2026/01



本日はrenomaのコート:Bourg L’Abbeを紹介いたします。

表地は綿100%のコットンギャバジン、MANHOLEではお馴染み「ぺらぺらのコート」に類するコートだと思います。
が、袖裏以外の裏地、襟裏、袖口にはDOUEMEUIL社の英国製ウール生地が用いられています。
ちょうど、秋からダウンジャケットに身を包んだ極寒の今から少し経過したまあ寒いころ、そこから肌寒い/ほの暖かい春先まで。中に着るものや首に巻くもの次第でさまざまな想像ができそうなコートであります。ついでに書くとバルマカーンコートはVゾーンが存在しない洋服。お気に入りのパンツを穿いて適当なインナーを着て履きたい靴を履き、一番上の釦さえ閉めれば近所のコンビニから銀座や表参道まで出かけることが出来ます。
たっぷりとしたアームホール、ちょうど肩パッドが忌み嫌われ始めたくらいの癖のないラグラン袖。
あとは、外側につけられた8つのポケット。横に倒したら無限のポケットがついていることになります。
無条件で気分の上りそうなすばらしい赤色。真紅というよりかは朱色に近い赤。
ちなみに[Bourg L’Abbe]と検索すると、”Passage du Bourg l’Abbé” というフランスのパサージュが出てきます。パサージュというのはアーケード商店街の元祖みたいな感じだと思います。街を歩いていると突如現れる不思議な抜け道。どこかへ伸びていくアーチ状の天井に軒を連ねるのは無数の店々。あ、このコートのポケットみたいですね。

それでは大人の階段ならぬ大人のパサージュを行ったり来たりしてみましょう(?)


まずは父編(?)。2060年くらいだと思います。ちなみにこの数字には何の意味もありません。
未来ということです。

おもむろに、雑誌片手に父は、

椅子を見つける。椅子があったらとりあえず座るだろう。
山があったら登る。坂があったら降る。瓶コーラが売っていたら買う。
休める時に休んでおく、それも技術のうち。

せっかく腰を下ろしたし、いつ買ったのかもなぜ手に持っているのかもわからない本でも眺めよう。
眺めたら眺めたでおもしろい。なんだかいい感じの写真が並んでいるし、おもしろい。本はおもしろい、のだが……

袖が長え。歩いているときに長いのは特段気にならんがページをめくるとなると急に邪魔くせえ。
いい赤なのに。このままだとこの赤も嫌いになっちまいそうだ。くそ。
『パパ、落ち着いて。袖をまくればいいんだよ』


ああそうだ、袖をまくっちゃえばいいんだな。なんか遥か遠くから声が聞こえた気がするがそんなんは知らん。単純なワンアイデアだ。このコート、薄さにしてはやけにあたたかい気がすると思ってはいたものの、裏地がウールだったのか。渋くてキュートな千鳥格子、もっと早くまくっておくべきだったのかもしれん。


うむ。まくったおかげで快適にめくれる。うむ。
む?


風がつええ。なんだか知らんが強風に煽られる。寒い。というよりもムカつく風、つまり春風だ。
ムカつくことには、落ち着いてクールに対処していきたいところ。
……クソ!ムカつく!全てに腹が立ってきた!飛び越えて蹴っ飛ばしt…
『襟』


……なーんちゃって、腹が立ったついでに襟も立ててやったぞ。

父のベロアジャケットもrenoma、
穿いているrenomaのグレーフランネルスラックスと着ているLeonardというシャツは昔、南青山にあったMANHOLEというお店で買ったらしい。



なんだ、急に季節が変わったのか。歩いていると汗をかいてきた。少し暑いぞ。
テキトーに裏っ返して持ち歩いてこんなに気分がいいコートもそうあるまい。いいコートだ。
これはいつか息子がクローゼットをゴソゴソして「なんだ、親父いいもん持ってんじゃん」と勝手に着て出かけること間違いなしだ。時を経てもダメになる理由が見当たらない。
息子はまだ幼く、うんことちんちんとおっぱいが人類の持つ言葉の全てだと思っている節があるが、まあそれは時が解決するだろう。いずれにせよ、どんな時もあいつが結果的に楽しく過ごし人様に迷惑をかけていなければ、それでいい。




・・・・・・時は過ぎ


「はーいそれじゃまた……え?ああ、これね、いいですよね、このコート!父のなんですよ。ありがとうございます、はい、それでは!」


椅子がないので、若者はそこらへんに座ります。
若者はどこだっていいのでしょう。気が向いたら立ち上がって歩き始めましょう。


堅苦しいおじ……大人の人たちが、いいコートとかジャケットのポケットには物を入れるな何故なら形が崩れるから!などと言うのを耳にしたことがありますが、オヤジもそうだったのかしら。まあそんなことぼくには関係ございません。だってぼくがポケットのついた服が好きなのは、手ぶら族だから=ありとあらゆるものをつっこみまくれるから!

「あーお兄さんすいません、ちょーっと、いいかな。カバンの中身見せてもらえる?」
「あ、カバン、ないです。」
「ああ、じゃあ、はい、ポケットみして。」

「えーとここにはAirPods。」

「これはー……なんかのレシートと母ちゃんがなんかあった時に使えと渡された旧札の千円、と予備のイヤホン。最近はこれセブンに売ってるから助かるんですよね。」
「いいから、全部見せて。」


「たばこスマホスマホの充電器サングラス母ちゃんから持たされたハンカチぼろぼろの文庫本財布手袋、えーと、あとはー……」
「あーわかりました、もう大丈夫。あんまり遅くまでウロウロしてないようにね。何をしてたの、こんな遅くに」
「え、コンビニですよコンビニ。そんでこの後銀座か表参道まで歩こうかなと思ってます。」
「え?」


裏地がかわいいから、表参道まで歩いていこう。なんか久しぶりにイベントにでもいこうかしら。
テクテクテクテク……


夜とはいえ、さすがにこれだけノンストップで歩くと汗かくなあ。せっかくシャワー浴びてきたのに、ま、いいか踊り明かそう……
パーカー1枚じゃあなんだか気分が上がらないな、逆に中を脱ごう。ポイ!


タンクトップの上にこれでよし。
これでも絶妙に釣り合いがとれるのも、ぺらぺらの強み。
『ほう、自由な着方でよいのう、息子よ。オマエらしくてよし。たまには俺のジャケットも着てみてくれな。遊びはほどほどにな』


遊び果てた彼は、服を脱ぎ捨てシャワーも浴びずに眠りについたと……さ。
チャンチャン!

“renoma” -Bourg L’Abbe-
Size : 48,50. ¥152,900- (tax included)



renomaのバルマカーンコート:Bourg L’Abbe。彼らの、そして時代の通り道。
クラシックをカジュアルに笑いカジュアルをロマンチックに飾る新しい発想、美意識、自由な遊び心。
この洋服はrenomaがそのままの態度でその道を踏み抜いてきたような、2020年代のrenomaだ。

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MANHOLE official instagram


吉田 悠人

〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室

M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892

“AXEP” -Keyring TAG-
Color:PINK, INDIGO, KHAKI, BLUE ¥40,700-(tax included)


AXEPのシグネチャーである「TAG」というモチーフ。
の、レザーキーリング。クロシェットと呼んだ方がわかりやすいのかな。その名もKeyring TAG。
TAGを拡大してレザーに置き換えた、キュートな革小物。
今シーズンは鍵関連の小物が豊富。しばらく前から何かを鍵につけるのにハマっているんです。
存在感ある方が見つけやすいしな。

一般的な大きさの日本の鍵を1つ〜2つつけてスッポリと収まるか収まらないくらいのサイズ感。
先日紹介、そして完売したレザーカフ同様「ぼくはフレンチカーフなのです!」という確かな主張を感じる上品な顔付き、透明感ある可愛い色。
そう、「上品でかわいい」というのがこのレザーキーリングを仕入れた理由。
上品なだけでは緊張してふざけづらいですが、かわいいを前にするとふざけたい。一緒に笑いたい。


さて、MANHOLEのふざけた存在といえば彼、吉田 悠人。
「悠人さー、このレザーのキーリング、渋く鍵を一個つけるでももちろんいいんだけど、今はなんかもうちょっとだけなんか足したいから、家からちょうどいい大きさのキーホルダー持ってきてよ〜。俺のは全部実家にあるから手元にほとんどないんだよね。頼りにしてる」と、お願いしておきました。

彼はお母さんのキーホルダーも借りてきてくれました。
「借りたもの以外は全て僕が小中学生の頃におこづかいで買ったものです。何故買ったのか、いつ買ったのかも忘れてしまいましたが、けっこう良いですね」と言っていました。
そういえば、2年前に他界した僕の父は旅先や出張先でキーホルダーを買うのが好きだったな。
久々に実家に帰ってそういうのを漁ってみる時間も楽しいのかもしれない。

当たり前のようにケースからはみ出ていますが、最初からすっぽりと収まる必要なんてないのです。
ふざけ慣れた、ふざけ疲れたその先に上品ですっぽりと収まる、落ち着いた未来が待っているといいですね。

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河上 尚哉

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時代の通り道

“renoma” -Bourg L’Abbe-
Color:RED Size:48,50 ¥152,900-(tax included)


ラグランスリーブのステンカラー。
表地は綿100%のコットンギャバジン。
袖裏以外の裏地、袖口、襟裏には毛100%のDORMEUIL SPORTEX HERITAGEを用いている。
長く設定された裄丈の理由は、袖口を折り返すことできっと腑に落ちるはずだ。

釦が表に出ない比翼仕立てという特徴もあり、コートの中では非常にシンプルな顔立ちに分類されるバルマカーンコート。
一方、renomaのそれはバルマカーンコートの空いた部分に当時のrenomaのシグネチャーをえいや!と載せたマキシマムなデザイン。

背面にはアンブレラヨーク。
で、フラップ付きのポケットが左右で計8つ。
ついつい手を突っ込んでしまう位置に配された腰部のダブルフラップポケットに思惑通りついつい手を突っ込んでみる。内袋はスレーキではなく柔らかなコットンネルであることに気付く。

1960年代から1990年代にかけて。
それぞれの時代のrenomaが「renoma」であったことを表現するが故に、現行の(日本に流通する)renomaのコレクションの中には人を突き放すようなバランスのものも存在する。
けれど、本製品はどちらかというと「気が利いているな」と感じる程度には着る人間を選ばない印象の洋服。繰り返しになるが、これもまたrenomaがrenomaたる理由の一つだ。



renomaのバルマカーンコート:Bourg L’Abbe。彼らの、そして時代の通り道。
クラシックをカジュアルに笑いカジュアルをロマンチックに飾る新しい発想、美意識、自由な遊び心。
この洋服はrenomaがそのままの態度でその道を踏み抜いてきたような、2020年代のrenomaだ。

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真正面から


BLESSのリメイクデニム:Zwickelrock(巻きスカート)。
古着のLevi’sを生贄に捧げて召喚したルーズショーツ。
どう言葉にすればいいかわからないけど、膝位置から裾にかけてフレアしているので「ルーズショーツ」と呼ぶよりも「巻きスカートと名付けられたキュロット」って呼んだ方がしっくりは来るかも。

ウェストは36インチ表記、実寸98cmくらい。
巻きスカートらしくパンツの上に重ね着なんかも出来ますが、これは巻きスカートと名付けられたキュロット≒ルーズショーツ。今は策を弄さずにそのまま一枚で穿きたい気持ちです。
何かに重ねても可愛いと思うので、重ねたくなったら重ねてみてください。

「一つのZwickerlrockを作るために無数の古着のデニムを解き、色の合う部分を探し、裁断し、縫い直す。時間もかかるし大変だから正直作りたくない。でも良い。だから、作る。」
とBLESSのデザインチームが言っている、という説明を受けました。
「売れているものが優れているとは限らない」という言葉と同じくらい、作るのが大変なものや非効率なもの全てが優れているとは限りませんが、洋服を仕入れる上でバラバラだったものが一つになるという一体感は物理的な意味でも気持ち的な意味でも心地が良かったりします。

数年前のBLESSのリメイクデニムシリーズのビジュアルで見かけたことがあるので、今までも展示会には並んでいたのかな。あまり目に入らなかったけど。
今回、とてもとてもとても良く見えたので「仕入れたいな」と思いオーダーシートをぺらり。
217,000+tax-と書いてありました。たけえ。無理だわ。
何故かその時、社会人一年目の頃、中高同じ時間を共にした友人2人と西新宿:3K10万5,000円の部屋に住んでいたことを思い出しました。お金はないけど楽しかったな。

けど、「たけえ、無理だわ」と思いながらぐるりと一周している間に「まあ、そういう時代なのか。BLESSがこの値段っていうならこの値段なんだよな」と切り替えてお店に並べることにしました。
コロナ禍以降時間を追うごとに、難しい考えや違う方法が頭の中に芽生える瞬間がどんどん増えてきた気がしますが、僕の、いや、MANHOLEの本懐は「自分の気持ちに正直に、条件だろうと社会情勢だろうと国のルールや人間、全てにおいて、策を弄さず定められたものと真正面から向き合う。例えボコボコに殴られても耐えたら勝ち」というシンプルなものです。「勝ち」の状態がどんなものかはよくわかっていませんが、そこを目指すのは当たり前に真っ直ぐでいいな、と思っています。
ずっとそうでありたい。

“BLESS” -2011 Zwickelrock-
Color:Vtg.Denim Size:L ¥238,700-(tax included)



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イテテ。口内炎ができた。まだ初詣に行ってないからだ。バチがあたり続ける……。
早く行ってお参りしておみくじ引かなくては。

さて、ここまで正月気分を引きずると、詣てしまったら本当におわってしまう気がするぼくのお正月が。とか言っているのも流石にそろそろ飽きてきましたね。この間がこのまま続けば幸せなのかしら……。いやいや、そんなことはない。
重い腰を上げるからこそ、デニムを下げることができるんですよね。

は?

どういうこと?


だから、デニムを下げることができるんですよね。
まあ焦らずに、腰を上げてみましょう。

よっ、こら、

せ。


というわけで、本日はLUTZ HUELLEより、LOW DENIM PANTSです。
ローデニムパンツ。なるほどデニムがローなわけです。などと無駄口を叩きだすより先に、


これがLOWたる所以。

明らかなデニムと明らかにデニムでない素材のふたつがドッキングしていることは無論わかるのですが、これ意外と描写が難しい。カオナシのような感じ、と言いたいところだけどやめておこう。
言ってしまった気がしますが、気にせず改めます。
黒くてツルツルしていそうな生地はレーヨン。ツルツルしています。
こうして正面から見ていると、あたかも黒いレーヨンの世界にインディゴデニムが泛かんでいるように見えますが、実際は異なります。


今朝、ぼーっとスマホ画面を眺めていると、ぐーんと潜った海中でビッグシャコガイをスパッと一太刀、貝柱を断ち切ってそのまま捌いていく!な動画が流れてきました。
このデニムもLUTZ氏がスパッと切り裂いたのでしょうか。そうでしょうね。
そしてその、離れた間をレーヨンが接合しています。
ちなみに以前河上さんが紹介していたこのパンツのデニムバージョン。LUTZの定番的パンツ。
穿いている本人はリラックスしているけれど、側から見るとあまり太いパンツを穿いているように見えない、という騙し絵的な洋服。


割合と強度のあるデニムに挟まれた時の、圧倒的異世界感。それはレーヨンのドレープです。
異なる生地をドッキングするという手法がべつだん斬新なものではないことは誰の目にも明らかだと思うのですが、それがこんなにもユニークに見えるのは、デザイナーのセンスの妙。
サイド全てを覆うほどではないが、側章やサイドラインとも言い難い。
そして忘れてはならないのがデニムが下がっていること。


レーヨン領域がデニム上部にも加わることで、鬼の腰履きを体得していないと到達しないであろう位置にデニム。
すでにお気づきの方も多いと思いますが、このパンツはイージーパンツ。
レーヨンのウエストはゴムです。
つまり街中で鬼の腰履きをする為の必須アイテム、ベルトが必要ない。
腰履きという次元も超えた、というか様々な次元からズレているパンツ、まだうまく言語化できないけれど、魅力的です。


「レーヨンイージーパンツに合う洋服を探して」と言われると考えたことが無さすぎてすぐには何も浮かびそうにないけれど、「デニムに合う洋服を探して」なら考えるまもなくとりあえず目の前の服を手に取れば問題なさそうですよね、デニムだし。
LOW DENIM PANTSを穿くときには、そんな気持ちでいれば勝手にちょうどよくズレてそれがちょうどよくちょうどいい感じにハマるはず。

ふわっと具体案を出すならば、
ツルツルテロテロなレーヨンパンツに合わせるにはトゥーマッチだったレザーシューズ。
インディゴデニムに合わせてみたは良いものの、鏡の自分に途方もないイナタさを発見してしまったあの日のスニーカー、スウェット、ニット。
そんな感情を抱く品々、みなさんもそれぞれお持ちなのでは?

いつもの格好が少しズレて新鮮に見えるもよし、
目にも入らなかった組み合わせがズレて飛び込んでくるも尚よし。
かなりアゲてくれるパンツなのだと思います。
まずは無造作に楽しんでみてください。

“LUTZ HUELLE” -LOW DENIM PANTS-
Size : S/M/L ¥101,200- (tax included)


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