こんにちは。
MANHOLEの河上です。
年内の営業は12月27日に終了致しました。
最終営業日も遅くまで来店が途切れる事なく営業を終える事が出来た事、嬉しく思います。
ご来店くださったみなさま、本当にありがとうございました。
MANHOLEというお店のキャパシティについても、もう少し深く考える必要があるということを強く感じました。
そこそこ広いはずなんだけど、狭い。
僕が場所使うの下手なんでしょうね。
出来ればお店は増やしたくない。何か良い方法はありませんかねえ。
さて、2020年。
この年は、(多くの方々にとってもそうであるように)今まで僕らが抱いていた当たり前が崩れ去った年だったように感じます。
今まで当たり前のように出来ていたことが当たり前のように出来ない。
そんな毎日を過ごすことで、僕のお腹周りの肉だけは当たり前のように増えていきました。
最近は背中にも周ってきました。なんなんでしょうかね。
ありがたいことに「MANHOLE」というお店は、僕らにとってそれを悲観的に感じさせない存在となってくれました。
コロナ禍どーこー以前の問題で。
口を開けて待っていても、当たり前のようにお客さんは来ない。
ぼーっと毎日を過ごしていても、当たり前のように楽しさは訪れない。
毎月の給料日に、当たり前のようにお金を受け取る事/渡す事が出来ないかもしれない。
僕らはこの場所で、「かつて誰かに与えられていた当たり前」を一度崩し、改めて自分達の力で作り上げる努力をする必要がありました。
漠然と新しいことを始めるのではなく、今まで当たり前に行なっていた事を自分達で当たり前のように行なっていく為にはどう動く必要があるのか。
2020年は僕らの心の中に、その疑問を深く植え付けてくれました。
明日も、来年も、3年後も10年後も同じ疑問を抱き続けたい。
きっとその疑問に答えは出ない、けど答えなんて本当に必要なんでしょうか。
僕らは「MANHOLE」というお店があることで、その疑問を抱く行為自体に意味を見出す事が出来るのです。
さて、自分たちに課した呪いの誓いのような最初のBlog。
その呪いの一つである「人を増やすつもりも無い。」
それを、あっさりと破ることにしました。
二人も雇ってしまった。人が増えるの楽しいです。
僕と中台にとって2020年に必要な行動は、Youtubeを始めることでも、インスタライブを始めることでも、利用しづらいMANHOLE ONLINE STOREをわかりやすくアップデートすることでもありませんでした。
悠人とよしろうの爽やかさにつられて、なんだかこの写真は僕も中台もどこと無く爽やかに見えますね。
気のせいかもしれません。
彼らと共に僕らが変化していくことが、MANHOLEにとって良い結果に繋がるような気がしています。
楽しみです。
来年も当たり前のように良いことと、悪いことがあるだろうけど、僕らにはこのお店がある。
お客さんにとっても、そう感じられるような空間にしていきたい。
新年は1月4日(月)12時より営業を開始します。
おそらくMANHOLEのあるエリアはそんなにガヤガヤしていないはずです。
ゆる〜いおじさん二人と、爽やか風の若者一人/爽やかな若者一人の話相手になって頂けると嬉しいです。
それでは皆さま、よいお年を。
MANHOLE official instagram
河上 尚哉
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892
と、いうわけで先日、MANHOLEでオーダーしていたRios of Mercedesが届いた。
2020年4月頃の陰鬱とした空気の中、僕らが無性に欲しくなったものは何故だかRios of Mercedesだったのである。
「松島さん、リオス作りたいんです。ご協力いただけますか?」
と、松島さんに連絡した。
すぐに「代理店の方にメールしておきました。一緒に行きましょう。会社概要だけ作っておいてください。」
という返信と共に大量のRios of Mercedesの参考画像を送ってくれた。
Rios of Mercedesは自由度が高い。
こういう自由度の高いオーダーは、よっぽど自分の中で完璧なイメージを絞り込んで無い限り、うだうだと悩んで何も決まらない事が多い。
結果的に、何も考えずに先方に伺うことにした。
「河上さん達のお店らしく、何も無いくらいがちょうどいいかもしれません。」
という松島さんからのアドバイスをベースに、その場で話を聞きながら決めていく。
言葉通りほぼ何も無いウェスタンブーツが出来上がる。が、何も無いのも味気が無い。
トップステッチだけ賭けに出てみることにした。
「Charlie Paul & Chain 」というステッチパターンのボトム部分のみを採用。
代理店さんからは「ステッチに関しては100%要望にお応え出来るか、わかりません。」というメールを2,3回頂いていた。
別に「僕らのふわふわとした要望がそのまま通らなくても、どうせかっこいいんだろうなあ。」という妙な安心感があったのであまり気にしていなかった。
「どうせかっこいいんだろうなあ。」という期待を軽く超えてくる仕上がりで、とても嬉しい。
Rios of Mercedesの作るウェスタンブーツは、当たり前のように美しく、当たり前のようにかっこいい。
「当たり前のように美しく、当たり前のようにかっこいい靴」を、当たり前のように履く為のきっかけを、僕らは作りたい。
中には二の足を踏む人や、魅力を感じない人もいるだろう。
でも、それは現時点での当たり前でしかないはずだ。
履けばわかる。
履かなければ一生わからないのがRios of Mercedesである。
僕らはこのRios of Mercedesを通して、この靴の良さ以外に伝えたいことが一つだけある。
「自分にとっての当たり前は、他人に押し付けられるものでも与えてもらうものでもなく、自分が自ら作り出すもの」だということだ。
※Rios of Mercedes – Mod.Manhole -は、1月4日(月)から販売を開始します。
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普通は自分で作るものだ
約2年前の話。
2018年の7月。
「河上さん、僕、Rios of Mercedesを作ったんですよ。本物のウェスタンブーツです。
今日、ちょうど届いたんです。明後日からのイベントで売り場に並べたいので今日出しで送っていいですか?」
cantateデザイナー:松島さんは押しが強い。
いや、押しが強いどころではない、言葉と空気の壁が迫ってくる感じ。
一応フォローをしておくと、松島さんは「自分が本当に良いと思うもの」に対してのみ、強く推してくる。
「買っておいた方がいいですよ〜。」という彼の優しさから出る押しの強さである。
翌日の晩、僕は当時働いていた職場の店頭にRios of Mercedesを並べることになった。
「確かにかっこいい、だけど自分が履くかどうかはわからない靴だなあ。」と言うのが当時の僕のこの靴への素直な感想だった。
Rios of Mercedesは、僕にとっての「普通」には当初成り得なかったのである。
イベント初日。
朝からお店のイベントそっちのけでRios of Mercedesについて僕に語る松島さん。
よっぽど自分が企画したRios of Mercedesの上がりが良くて嬉しかったのだろう。
なんの話をしていても、最後にはRios of Mercedesの話に繋げてくる。
僕は、イベントを目当てにお店に遊びに来てくれたお客さんの相手をしたい。
誰に何を紹介しようか/どういう話をしようか、頭の中で組み立てながら「かっこいいですね〜。へえ〜、そうなんですね!」と、彼の話を片耳で聞いて流しながら接客をしていた。
そんなこんなで結局初日は終日バタバタして、僕はその日、Rios of Mercedesに触れることは無かった。
イベントの期間は3日間。
明日も、明後日も松島さんは店頭に立つため(Rios of Mercedesの話をするため)にお店に来てくれる。
イベント二日目。
やはり松島さんはなんの話をしていても最後はRios of Mercedesの話に繋げてくる。
その日は前半、暇だった。
「まあ、履かないでどうこう言うのも違うよなあ。」
と思ったので、試しに履いてみることにした。
松島さんに「大体イギリス靴だと7H / アメリカ靴だと8 / イタリア靴だと41です。」と、伝えたところ「じゃあ、河上さんはこのサイズです。」と、差し出された。
鏡を見てみた。
履く前に感じていた「自分のどこから湧いているのか自分でもわからない、ウェスタンブーツに対する嫌悪感」はどこかに消えた。
驚くほど軽い。ヒールが高くて気分がいい。
トゥスプリングも嫌な感じはしない。その時履いていたセミフレアのトラウザースから覗く華奢なラウンドトゥが心地よい。
が、でかい。普通に踵が浮く。
一番最初に働いた職場の靴のフィッティングの勧めは、比較的タイトフィッティングだった気がする。
その教えを引きずっていた僕にとってはとんでもなく大きい靴を履いているように感じた。
「大きい感じがするんですけど、こんなもんです?」と、聞いたところ「こんなもんです!」と言われた。
試しに一つ下のサイズに足を通してみたところ、確かに可能性すらなかった。
シャフトから先に足が入らない。
ちょうど隣にはそのサイズが合いそうな大谷くんがいる。
このサイズは後で彼に勧めることにしよう。
横にはニヤニヤしながら、サフィールのクリームを片手に「決まりましたか?クリーム塗りましょうか?」なんて構えている松島さんがいる。
そんなことをやっていた途中でお客さんが来てくれた。
二日目は後半から忙しくなった。
初日と違い、Rios of Mercedesが頭の片隅に残る。
三日目。
初日/二日目を通してお客さんに渡せたRios of Mercedesは1〜2足。
当たり前だ。自分で履いたことが無ければ良さを伝えることの出来ない靴である。
そのイベントは別にRios of Mercedesを紹介するのが目的では無かったとはいえ、これではあまりに情けない。
と、いう訳で買ってみることにした。
「どうせ買うんだったら初日に買っておけばよかったのに。。。」と、松島さんはニヤニヤしながら僕が買ったRios of Mercedesにクリームを塗っている。
隣に大谷くんがいたので、ついでだから彼も道連れにした。
その日の夜は、二人で「やっちまったな〜。」という気持ちと、新しいものを買った高揚感で複雑な気持ちになりながら撤収作業をする。
ちょくちょく感じるタイミングはあったけど「お客さんはもしかしたら、定期的にこういう心境になっているのかもしれない。」ということを改めて実感した。
そういう意味でも、僕らにとっては必要な買い物だったのかもしれない。
自分の「欲しい!」という気持ちだけでなく、その場のノリと勢いと、松島さんの押しの強さに負けて買うことになったRios of Mercedes。
結局気に入って履いている。
つま先の反り上がったトゥスプリングも、装飾的なシャフトにももう慣れた。
最初は大きく感じたサイズ感も、ソールが驚くほど返るようになってからはむしろ心地が良い。
手にした当初は「ウェスタンブーツを履く。」というのは非日常的な行為だったが、2年半経った今では僕にとって別に何も特別じゃない、日常的な行為になった。
自分の感覚の内側だけで物を選んでいたら、僕はウェスタンブーツを実際に手にすることは一生なかったのかもしれない。
いや、もしかすると手にすることはあったかもしれないけど、もう少し手の届きやすい物で妥協していた可能性の方が大きい。
(こと洋服に関しては特に)何が普通で何が普通じゃないか、僕らは判断がしづらい。
「全方向への普通」を売り文句にしているものに対しては疑問を感じることの方が多い。
僕には誰かにとっての普通を決めてあげることなんて、出来ない。
僕はこのRios of Mercedesを履いたことで、この靴の良さ以外にわかったことが一つだけある。
「自分にとっての普通は、他人に押し付けられるものではなく、自分が自ら作り出すもの」だということだ。
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こんにちは。
MANHOLEの河上です。
BLESSからピンが届きました。
一つ、3500円。
高いと感じるか、安いと感じるかはその人次第。
僕らは安いと感じる方。
見る人が見たらガラクタの集合体なんだけど、見る人が見たら不思議と気になってしまうもの。
僕らは不思議と気になってしまうタイプ。
全てアソート。
とりあえず10個仕入れておきました。
このピンを「良いな。」と思える方は、直感でスピーディに選ぶことをおすすめします。
悩み始めたら終わり。
僕らはどれでもいいので、人が残した物を買ってその内どこかに着けて遊ぼうと思います。
こういう装飾品を着けると。
気に入っている洋服や、気に入っている何かを、更に気に入ることが出来るような気がします。
飽きたら外してどこかに移せば大丈夫。
新しい物を探すことは誰にでも出来るけど、自分が既に持っているものの良さを掘り下げるのは自分にしか出来ません。
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河上 尚哉
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「河上さん、NICHOLAS DALEY / LAVENHAMのブルゾンが数枚事務所にあるのですが。。。」という電話がELIGHTの斎藤さんからかかってきました。
昨日届いていました。
売り場にアウターが無いので、僕はとても嬉しいです。
中台にとってのLAVENHAMのキルティングジャケットは「一生着ないだろうと思っていた洋服」
僕にとってのLAVENHAMのキルティングジャケットは、現実を感じさせる洋服。
洋服屋を始めてすぐに「仕事用で〜」というのを売り文句にお客様にご案内してしまっていたせいか、どうしてもそのイメージを長い間拭い去ることが出来ませんでした。
気が利きすぎていて、どうにも落ち着かない。
今シーズンのNICHOLAS DALEYとLAVENHAMのカプセルコレクション。
それを目にした時に、僕がLAVENHAMに対して抱いていたイメージがスッと溶けていくような気がしました。
両方の良い部分を切って貼って編集したようないいとこ取りの内容ではなく。
不器用な部分すらも交わって、一つのブランドの洋服として完成したような不思議な印象を覚えます。
NICHOLAS DALEYが作る洋服の「文字にして/口にして説明すると、良いところが消えてしまう」部分はそのまま。
着る人自身が、着ていて好きになれるポイントを一つずつ見つけていってほしい。
外で自分が洋服を買う時に。
「ブランドを買っているのか、洋服を買っているのか。」わからなくなる瞬間がたまにあります。それは、僕にとって少し怖い感覚です。
一方、NICHOLAS DALEY/LAVENHAMのカプセルコレクション。
この洋服にLAVENHAMのタグが付いていなくても、NICHOLAS DALEYのタグが付いていなくても、僕は「かっこいいな。」と思って手に取ることが出来る。
双方の「らしさ」はそこにある。
両方の「イメージ」もそこにある。
ですが、僕はこの洋服が互いの「ブランド」に頼っていない。
新しい魅力を感じることの出来る、静かな共作のように感じるのです。
ナイスコラボレーション。
僕らもこういう別注を作りたい。
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