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2019/09





こんにちは。
MANHOLEの河上です。

「河上さん、今シーズンは何を買うんですか?」
というのはシーズンが始まる前に仲良いお客様から必ず聞かれる質問。

会社員の頃とは違い、今店内にあるものは新品も古着も含めて全て僕の会社のもの。(いや、まだ銀行のもの。。。?)


そういう意味では僕の買い物は既に終わっているような感じ。
別になんでもいいっちゃなんでもいいのですが、「強いてあげるのであればこれかな〜。」と思っていたアイテムが先日入荷しました。



” CLASS “
– BLIND –




スリムフィットの3Bジャケット。


生地はストレッチ性のあるダブルフェイスのウールポリウレタン。
端を3mmほど開いて内側に折り返し、手で奥纏りする毛抜き合わせ。

2重になった袖の部分には経糸/緯糸共にリサイクルナイロン100%のワッシャー素材を使用。




簡単に言うと裏返したジャケット。


良いジャケットは裏の処理まで綺麗です。
見えない部分までデザインされている、というよりかは「これだけ時間をかけて作ったんだから裏まで綺麗にしちゃおう。」という職人の執念を感じるものがあったり、単純に着用する人の着心地を意識したものだったり。





その為、このジャケットは裏返すと普通のジャケットに。(いや、決して普通では無いけれど)




「狙ってやりました!」みたいな恥ずかしさを感じないのは、「本物」を知っている人が作る洋服だから。

「どう着こなすか。」とか「サイズがどうこう」とか「どこの国のもの」とか、そういう枠を取っ払ってくれるような。

もはやカーディガンのような感覚で着られる「本物」を超えたオリジナリティのあるジャケット。




” CLASS “
– BLIND –
¥178,000+TAX-



この値段だし、このデザインだし、いくら僕が「普通に着ればいいんですよ〜。」と言ってもなかなか伝わりづらいだろう。
残ったら僕が喜んで買おう、と思っていたのでそこまで数を入れていなかったのですが、入荷してすぐに売り切れてしまいました。


「せめてブログだけでもあげさせてください。」
と、頼んだので今はまだ手元にあるのですが、見れば見るほど、着れば着るほど、欲しくて欲しくてしょうがなくなってきました。






どなたかMANHOLE以外で取り扱いのあるお店をご存知であれば教えてください。。。










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河上 尚哉








” SADE “
– PT01 –




こんにちは。
MANHOLEの河上です。

SADEのセミフレアスラックス:PT-01が入荷しました。

先日行った内覧会でも非常に反応が良かったアイテム。





ASTOREという、渋谷に一時期存在したショップが今期のテーマ。

このスラックスは、ASTOREで取り扱いのあったビスポークテイラーのスーツの組下のパンツをベースにデザインされています。

カマーバンドのような仕様のウェスト。
ベルトループがつかず、サイドシンチで腰を絞り上げて穿きます。

一般的にはベルトループがつかずにサイドシンチでウェストを調整するスラックスは、タックインした際の腰回りの印象がスッキリすると言われていますが、このパンツの場合は真逆。






確かにベルトループがつかない分、腰回りはスッキリとした印象になりますが、ウェスマンが異常に太いのでタックインした際にユニークな表情になります。

股上も深く、ウェスト周りに4本深いダーツが入っています。
このダーツにより、ヒップを丸く包み込むようなシルエットが出ます。

まさに” 注文服 “であるビスポークを彷彿とさせるディテール。
既製服には無い、ある意味極端なデザイン。




MANHOLEでは、この非常にドレッシーなスラックスをてきとーにサイズを選んで穿くことをお勧めしています。

ウェストが入ってサイドシンチを絞って腰で引っ掛けられればおっけー。

こんなに作り上げられたスラックスをジャストサイズで穿いたらコスプレになってしまう。

僕たちは洋服が好きだけど、別に「ある特定の誰か」になりたい訳では無い。




サイドシンチを絞り上げてイージーパンツのようにしているせいでウェストは緩く無いけどヒップはだだ余り。
そのせいで変なシワも入るけど、結局このスラックスは「誰かのアイディアと体型の借り物」

” 合わないことを楽しめる。”

そんなスラックスです。





ついついベージュやオフホワイト、グレーなどの淡い色を合わせたくなるパンツですが、グレージュなので合わない色はあまり想像出来ません。

個人的にはベージュとブラックの少し民族的な色合いが好きなので、当分はそんな感じで着ようと思います。




白シャツ一枚で合わせてもしっかりと雰囲気の出るアイテム。


単体で見たらどう考えても普通じゃないけど、ふつ〜で自然なバランスで楽しんで欲しいスラックスです。




” SADE “
– PT01 –

Color : Grey
Size : 0 / 1 / 2 / 3
¥45,000+TAX-





実はこのスラックス、入荷した翌日には完売してしまったのですが、ブランド側のご好意で在庫を用意することが出来ました。


「好きなものを頑張って形にする。」という、好感の持てるスタンスが素直に表れているブランド。純粋にシンパシーを感じます。


気になる方は是非。









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河上 尚哉

9.26








明日、9月26日(木)はお休みを頂きます。

河上は体調を整えます。

中台は先日誕生日プレゼントで貰ったFlying Lotusのライブに行きます。



9月27日(金)より通常通り営業致します。







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河上 尚哉 / 中台 竜郎







m’s braque

– TWO INTUCK WIDE BAGGY PANTS –
[ RAYON / SILK ]















m’s braque

– TWO INTUCK WIDE BAGGY PANTS –
[ RAYON / SILK ]

¥40,000+TAX-




こんにちは。
MANHOLEの河上です。

このパンツは先日紹介したNICHOLAS DALEYのMILITARY SHIRT同様に、「店頭で埋もれている洋服」です。
実際に穿くと気に入ってくれるはずなんだけど、何故か手に取られない。

多分みんな” ただのワイドパンツ “だと思っているのか。
それともブランドが定番的にリリースする形で、僕のお客さんは大半の方が既に持っている形だからなのか。


初めて出会うお客さんに質問ばかりしている僕らも、流石に「なんでこの商品手に取らないんですか?」なんて質問はたまにしかしないので、理由は定かではありません。




このパンツはただのワイドパンツでは無い。

古着なのか新品なのかわからないような、秋冬向けなのか春夏向けなのかわからないような縦にストンと落ちるレーヨンシルクの生地。

生地感が一見無いように見えますが、穿くと体の動きに合わせてしなやかに動く為、生地自体の表情は豊かです。

ヨーロッパ的な2インタック。
腰回りにボリュームがありそうですが、ヒップは小さめ。

合理的な動きやすさを追求するアメリカ物とは違う、ラテンの中庸で装飾的な美しさを感じる一本。



その為、サーマルやシャンブレーシャツといったアメリカンなアイテムを合わせても、どこか艶やかな雰囲気になるのです。

実際に穿かないとわからない良さ。

たまにスタイリングで使う度に「いいパンツだなあ。」と、ついつい呟いてしまいます。






2タックのワイドパンツは、今でこそ色んなブランドで取り入れるようになりましたが、m’s braqueでは昔から作り続けている形。
むしろ、細身のシルエットやテーパードシルエットが主流だった頃にワイドパンツをコレクションにラインナップし続けるブランドなんて限られていました。



m’s braqueは変わらない。
ブランド自体の提案は変わらないけど、不思議と毎シーズン新鮮味を感じてしまうのも、このブランドの魅力の一つでもあるのです。









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河上 尚哉







「河上さん、ぼく今度カナディアンロッキー行くんですよ。」

前職を辞めるギリギリのタイミングで仲良くなったお客さん:麻生くんがMANHOLEに遊びに来てくれた際にそう呟いた。




麻生くんとは都内に住む27歳。
どうやら映画の広告や販促物をデザインする仕事に就いているらしい。

素直で優しいキャラクター。
全く身の丈にあっていない買い物をするのでついついこっちも優しくしてしまうんだけど、最近は警戒されているのか麻生くん自身がまとまった出費をするタイミングになると必ず自己申告するようになってきた。


その日はカナディアンロッキーに行くための装備を整える為に、都心に出てきたそう。

「ゴアテックスのハードシェルと、インナーダウン、あとはヒートテック的なインナーを数枚買って、速乾性の高い機能素材のパンツを買おうと思うんです。靴はSalomonを買いました。」

うーん。。。だいたい予算15万円くらいか。

本格的な登山なのか、それともただのハイキングなのか。
彼の説明が下手すぎて、いくら話を聞いてもいまいち状況が想像が出来なかった僕は、彼が買おうとしている物のスペックの高さから勝手に本格的な登山だと判断した。


” 自分のお店で用意が出来ない物に関しては、はっきりと「無い。」と伝えて、取り扱いのありそうな店を紹介してあげる事も販売員の仕事 “という風にBEAMS時代の先輩から教わってきた僕は、その日麻生くんに洋服を売るのを諦めて、カナディアンロッキーの話を聞いていたんだけど、隣で一緒に話を聞いていた中台は変なスイッチが入ってしまったのか。。。

「カナディアンロッキーくらいだったらうちにある洋服でなんとかなるだろ。」と切り替えて、麻生くんに「ゴアテックスの洋服、古着だったらうちにもあるけどねー。」という風に洋服を勧め始めた。


なぜか麻生くんもそれに乗り始めた。





結果的に彼は、

・FRANK LEDERのジャーマンレザーのPコート
・FRANK LEDERのヘビーローデンウールのベスト
・70sのシャツ3枚
・cintasのワークパンツ
・古着のロングビルキャップ



を、MANHOLEで選んでカナディアンロッキーへ向かった。

実はMANHOLEの裏には顧客さんから預かった過去のFRANK LEDERのアーカイヴが無数にある。
「体型が変わって着れなくなってしまったから、洋服が好きな若い子に河上くんの手で渡して行って欲しい。」とのこと。



ドイツの漁師が風と寒さを防ぐ為に作った、高密度に織られたコットン生地:ジャーマンレザー。
アルプスのチロル地方の人々が寒さと風雨から身を守る為に作った縮絨ウール:ローデンウール。
岩でスレても気にならず、濡れても早く乾くナイロン素材のチンタスのワークパンツ。

70sの柄シャツと発色の良いロングビルキャップは旅先でテンションをあげる為に選んだらしい。(ロングビルキャップにはニコラスデイリーのピンバッジをおまけしてあげた。)



出発前の麻生くん。
後ろの写真はKASUYAさんの作品であり、彼が登った山でもなんでも無い。





本当は奇跡的にサイズがぴったりだったMARMOLADAのチロリアンシューズを履いて行って欲しかったんだけど、流石に履き馴染みしていない靴を履いて向かわせるのも危ないので断念。







「戻ってきたら話を聞かせてね〜。」と伝えていたところ、今日来てくれた。

写真を見るに、ただのハイキング。

「本格的な登山で、あんなノリで洋服を選んで行ってしまって何かあったらどうしよう。」と心配していたので少しホッとした。

日程のほとんどをバスの中で過ごしていたらしい。
なんだよ、チロリアンシューズでよかったじゃん。




現地で買ったピンズを帽子に着けて、戻って来てそのまま外してお土産として配っているらしい。

いるかいらないかは別として、ありがとう麻生くん。






今日は「2月にハワイで友達の結婚式がある。」とのことで、古着のアロハシャツを選んで帰って行った。

2月までにそのアロハに合うパンツとハワイの風景に合う革靴を用意しよう。




洋服を選ぶ楽しさ、洋服を勧める楽しさとして、新しいアプローチで僕たちすらも楽しませてくれた麻生くん。

人のキラキラとした目を見る瞬間がこれほど多い職業も、なかなか無いと思う。










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河上 尚哉