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2025/03


こんにちは。禅野です。
ジャケットが好きです。いや、正確にいえばMANHOLEに通うことでジャケットが好きになりました。
が、最初は何がかっこいいジャケットなのかわからなかったです。
僕にとって、かっこいいジャケット=かっこいい洋服ではありませんでした。
ただ、MANHOLEで働いている人たちが着ているジャケットや紹介されるジャケットは、とてもかっこいい洋服に見えた。

で、実際に買って着ている内に徐々に自分がかっこいいと思うジャケットがなんとなくわかってきた気がします。
ですが、未だに「かっこいいジャケット」と「そうでないジャケット」の違いが言語化できません。
サイズがあっていたりディテールが好みだったり生地がカッコよかったりテーラードジャケットとしてまともに作られている、という点だけでは「羽織った時の全体感」としてかっこいいわけではないのが、ジャケットの難しさでもありジャケットの面白さでもある。

で、何がカッコよくて何がそうでないのか言語化できない、というのはある意味、そんなに間違った感覚ではないんじゃないのかな、と最近は開き直るようになりました。
「正解はあるんだけど、その正解がその時の自分達にとっての正解とは限らない。」ということが一番伝わりやすいのが、テーラードジャケットという洋服。
僕はこの数年で、それをなんとなく学んだ気がします。

というわけで、今日紹介するのは点だけで見ると不正解だらけのテーラードジャケット。
不正解だらけなのに、羽織った全体感を見ると僕の目にはカッコよく映るテーラードジャケット、SADE:JK14。


えーと、なんですかね。
小さすぎな釦。上衿で挟んだ下襟。
胸ポケットをそのまま内側に移植したような内側のパッチポケット。
背抜きでハーフキャンバスの軽い仕立て。
いせ込みをほとんどしていないナチュラルで平面的な袖付け。
なのに、肩を強調する肩パッド。
で、身頃は当たり前のように大きい。
一方で身頃と比較すると細いし肘位置も丈もあっているという、とってつけたような袖。

と、細かく挙げていくとディテール、バランス、作りなど、全てが不正解なジャケット。


そんな不正解ジャケット:JK14。
こうやって全体で見ると「かっこいいジャケット」に見えるし、どこが不正解なのかもわからなくなります。わかりやすいのは小さすぎる釦ということくらいでしょうか。
いや、釦が小さいのか?ジャケットがとてつもなく大きいのか?
ただ、「ただ大きいだけのジャケット」を着ているようにも見えない。
さらに付け加えると、世間一般的に「正しいとされるジャケット」を羽織っただけではこうはならないし、多分きっとこの写真に映る彼もこんなに自信満々な顔をしていないと思う。

ちなみに生地は目付け350g、3本撚りの梳毛ウール。
数値だけ見ると春夏生地にしては重いウェイトですが、実際に触れてみるとジャリッとした清涼感と軽さを覚える生地。

“SADE” -JK14-
¥121,000-(tax included)



人は正解がわからないものほど「わかりやすい正解」を求めてしまいます。
生地の値段の高さや付属の値段の高さや仕立ての良さ、高そうに見えるディテールや数値的バランスなど、「何故かっこいいのか」が言語化できない故に「どれだけまともに、高そうに作られているか」という商品説明で終わっていることがほとんどのように思えます。
ただ、その正解が実際にその人にとっての正解であるとは限らないということ。
生地の値段の高さや付属の値段の高さや仕立ての良さ、高そうに見えるディテールや数値的バランスでは、格好の良さは決まらないのです。
この不正解だらけのジャケットが、今の僕にとって正解に見えるように。
ジャケットは面白い、正しくなくても良い。


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禅野 晃士

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楽しみにしていたジャケットが届きました。
renomaが送る、Le smoking。
「Le smoking」といえば1960年代YSLなのでしょうが、今は2025年でこれ、renoma。
関係あるけど関係ないから割愛!

ボディはパンチングのウルトラスエード。ラペルの拝絹もウルトラスエード。
芯の入ったテーラードと違って神経質に扱う必要もありません。
そして、ちょっと涼しいというおまけ付き。


で、タキシード。
タキシードは男性用の夜間準礼服。燕尾服に次ぐ格式の高い「フォーマルウェア」です。
日本人にとってフォーマルウェアというのは中々縁が遠いようで、たまにビジネスの場やビジネススーツを「フォーマル」と形容しているのを見かけますが、フォーマルという定義はもっともっと狭いはずです。
過去に仕事として習ったことがあるとはいえ、やはり僕のような庶民にとって「フォーマル」というのは中々縁が遠いようで何が正しくて何がダメなのかすぐに忘れます。式があるたびに一々調べています。
フォーマルは「決められている」が故に簡単で、面倒臭い。
そう、フォーマルは決められているが故に、一つ外れたら全部が外れなのです。
性別はもちろん、立場やシーンや時間帯すらも決められた世界。

思えば、ファッションは常に決まりやしきたりや伝統を尊重し、少しずつ壊していった文化なのでしょう。
決められているが故に一つずつ、あるいは大きく枠組みを外していくこと。
Yves Saint Laurentが女性にタキシードを着せた年:1966年。
これは当時非常に革新的な出来事であっただろうと思います。
1960年代、renomaがドレスアイテムにジーンズを合わせたのも同様に、革新的な出来事であっただろうと思います。

そして時間は流れに流れて今、2025年。女性も男性も好き勝手な格好が出来ます。
ドレスアイテムにジーンズを合わせるなんて当たり前のことです。
この60年間で様々な人々が様々な枠組みを外してきたからこそ、その光景が当たり前になっているのでしょう。これは何も、装いなんて狭い分野に限ったことではありません。

renomaは「テーラード」という様式からすらも離れて、今回ウルトラスエードで、更にいえば穴の開いたウルトラスエード、加えてシルクの拝絹を模したウルトラスエードで、タキシードを作りました。
いや、タキシードって呼んでいいのかわかんないです。けど、タキシードでいいや。
格好が良いのに馬鹿馬鹿しいという、最高のバランスのタキシード。

“renoma” -S.G.- Color:Grey/ Black
¥140,800-(tax included)


そんなrenomaの新しい時代の為のタキシード:S.G.。
今、着て楽しむ以外の意味なんてないかもしれませんが、こういった小さな小さな出来事が今日まで決められていたはずのルールを明日変えていく可能性がある気がしませんか。
僕は、しません。しないけど、今からこのジャケットを着て楽しむことだけは出来る。
まずはそれでいいと思う。1960年代から2025年の間、ずっとそうであったように。


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河上 尚哉

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青二才より



スコットランドの歴史を遡ると、ある時レザーパーツを紐で足の甲に引き上げ、タンを取っぱらった靴ができたらしい。なぜそうしたかって言うと、水はけが良くなってすぐ乾くかららしい。それが雨がよく降りウェットになるスコティッシュのマッドな地表を歩き回るには適したらしい。加えてシューレースがもっと長くて足首まで締め上げられるようになっているやつがもっと適していたらしい。泥にハマってズボッと脱げた人が気づいたんでしょうか。

足の甲がこうなっていて、タンの取っぱらわれたデザインの靴は、スコテッシュ/アイリッシュダンスを踊る人々の足元も飾っていたらしい。ダンスをするからソールはもっと柔らかくてバレエシューズみたいな感じだったらしい。確かにさっきの機能も通気性に繋がるし、ダンスと言われると甲の曲線が装飾的に見えてきますね。

そんな風な道を辿ってきたのが、”Ghillie Shoes(ギリーシューズ)”。

“F.LLI Giacometti” -FG634- [Ghillies] Forma:FUXIA,BLAKE
Color: Epsom Turchese ¥115,500-(tax included)


青いギリーシューズ。
想像するだけで夏を先取りしてしまいそうになるシャーベットアイスのようなブルー。
食べれそう。美味しそう。食べれません。今日は春の陽気でMANHOLEの店内空調は夏を先取りしていました。「夏にキンキンの冷房でブルブル震えながら食べるアイスか、灼熱の外でドロドロに溶かしながら食べるアイスどっちが好き?」と聞かれても比べるもんじゃない気がして答えたくありません。「そんなのズル!だったら私は冬にアツアツお風呂上がりに食べるハーゲンダッツが好き!」そうですか‥そんなのみんな好きですよ‥「もしかしてそのアイス食ってんのアフロ?」


空は本当は青くないらしいですが、このギリーシューズは青いです。
でも空は結局青く見えますし、このギリーシューズも青い。
「だからなんですか?」っていう元も子もない反駁は、まだまだ青い。

ぼく昔じつは青い革靴買ったんですよね型は違えど。青い靴好き。
「なんで青い靴買ったんですか?」と訊かれて
「なんかかわいいから‥」としか答えられないぼくは半分、青い。うわっなんか顔が赤くなってきた‥


そういえば去年青い靴を履いて南へ旅行していました。そういえばこの時ぬかるみ歩いちゃったな‥期せずして。短パンも濡れてますね。


ぼくはさっき調べるまでギリーシューズの歴史なんぞ知りもしなかった(本当は名前すら知らなかったのは恥ずかしいので伏せておきます)ですが、今はどうであれ物事のルーツを辿るってたまには良いですね。面白い。
青い靴を青い靴としか認識していなかった自分ですが、だからこそ青い靴の素晴らしさっていうのは心の底からお伝えできるんですね。

大抵青いのって上なんです。上には空なんです。天気のいい日にゃーブルーサンドイッチですね〜
‥‥お天道様をパンに置き換えて、母なる大地をもパンと置き換えて‥ぼくたちは肉っちゃ肉だからスーパービッグビッグマッ‥
くぅ〜危ない。バチが当たってほんとにぺしゃんこにされても困りますので。

それでは!みなさん青いギリーを楽しんでください!


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吉田 悠人

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Ghillies

“F.LLI Giacometti” -FG634- [Ghillies] Forma:FUXIA,BLAKE
Color: Velvina Nero/ Epsom Turchese/ Shatoosh Giallo
¥115,500-(tax included)



さて、過去の栄光に頼ってばかりもいられないので、なんかないかな。
と、辿り着いたのが今回のギリーシューズ:FG634。
この靴を見た時、F.LLI Giacomettiの栄光的品番:グルカサンダルが僕の頭の中に浮かび上がりました。理にかなったブレイク製法。
で、グルカサンダルも当たり前のように良いのだけれど、今はあの丸っこさよりもこの薄さの方がよく見える。

というわけで。
MANHOLEでは、このギリーシューズを今までグルカサンダルをオーダーしていたような感覚で並べてみることにしました。定番の良さは飽きないところではなく、仮に飽きても戻って来られる所にある。
改めて、過去の栄光に縋ってばかりじゃいられないのです。


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河上 尚哉

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夏の定番的素材:シアサッカー。というのは幻想だと思っています。
こんにちは、暑がりの河上です。
湿度がなければ肌離れが良くて確かに爽やかな素材だな、とは思います。
思うんですが、現実の東京灼熱サウナを前にしたらシアサッカーもコードレーンもイチコロですよ。
芯の入ったテーラードやドレスパンツに至っては、真夏の僕の大汗を前にしたら瞬殺ですね。
洗えるシャツならまだいいんですが。
シャツはシャツで爽やかだったはずのストライプが違う色に変化し「あの人、すごい暑そう」という印象に様変わり。あ、僕の場合はです。さらっとカラッと着られる方もいらっしゃると思います。
素直に、羨ましい。
というわけで、暑がりが故のトラウマ。そして憧れもある素材、それが僕にとってのシアサッカー。
夏のアメリカントラッドの代表的素材でもあります。
白いシャツ、白い歯、輝かしい未来。爽やかさが、過ぎる。やっぱり苦手。


で、BOURRIENNEが作っていたシアサッカーのカシュクール。
これはいいな、と思って仕入れました。
身幅たっぷり、風どおりも良い。
何より素材のアメリカントラッド的要素よりもカシュクールのオリエンタルな要素の方が強く目に映る。我々にほとんど無縁なリゾート的要素はキャラクターでかき消せばいい。
暑がりで汗っかき、爽やかさも輝かしい未来も持ち合わせていない僕でも、このシャツなら着られる。
いや、着たいシアサッカー。






“BOURRIENNE PARIS X” -CHEMISE SAUVAGE SEERSUCKER-
Size:40, 42, 44 ¥68,200-(tax included)





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