F.LLI Giacometti – SANDALO – [ SCOZIA NERO ]
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
本日も引き続きF.LLI Giacomettiのオープントゥのダブルモンクストラップサンダルを紹介します。
今回で終わり。流石に書く事無いのでコーディネート絡めてサラッと書きます。
甲革はフランス:DUPUY社の型押しカーフを採用。
履いた上での主観ですが、F.LLI Giacomettiで用いる型押しカーフの中でも一番物理的に堅いと思います。
デーゲルマンのものはちょっと薄い、INCAはより粘りがあるような印象を覚えます。
実際はそんな大差は無いとは思いますが。
革靴を履き慣れていない / もしくは僕のように歩き方が雑な方にはぴったりな革だと思いながらオススメしています。
傷が付いても目立たない / コンクリートで擦ったり、切り傷のようなものが入ったとしても、クリームを入れれば簡単にある程度マシになるからです。
また、これも主観ですが、カジュアルだけどカジュアルすぎない型なので、甲革がスムースレザーだと僕たちには上品すぎる気がするのです。
この型をMANHOLEで提案するのであれば、今まで紹介してきた物のようにエキゾチックレザーのような訳のわからないもの、もしくはスウェードやこの革のようにカントリーな要素に振れている方がしっくりきます。
手入れは「くすんできたな〜。 / 傷が付いたな〜。」と感じたら磨いて下さい。
履く度に埃を落としてあげると尚良いのですが、、、それすらやらない方は定期的に撫でてください。
僕は、大体埃を落とす→デリケートクリームで汚れをとる→黒のクリームを入れる→ブラシをかける→布で磨く→ブラシをかける。
くらいしかやってません。
一足であれば20分くらいで綺麗になると思います。
この靴のこの革の磨きを他の人に頼んでお金をかける必要はありません。そのお金で次の靴を買う方がよっぽど有意義です。
そんなこんなで履いて→磨いてを繰り返していると意外になんとかなる事に気付き、次第にどうでも良くなって来ると思います。
僕はどうでも良くなった結果、この靴を履いてよく港へ投げ釣りに行きました。(楽だからつい履いてしまう。)
そのサンダルは中台に譲りました。
ライニングには僕の血、甲革とソールには海水や魚の汁が沁み込んでいますが、ライニングは見られないし、インソールも交換したし、甲革は綺麗に磨いて渡したので彼はその事実を今日知る事になるでしょう。
おそらく革の寿命より先にウェルトの寿命が来ます。
そうなったら流石にお役御免。
ですが、そこまでの過程を踏んで履いてきた靴は、買った金額以上の何かを自分に与えてくれるはずです。
道具としても、装飾品としても。
この革靴はつま先が無くてサイドが空いている代わりに、履いていると様々な事を経験できると思うのです。
[ SCOZIA NERO ]
[ 血と海水が沁み込んだもの]
「どの革がオススメですか?」と聞かれたら、僕らは最初に「なんでもいい。」と答えると思います。
「どんな格好に合わせればいいですか?」と聞かれても、僕らは最初に「なんでもいい。」と答えると思います。
ひどく乱暴な言葉に感じると思いますが、雑で移り気で飽きっぽい僕らでさえも、適当に丁寧に大切に扱ってこれた信頼のおけるこの靴だからこそ。
自信を持って「なんでも良い。」と答えられるのだと思います。
河上 尚哉