。
最初から「便利じゃない」とわかっているからこそ、実は便利じゃなくても幻滅はしない。
最初から「着やすくない」とわかっているからこそ、実は着やすくなくても幻滅はしない。
最初から「合わせやすくない」とわかっているからこそ、実は合わせやすくなくても幻滅はしない。
装うことを目的とするが故に、着たい時は着ればいいし着たくない時は着なければいい。
そもそも便利さや着やすさや合わせやすさは、他人が決める物ではなく着る本人が決めるもの。
だからこそ、まずは一度着てみてほしい。
便利さ/着心地/合わせやすさを前提とした洋服に囲まれた今だからこそ。
SPIDER LILYは、いや、CLASSの洋服は僕らの目に一際輝いて映る。
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河上 尚哉
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