こんにちは、中台です。
カバーオールの袖を裁ち切ったようなデザインとダメージ加工が特徴的なCLASSのベスト。
「古着にありそうじゃない?」と、思った方。
もしかして、ターミネーター2の序盤、シュワちゃんがBARで暴れるシーンで痛めつけられるバイカーのおじさんを思い出しましたか?それともHELLS ANGEL?
確かに一見すると、そう見えるかもしれない。
しかし、よく見て、着てみれば分かる。
こんな古着は無い。と、思う。
色ムラや汚れの加工が全然リアルじゃないし、袖の裁ち切り位置も少しズレてる。
違和感だらけのダメージ加工、嘘臭い”UNION MADE”ボタンもCLASSらしい。
このベスト、一見野暮ったく見えるので野暮ったい古着と合わせるようにバランスを取ろうと考えてしまうかもしれないが、その必要は無い、
ちゃんとデザイナーズしている。
現に写真の悠人が着ているのは、なんてことのないラルフローレンのシャツにリーバイスのジーンズ。
なんでもない格好に重ねるだけで圧倒的な違和感。
僕ら向きの楽しい洋服です。
もちろん、ウルトラスエードのように質感の異なるものを合わせてギャップを楽しんでもいい。
質感の似ているデニムと合わせたっていい。
コートやジャケットの上に着てもいいし、中に着てもいい。
たぶん裏返しても着ることができる。
飽きてしまったら自分なりにカットオフしてもいい。
着方や組み合わせ、さらにはその先まで。いくらでも簡単にイメージできる。
それはきっと古着では表現しきれない領域で、デザインのパワーを改めて感じられる自由な洋服だと思う。
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中台 竜郎
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今日は珍しく?デニムパンツを穿いています。
最近ではよほど気分が乗らないとデニムを穿かなくなってしまいましたが、僕にとってファッションの入り口は間違いなくデニムパンツでした。
こんにちは、鶴田です。
かなり大ぶりな作り、デニムパンツがそもそも屈強な男たちの作業着だったことを思い出させてくれるタフなシルエット。シルエットもそうだけど、インド藍を使用した13.8ozの生地やタックボタン/リベットなどの金具使い、デザインそのものも1940年代くらいまでの古い作業着をモチーフにしているのが伝わる迫力。
先シーズンも好評だったNICENESSのデニムパンツ「JOSEPH」が再び入荷した。河上が冬場に「超カッコいいデニム」と紹介していたモデルだ。僕もこの「超カッコいいデニム」を1月に買ったけど、やっぱり超カッコよかった。
僕がアメリカ製のジーンズをファッションアイテムと意識して初めて買ったのは10歳の頃だったと思う。ヒップポケットを飾るLevi’sのアーキュエットステッチが誇らしくて、友達の前でも得意げだった気がする。
その後、中学生になってからも近所のジーンズショップに通っては季刊発行されるLevi’s Bookという無料配布カタログを入手し、ロットナンバーごとの特徴やそのヒストリーについて夢中になって読み耽っていた。 それが1990年代前半の話。その当時に記憶したほとんどすべては、今となっては何も覚えていないくらい定かではないけれど、漠然とした輪郭だけは残っている。
それから今に至るまで、なんとなく気分の波が寄せては返しながらも(Levi’sを中心に) アメリカ製のジーンズを累計で30本くらいは穿いたかもしれない。高校生の途中からヨーロッパファッションに目覚めたせいだろう、洋服屋としてその数は決して多くない。
いつしか、僕にとってジーンズは「ものすごく気分が乗れば穿くけど、その気分にはとても間の空いた広い周期が作用していて、日常的にはほとんど穿かないズボン」になっていた。あんなに大好きだったのに、ここ数年で僕の周期に食い込んできたジーンズは3年以上前にCLASSからリリースされた鬼のようなベルボトムだけだった。
NICENESS「JOSEPH」には古き良き時代のデニムパンツが搭載していたディテールの数々が搭載されている。が、こんなモデルは19世紀からのモデルまで歴史を遡っていたLevi’s Bookに乗っていなかった。それもそのはず、このパンツは「ジーンズ」という新しい呼び名が定着するよりももっと前、まだアメリカで「オーバーオールズ」と呼ばれていた頃の古いデニムパンツと、1940年代に英国の消防士が穿いていた作業ズボンを組み合わせたようなモデルだから。
基本的にはデニムのトラウザーズ。そこに古いアメリカのエッセンスをまぶしたようなこのパンツは、間延びしていたはずの僕のデニムパンツ周期に突然割って入ってきた。
深い股上、たっぷりとしたヒップ寸をバックシンチでギュッと絞って穿くクラシックスタイルのトラウザーズ。特徴的なステッチワークからファイヤーマン用のズボンだと分かる人にはピンとくるかもしれないが、サスペンダーボタンや打ち抜きのリベットは、やはりオールドスタイルのジーンズを思わせる。
先シーズンの同モデル入荷時に河上も書いていたが、僕らはヴィンテージに関する蘊蓄やストーリーに過剰な憧れをほとんど持っていない。特定の時代に作られたマスターピースのようなワークウェア、軍ものが時代と共に如何にもてはやされるようになろうとも、他人が設定した市場価値に安心感のあぐらをかくことが無い。勿論、そういった洋服には年季なりの貫禄やオリジナルであるが故の迫力が乗っかってくることは分かっているけれど。
根本的に、すべての洋服には自分が着たいタイミングと着たくないタイミングがある。
そんな僕らにとって、このデニムパンツは「今、穿きたい」と思わせる不思議な力でもって迫ってきた。だからこそ、河上は仕入れてきたし、僕と中台はこのパンツを買って、穿いている。NICENESSがファッションブランドである所以は、ヴィンテージのディテールをうまく編集してデザインに落とし込んでいるからではなく、こういったバランスのパンツを2022年というタイミングでリリースしているという点にこそ感じられる。
ヴィンテージかぶれの目を真っ新にして、いま一度向き合ってみると面白い展開に繋がりそうな予感がする超カッコいいデニムが、今ふたたび。
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鶴田 啓
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今シーズン、昨日鶴田さんが紹介したFG600の対のモデルとしてキルト付きのブローグモンクストラップシューズ:FG462を用意した。
英国のクラブシューズとして生まれた(とされる)この靴は「英国由来のクラシックシューズ」としてのディテールを変えずにF.LLI Giacomettiの工房で作られ今、MANHOLEに並んでいる。
さて、このキルト付きのフルブローグモンクストラップシューズを素直に履くとすれば(例えば)ハンチング帽をかぶりノーフォークジャケットを羽織りタイドアップしてニッカボッカーズに膝上のソックスを履いてゴルフに行く必要がある。
ただ、そう用いるのであればこの靴の色は茶であるのが自然だ。
でも、僕らはハンチング帽をかぶりノーフォークジャケットを羽織りタイドアップしてニッカボッカーズに膝上のソックスを履いてゴルフに行く為にこの靴をオーダーしたのではなく東京の街でカジュアルに履くために、黒のスコッチグレインでオーダーした。
王族や貴族などの特権階級がいない、綺麗に整備された場所と場末の居酒屋が道を挟んで隣り合う混沌としたこの街を背景にすれば、この靴をカジュアルに履きこなせると感じたからだ。
「様式美としてのクラシック」という道が残されていないクラシックシューズ。
最早何者でもないので合わせ方もない。
スポーティなディテールだけが残された、ただのドレスシューズ。
ナイロン/スウェット/ジャージ/デニム/フランネル/ツイード等のスポーティな素材合わせから、レギンス/ショーツ/5ポケットパンツ/リブパンツ等のスポーティな洋服など。
現代的にカジュアルな洋服であれば、この靴を合わせるイメージは次々と湧いてくるはずだ。
幸いなことに、東京はシティでもカントリーでもない。
何を履くかではなく、誰がどう履くか。
用途の限られたクラシックシューズ、この場所であればその「どう履くか」をより強く楽しめるのではないだろうか。
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河上 尚哉
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気付いたら、店内にカッコいい靴が並んでいました。
気付いたら、というくらい静かなフェードインになったのは、その渋いルックスのせい。地味?でも。よく見るとなんだか変。F.LLI Giacomettiにしては馴染みのない奇妙なフォルム。
こんにちは、鶴田です。
甲革のスコッチグレインにはそれなりの存在感があるけれど、にゅるっとした流線型のフォルムが二枚目と三枚目の隙間を付いてくるような、とらえどころのない顔立ち。
この明るさの茶靴を履くのも久しぶり。
英国のカントリーシューズみたいな、黄色っぽいミディアムブラウン。
かなり強めのアウトサイドカーブは、僕の様に足の小指側が張り出している人にとってはコンフォートに履きやすいはず。爪先へかけて斜めにラウンドしていくオブリークトゥ。
外側のカーブに加えて土踏まず部分は大きくシェイプされている、いわゆる内振りの木型。湾曲したこのソールや木型を見るとモディファイドラストを思い出す人もいるかもしれない。しかし、ALDENに比べると爪先部分は低くて細い。アメリカ矯正靴の合理性よりも、むしろ滑らかな曲線がエレガントな印象を与える。ワインブラウン色の半カラス仕上げは同ブランドの中でも珍しい仕様。デザイン、作り、ラストなど、ある意味では英国ヴィンテージシューズのような佇まい。
2穴や3穴のプレーントゥは英国のビスポークシューズを思わせるようなディテールのひとつ。タフな印象の型押しレザーが使われているけれど、アッパーを走る細かい運針やハンドソーンウェルテッドで取り付けられた張り出しの少ないコバ&ソールは エレガントなドレスシューズのそれ。
そもそも、レースアップのプレーントゥなんて「プレーンすぎて意外と履いたことが無い」という人が多いんじゃなかろうか。勿論、ALDENの990やUS NAVYのサービスシューズ、ポストマンシューズなど、アメリカ靴で思い浮かぶものがあるにはある。しかし、ドレススタイルのブラウンシューズでレースアップのプレーントゥなんて、靴棚に入っていない人がほとんどだろう。表革で、ということになると更に絞り込まれると思う。
それは、やはり「プレーンすぎる」から。
ブラウンシューズは、その出自ゆえに爪先に何かしらのデザインが施されているものが多い。Uチップ、フル/セミブローグ、ローファー、タッセルなどなど。たまにある茶色いプレーントゥはチャッカブーツだったりする。ストームウェルト付きダブルソールのカントリーシューズならばまだしも、ここまで削り込んだ木型のドレスシューズで「ブラウンスコッチグレインのプレーントゥ」という仕様は、この靴を見るまで僕の脳裏をほとんどよぎることのない組み合わせだった。
つまり、このシューズから受ける「一見地味だけど、よく見ると奇妙な感じ」の正体は「ありそうで、実際にはほとんど見たことのない感じ」という一言に尽きる。
派手なデザインがあれこれと盛り付けられた「変態靴」は数あれど、ここまでプレーンな「変態靴」は滅多にない。分かりやすくない分だけ、奥が深いかも。
とりあえず、履く人は自分が積み重ねてきたバランス感覚を駆使して料理すれば、それだけでかなり面白い仕上がりになるはず。
なーんて、ややこしいことを長々と書いてしまったけれど、自分だったら「杢グレーのスウェットパンツ」や「コーデュロイのショーツ+ソックス」に合わせてみたいな、って。もうイメージは広がっている。
ちょっと分かりづらいくらいが、わくわくする。実は個人的にかなり気に入ってます、この靴。カッコいい。
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