こんにちは。
MANHOLEの河上です。
セミが鳴き始めました。
五月蝿い。
小さい頃は虫が好きで、ある程度どんな虫でも触れました。
ある年齢を境に、触れる虫の種類が少なくなった気がする。
なんでなんですかね。カマキリとかトノサマバッタとかアブラゼミとか、よく見ると結構グロいことに気付いてしまったんでしょうか。
今住んでるところは比較的木が多い場所なので、歩いているとたまに樹液の匂いがします。
カブトムシは自宅で簡単に養殖できることに気付いてから、あまり魅力を感じなくなりました。
あと一夏で死んじゃう。儚い。
ノコギリクワガタはフォルムはかっこいいんだけど、カブトムシ同様大体一夏で死んじゃうから悲しい。
ミヤマクワガタも一緒。
オオクワガタはかっこいい基準の要素が多すぎてしんどい。
ヒラタクワガタは小さくてもかっこいい。一番好き。
コクワガタはオオクワガタと交配が出来る、と聞いてから変な可能性を感じてしまう。
夏ですねえ。

” NICENESS “
– WALTZ – ¥65,000+TAX-
今日紹介するのはNICENESSのWALTZ。
ビーチクロスの原点:ブラウンズビーチジャケット社のベストリファレンス。
2019A/Wにリリースされたモデル。
NICENESSの事務所に在庫があったのでMANHOLEで引き取りました。
色はBLACKとGREYの2色。
両面接結の2WAYストレッチウールの生地端を毛抜き合わせ。
このベストはその毛抜き合わせをしている部分がとても多いので、それが価格にも影響しています。
いや、価格はどうでもいいや。
大事なのは、手がかかった分がちゃんと面に出てくれていること。
ベースのモデルの存在を一ミリも感じさせない、NICENESS流のビーチベスト。
適当な格好に適当に合わせるくらいが良い。
NICENESSを試着する中台を見ていると、そう感じるタイミングが多い。
同生地のPUAF。
カットソー一枚、シャツ一枚、スウェット一枚で合わせるくらいで「なんか十分だな。」と、感じさせるトラウザース。
この前のBlogではさらっとした紹介しかしていなかったので、今日改めてじっくり書こうかな〜、と思っていたのですが…。
撮影している内に「穿けばわかってもらえるだろう。」と思ってしまいました。
言葉が出てこない。
NICENESSの洋服は大体そんな感じ。
頑張って言語化しようと思えば出来るんだけど、何故か言葉にすればするほど野暮になってしまう気がする。
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河上 尚哉
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892
シルクっていいですねえ
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
最近は古着のシルクワッフルをよく着ています。
Tシャツより涼しい。不思議と風を通して気持ち良い。
普通に洗ってる。
ジャケットのインナーに用いてもそんなに嫌じゃない。
洗って色褪せていくのは個人的にあまり気にならないので、そういう意味でも僕にとってはちょうど良い洋服なのかもしれません。
シルクって良い素材ですね〜。
来年の夏向けに何か企画したいなあ。。

” NICENESS “
– MIKE – ¥49,000+TAX-
MANHOLEで扱っている洋服の中で、「シルク」と言えばNICENESS。
このブランドは「シルク」という素材の新しいキャラクターを、僕らにわかりやすく見せてくれるような気がしています。
今日紹介するシャツはコットンシルク。
2018S/Sシーズンのもの。
NICENESSの事務所に在庫があったので、MANHOLEで引き取りました。
伝統的なブリティッシュチェックに、アメリカ感のあるN.Yカラーを落とし込んだNICENESSオリジナルのチェック生地。
コットンネルの起毛感をシルクネップで表現。
シルクという素材のキャラクター、コットンという素材のキャラクター、両方の良さを感じるコットンシルク。
ヨーク裏には細番手で織り上げたシルクグログランを使用。
生地の雰囲気や、綺麗な色もそうなんですが、個人的には丸っこい襟や丸っこいポケットに魅力を感じます。
一見アメリカンな力強い洋服のように見えるのですが…。
柔らかな素材感、ふんわりとした着心地、丸っこいディテール。
どれもちょっとした違和感。
NICENESSらしい絶妙なズレを感じます。
アメリカのカバーオール、アメリカで買ってきた適当なジャージに合わせてもあまりアメリカらしさを感じないですね〜。
涼しいシルク、暖かいシルク、涼しくて暖かいシルク、涼しくも暖かくも無いシルク。
シルクも色々あるけど、割とどのシーズンに着ても良さを感じられる気がする。
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こんにちは。
MANHOLEの河上です。
MANHOLEを立ち上げるか立ち上げないかくらいのタイミングで耳にした「エモい」という言葉。
初めて耳にするけどなんとなくの意味はわかる。
言葉って不思議ですね。
本日紹介するのはCLASSのパンツ。
の前に少し余談。

” CLASS “
– M426A –
これは5年くらい前のCLASSのパンツ。
確か航空機のパイロット用のツナギをパンツにしたモデルだったと思う。
当時働いていたお店で、SIZE:1を2本だけオーダーしていた。
入荷後しばらくしても誰も触りもしなかったので、試しに穿いてみたらめちゃくちゃよかった。
すぐに買った。
それを見た中台も買って、店頭分が無くなった。
今だったら絶対にやらない非生産的行為だけど、同じパンツを穿いても全然違う印象になって、お互いにそれを楽しんでいた気がする。
中台はどうやら数年前に手放したみたい。
僕はまだ持っている。ここにも性格の違いが出る。
たくさん着て、たくさん洗濯したせいか、多分元の寸法よりもかなり縮んでいる。
特に縦に短くなった。
腰回りがキツく感じるのは僕が太ったせいじゃなく、横にも縮んだんだと思いたい。
WALDESの無骨なファスナー、大きいウェスト、深い股上、ハチャメチャなヒップ寸。
毎シーズン、CLASSがリリースするミリタリーリファレンスのパンツを見ると、僕はこのM426Aを思い出す。
そして、当時は出来なかった「お客さんに着て楽しんでもらう。」という目的の為に、オーダーをするようにしている。

” CLASS “
– Detroit – [80/2 GV double cloth] ¥68,000+TAX-
50年代のイギリス軍のオーバーパンツに、アメリカ軍のパラレスキューパンツに装着されているアイコニックなポケットのスペックをそのまま合体させたトラウザース。
素材は、ガスボイル糸をシルケット加工せずに高密度に織り上げた80/2二重織の生地を使用。
素材本来の風合いや表面感が特徴的。
大きなウェストをベルトで絞り上げて穿くパンツ。
サイズが1だろうが2だろうが3だろうがあまり関係なさそうなので、MANHOLEではSIZE:2のみオーダー。
特に穿き方に正解も無いので、好きなように穿いてください。
二人で適当に穿いてみた。
同じパンツだけど、印象は違う。
歳はとったけど、二人ともあまり変わらないみたい。
そして、穿いたらこのパンツが欲しくなっているのもお互い変わらないようです。
冒頭のパンツ:M426Aは、クローゼットの中で眠ることになりそうなのでバイトの悠人にあげることにした。
彼が好き勝手着てくれることで、僕らにとっては過去の思い出にしかならないこのパンツに新しい可能性を見つけることが出来たら僕は嬉しい。
ちなみに同型で別生地のWOOL / PAPER GABERDINEもオーダーしていたけど、このタイプは悠人の友達が買っていってくれた。
内覧会でバタバタしてる最中の一瞬の出来事。良い値段なのに…若い子のパワーはすごい。
この2人の関係性を見ていると、僕と中台の昔を見ているようで不思議とエモい気持ちになる。
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こんにちは。
MANHOLEの河上です。
昨日は一人で黙々と片付けをしていました。
ちょっと下げてた商品なども出しつつ、「ある程度形になったかな〜。」なんてタイミングで気付いた。
店頭に並べる靴が無くなりそう。
なんとな〜く、靴はお店の面だと思っている。
出来ればずっと何かしらは並んでいる状態が望ましい。
先日入荷したFG498も残りは一足のみ。
このサイズやその人のキャラクターにも合いそうなお客さんの顔を頭の中で探してみたら、結構思い浮かぶ。
しばらく店頭にあった象革のチャッカブーツも、ELIGHTの斉藤さんが最近買っていってくれた。
台に置くものが無かったので、ELIGHTの斉藤さんがオススメしてくれた「田中みな実の写真集」を代わりに置いてみたんだけど、なんか違う。ここには靴を置きたい。
次の入荷も1〜2ヶ月くらい先。
「どうしようかなあ。。。」なんて今日ふらふらとWHEELIEの秋山さんの事務所にお邪魔したら、ちょうど良さそうなのが見つかりました。

F.LLI Giacometti [Marmolada]
” FG521 ” Mountain Boots Short – Elefante Nero –
Marmolada定番のトレッキングシューズ。
このモデルはそれのローカット版。
甲革にはエレファントレザーを採用。
現在F.LLI Giacomettiで用いているのは艶の無いマットな表情の象革。
このモデルに用いられているのは艶と光沢感のある表情の象革。
別にどっちがどっち、という訳ではありませんが…。
手入れがいらない、悪天候に強い、軽くて丈夫なのに変わりはありません。
この革のノルベジェーゼ製法の靴を持っていると、雨の日でもあまり嫌な気持ちにならない。
ちょっと前に作ったものが裏から出てきたようなので、MANHOLEで引き取りました。
サイズもある程度幅があるので、気になる方にはご案内しやすい状況です。
象革特有の天然シボも、コンクリートクラックのような腑の表情もキラキラ光っている。
以前紹介した、このローファーや、このトレッキングの写真と比較すると違いがわかりやすいかもしれません。
このモデルはサンプルしか見たことが無かった。
改めてじっくりと製品を見てみると、付属がかっこいい。
革の表情や型自体の形や各ディテールがかっこいいのはもちろんだけど、こういう道具としての面の良さが出る部分がかっこいいのは気分が良い。
従来のトレッキングシューズと比較すると、靴紐をスニーカー感覚で結べるのもライトで良い。
トレッキングは足首で靴全体を前に持っていけるのですが、このモデルは短靴のようなフィッティング。
悪路に強いノルベジェーゼ製法の上、vibramを履かせているので履き馴染みは悪く感じると思いますが、一度ソールが返ってくれれば大丈夫。
特に合わせ方もどーも無いので、かっこいいと思うように合わせて欲しいです。
値段のハードルさえ越えてしまえば、これほど気軽に履ける本格靴は他に無いような気がする。

F.LLI Giacometti [Marmolada]
” FG521 ” Mountain Boots Short – Elefante Nero –
¥175,000+TAX-
履いててかっこいい、眺めていてかっこいい、道具としての使用感もかっこいい。
靴ってやっぱり楽しいですねえ。
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MANHOLEの河上です。
7月23日から本日まで四日間開催した内覧会、無事に終了しました。
また、23日に公開したONLINE STORE。
まだまだ調整や改善が必要な部分はありますが、順調に稼働していて安心しました。
内覧会にお越しいただいた / ONLINE STOREをご利用いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
それにしてもONLINE STOREってすごい。
僕らがお店でお客さんと話している最中にも注文が入っている。
今までご不便をおかけしたことは申し訳なく思いますが、このタイミングで公開したからこそ、ONLINE STOREの利便性や遠方のお客様の存在を再認識できました。
見てくださる方と、僕らが飽きないように引き続き内容を詰めていきたいと思います。
楽しみですね。
7月23日から販売を開始した、cantateのジャージートラックパンツと、CLASSのテーラード:SOCKSは完売しました。
cantateのジャージはそんなに扱ったことの無い単価と数量。
CLASSのジャケットも決してわかりやすい洋服では無い。
正直発売する当日までビビっていたのですが、お客さんのすごさと僕らのこれからの可能性を感じることが出来た気がします。
僕らと取引先の方とお客さま。
これからもどこかが一方的に疲れすぎないように、新しいことに挑戦していきたい。
それにしても、今回cantateの松島さんと山栄毛織の山田さんと職人のみなさまに作ってもらった「コーウィー」の生地は本当に良い。
ジャージーなだけじゃなくてちゃんと品もある。
簡単な言葉だけど、穿いてて気分が上がります。
コストはかかるけど、可能性のある素材。
その内また何か作ろうかなあ。
ジャケット欲しかったなあ。
ジャケット欲しいなあ。。。
別注発売の告知準備、内覧会準備、ONLINE STOREの準備と、バタバタした2週間でした。
とても楽しかったです。
普段僕らは本当に暇してるので、たまにはこういうのもいいですね〜。
準備段階の、お互いがピリピリ/イライラ/ドキドキしている感覚は懐かしく、良い時間だった気がする。
毎日だらだら過ごしたいけど、だらだらを楽しむ為にはピリピリした時間が大事なんだなあ、なんて。
そういう意味でも、僕らに常にプレッシャーと機会を与えてくださるお客様の存在には感謝しきれない。
さて、そんなこんなでお店はご覧の有様。
とてもじゃ無いけど明日はお店を営業できる気がしない。
というわけで、7月27日(月)はお休みをいただきます。
僕は取引先の方々へサンプルの返却、中台はまた引っ越したので家具や一人暮らしに必要な物を買いに行くそうです。
7月28日(火)以降は通常通り営業致します。
一時的な疲れで燃え尽きそうだけど、ちょっと休めばすぐに火がつくのは僕らが単純なのか、人の人生なんてそんなもんなのか。
いずれにせよ、明日も明後日も明々後日もそれ以降もそんなに悪くない一日になりそうな気がしますねえ。
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MANHOLE 2020AW Preview – なにもしらない –
” cantate ” – COWE TRACK PANTS –
鮮烈的コート
マチガエル

” cantate “
– COWE TRACK PANTS –
Color : Beige / Grey
Size : 44 / 46 / 48
Price : ¥73,000+TAX-
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
無事、”cantateのジャージートラックパンツ”の納品がありました。
告知した通り、明日から発売を開始致します。
今回はグレー/ベージュ共にサンプルを作ったので、当日は中台と二人で仲良く穿いてみなさまをお迎えしたいと思います。
ONLINE STOREは7月23日(木)20:00から開店します。
このような状況下ですが、まずは店頭に来ていただく方を優先的にご案内させて頂きたく思います。
何卒ご了承ください。
さて、散々引っ張ったオンラインストア。
約一年の工事期間を経て、オープンします。
不具合が起きないかな…ドキドキしてます。
ちなみにオンラインストアを作ってくれたのはready to fashionの石川くんチーム。
インターネットに弱いおじさんたちの相手も優しくこなしてくれました。
ありがとうございました。
毎日ページ管理する僕たちが飽きないように、pinterestのような形式で作ってます。
「買い物をする為に商品をクリックする。」というよりかは、写真と文字を見る感覚で楽しんで頂けると嬉しいです。
それだとわかりづらすぎるので、サクッと買い物を済ませたい方はカテゴリやブランドや検索でソートをかけてください。
丁寧な商品説明は書いてません。
何かご不明な点があれば直接お問い合わせください。
オンラインストアはお店に来ることが出来ないお客様と、僕らの窓口のような位置付けで利用していきたい。
やっぱりクリックしてクレジット決済を済ませて終わり、は少し寂しい。
そんなに簡単に売れてしまうと僕らの中でお客さんのありがたみが薄れてしまい、自分たちも変に勘違いしてしまいそうで怖い。
一応明日、オープンする予定ですが、何故か今日カラーミーショップがバッドに入っている。
もし間に合わなかったら、cantateのジャージートラックパンツだけはアップできるように準備しておきます。
※ONLINE STOREは7月23日(木)20:00から開店します。
このような状況下ですが、まずは店頭に来ていただく方を優先的にご案内させて頂きたく思います。
何卒ご了承ください。
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MANHOLE 2020AW Preview – なにもしらない –
” cantate ” – COWE TRACK PANTS –
鮮烈的コート
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
昨日寝る前に自分が書いたBlogを読み返してみたら、なんかもやもやとした不穏な雰囲気を感じる。
しばらく考えて気付く。
「あ、Tommy NutterがTOMY NUTTERになってる…しかも全部。」
許せる間違い方、正しい間違い方、笑える間違い方。
間違い方にも色々あるけど、これは完全に間違ってる(嘲笑える)間違い方。
僕が色々と足りないせい。
たかがBlogだけど、楽しみにしてくれている人もいるし、何故だか信じてくれてる若い子さえいる。
だからこそ、僕らはもっと正しく伝えていかなくてはならない。
そう、間違い方にも色々とある。
許せる間違い方、正しい間違い方、笑える間違い方、嘲笑える間違い方。
大抵のことは時間が経てば笑えるし、一度笑えたらなんとなく許せる。
ただ、たまに嘲笑えないし笑えない、むしろ「これが正しいんじゃないか。」なんて感じさせてくれる物もある。
今日紹介するジャケットはまさしくそんな洋服。
自分の感覚には存在しないバランス、違和感、ズレ。
それら全てをそのまま受け入れることが出来て、その上で魅力を感じられる物。
自分でお店を始めることで、「数字を残さないと、在庫を消化しないと誰かに迷惑がかかる。」なんてプレッシャーから少しだけ解放された僕。
もちろん今でも数字を残さないと中台に迷惑がかかるんだけど、それは完全に自分の責任の範疇で収まる。むしろしくじったら僕の方がやばいけど、それはいい。多分中台も気にしないはず。
誰かのせいにしあえる環境から強制的に離れる事。
それは頭の悪い僕にとって、とても単純明快で清々しかった。
お店を開けて半年の時点で、ある程度ちゃんと回ってる事に安心した僕は、会社員時代の頃は中々オーダーがしづらかった「CLASSのテーラード」を常にお店に置いておきたい、と思うようになった。
「かっこいいのあるといいな〜。」なんて意気揚々とCLASSの展示会に向かう僕。
ざっと見渡したところ、2020AWシーズンはテーラードジャケットをラインナップしていない事に気付いた。
そういう部分でも僕のペラペラした期待を簡単に裏切ってくれるブランド:CLASS。
やはり一筋縄ではいかない。癖になる。これもタイミングなのか。
「あの〜、テーラード作ってくれませんか?」
“タイミング”なんて理由で諦めきれなかった僕は、その場で素直にお願いする事にした。
「何度か着てるのをお見かけした、ラペルが太いベージュのジャケット。生地は事務所に眠っているもので相性が良いのがあればそれで良いです。」
タイミングよく、この形はちょうど作りたい気分だったそうなのでお願いすることが出来た。
多分工場に頭を下げてもらう事になるくらい少ない数だと思うけど、10着だけ。
申し訳ない気持ちになったけど、僕らの力はまだその程度のもの。
今は甘えるしかない。

” CLASS “
– SOCKS – [ WOOL/YAK ジェントリーフラノ ]
2019AWシーズンにラインナップされていたジャケット:SOCKS。
正直言って、去年は全く目に入らなかった。
「このジャケットって、いつのシーズンのものなんですかね。」なんてとんちんかんな質問をしてしまったくらい記憶に残っていない。
なんでだろう、今はこんなに良いと思えるのに。

” CLASS for MANHOLE “
– SOCKS – [ ジェントリートップフラノ ]
Color : Grey
Size : 1 / 2 /3
Price : ¥138,000+TAX-
フロントダーツ、胸ポケット、袖ボタンと全て排除したミニマムな毛芯仕立てのシングルジャケット。
70年代のワイドラペルの雰囲気を残しながらゴージ位置を上げ、常識ではありえない変形のフィッシュマウスラペルが特徴。
素材には、尾州にてションヘル織機で織りあげた特殊加工を施したライトトップフラノを使用しています。
ポケットの位置も変、フラップの大きさも変わってる。
様々なディテールのほとんどが大胆にズレてる。
フラップをしまうと縦長に見える、フラップを出すと横に広く見える。不思議。
ただ、全体の印象はキレイに収まっている。
「〜がこうだから、こうなる。」なんてセオリーでは説明がつかない、感覚的なジャケット。
かっこいい。
ここ一年くらい、お店用に自分が企画したテーラードを作りたくて踠いてました。
一から自分で企画したテーラードジャケット。
僕がお店を開けてからジャケット、ジャケットって言っていたのはそのせい。
僕がジャケット、ジャケットって言っていたせいか、中台も半年前から「俺もジャケットとか着たいんだよな〜。」なんて呟くようになりました。
そういえば昨日バイトの悠人くんからも深夜に「河上さん、あのクラスのジャケットって買えるんですか・・・?」なんて連絡が来ました。
うん、確かにめちゃくちゃかっこいい。
欲しくなるよね。
それはさておき、いざテーラードを作ろうと思って色々考えてみても全く思いつかない。
理由は明確でした。
「自分が作りたいジャケットの、なんとなくのイメージすら出来ていないから。」
ここは絶対に譲れない。というポイントが見つけられてない。
出来ればこう、出来ればこう。なんていう事すら伝えることが出来ない。
「自分は自分の既に好きなものしか着てこなかったんだなあ。」なんて、今更ながら気付いてしまいました。
僕たちはもっとたくさんの洋服を着て、もっとたくさんの経験をして、もっとたくさんの人に出会う必要がある。
幸い、世の中にはたくさん物が溢れている。
協力してくれる人もたくさんいる。
今は積極的に外に出ることが出来ないけど、それもその内改善に向かうはず。
自分の中の漠然とした不安に負けている場合でも、外的要因に挫けている場合でもない。
僕らはまだまだこれからなのです。
このジャケットは、「ズレてることはそんなに怖いことじゃない。」
そんな事を伝えてくれる洋服のような気がしてます。
ズレているからこそ、かっこいい。
違和感を覚えるからこそ、面白い。
自分の感覚を信じるからこそ、形に出来る洋服。
何が間違っていて、何が正しいのかわからない今を生きているからこそ。
僕らは今日も間違え続けて笑うことが出来るのではないでしょうか。
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MANHOLE 2020AW Preview – なにもしらない –
” cantate ” – COWE TRACK PANTS –
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
僕の中で「千鳥/グレンチェック」と言えばこの人:Tommy Nutter。
僕のあっさ〜い見識ではこの人の説明が上手く出来ない。
気になる方は調べてみてください。
洋服屋で働き始めた当時、もう10年くらい前。
お店のストックルームに置いてあった「メンズウェア100年史」をパラパラしてたら目に止まったこの写真。
どうやら「トミー・ナッター」という人らしい。
暫くしてこの人の凄さに気付いた。
数年後に、当時のTommy Nutterや同年代のジャケットを実際に着ることが出来て、そのかっこよさに感動した。
それだけの話。
2020AWシーズンはcantateのインラインの商品を一部買い付けています。
コート1型/スーツ1型。
昨日紹介した” COWE TRACK PANTS “は、「僕らがこの千鳥のコートに合わせるとしたらどんな洋服なんだろう。」と考えた結果、企画することになった洋服。
半年前の展示会の際。
「派手な千鳥のコートがあるな〜。」なんて見てみたところ、生地が変。
なんか白場が光ってる。
少し話を聞くと、シルクの絹紡糸の4本撚りと梳毛ウールの太番手を使用して織り上げた千鳥格子らしい。
白場はシルクのシルクの絹紡糸の4本撚り。
黒場は梳毛ウールの太番手。
触ってみて更に違和感。なんかドライで滑らか。
僕の千鳥格子やグレンチェックの生地のイメージは、チクチクしてごわごわした触り心地。それがいいんだけど。
カシミヤ等を使っていても、しっとりとした風合いになる。
こんな触り心地は体験したことがない。
着てみたところ、背中にハギがなく一枚の生地を使っていることに気付いた。
動くたびに歩くたびに裾が綺麗になびく。
首/肩/背中でコートの重さを支えることが出来るので、コートの心地よい重さを体全体で感じることが出来る。気分が良い。
「めちゃくちゃかっこいいじゃ〜ん。」なんて思ったけど、柄/生地/ガーメントの雰囲気はどう見てもラグジュアリー。
理由があって値段が高い洋服を売ることには全く抵抗が無いけど、このどう見てもラグジュアリーな感じをどうお店に馴染ませようか。。。
なんて考えてたらオーダーのリミットが迫ってきたので、とりあえずオーダーしておいた。
洋服の着方は、まず物を買ってから考えるべきだと思っている。
というわけで、この僕たちらしくないコートのラグジュアリーな雰囲気を、ジャンプするかしないかのギリギリのラインくらいで地に足をつけて僕たちらしく着るために作ったパンツ。
それが” COWE TRACK PANTS “です。
これは提案の一つなので、別に気にする必要はありません。
ジャージはジャージなので、なんでも合わせられると思います。
ただ、このパンツは普段自分が着ようと思わなかった洋服に挑戦する。
そんなきっかけを与えてくれるパンツであるはずです。
今の僕らの生活スタイルだと、このコートはいつも通りバサっと適当に着るくらいがちょうどいい。
いつか違った着方を楽しめるように、似合うように歳をとることが出来たらいいなあ。
楽しみですね。

” cantate “
– Houndstooth Check Balmacaan Coat – ¥250,000+TAX-
内覧会用にサンプルを用意しました。
ご興味ある方は是非羽織ってみてください。
無理に買う必要はありませんが、「こういうものもある。」と、なんとなく体感できることはとても楽しい経験だと思います。
若干26歳でイギリスの伝統へ正面切って戦いを挑み、サヴィル・ロウに変革をもたらした男:Tommy Nutter。
僕はこの写真を目にするたびに、初めて見た時の高揚感が蘇る。
そして「僕らももっとビビらずに前に進まなくては。」という後押しをもらい、彼の天才的感覚と自信を勝手に想像して、どうしようもない敗北感を改めて思い知らされる。
僕に世界や伝統を変える力は無いけど、自分の周りの環境くらいは自分の力で良い方向に変えていきたい。
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こんにちは。
MANHOLEの河上です。
本日はcantateの松島さんに作ってもらったジャージートラックパンツを紹介します。
昨年の秋冬シーズンは裏地シルクのミリタリーライナー。
今年の春夏シーズンはスウェットの上下。
そして、今シーズンはどこにでもある古着のジャージをベースにして、” cantateのジャージートラックパンツ “を作ってもらいました。
若干テーパードしてますが、シルエットはほぼストレート。
サイズは44/46/48のスリーサイズ。
現状ベージュのみしかサンプルが無いので、先日からずっとベージュしか載せていませんが、ベージュとグレーの2色展開。
サイドの側章は両色共に経・緯糸ともに2/80のSuper100’sを使った高密度のベネシャンを使用。
最新の濃染加工を施して深みのある真っ黒にし、そこに光沢加工を施すことで、ウールと思えないような光沢を持つ美しい黒に仕上がっているのが特徴です。
この黒は日本の水でしか出ない黒。
パッチのバックポケット付き。
通常ジャージにはフロントZIPはつかないものが多いですが、折角だったら用を足す際もクールでありかったので、前立てをつけてZIPをつけることに。
生地は”COWE”という織り組織でもあり、編み組織でもある不思議な生地。
縦ストレッチは無いけど、横ストレッチはあるジャージーな素材です。
デザイナーの松島さんは化学繊維を使うことを嫌がるので、「ウール100%でジャージを作ってください。」と伝えたところ、この生地が上がってきました。
トップの糸を使った柔らかなメランジ調の生地。
ベージュとグレー、1反ずつ編んでもらうのに3ヶ月かかったそうです。
なんでもかんでも時間と手間をかければ良い、という訳ではありませんが、この生地は時間と手間をかけた分だけその良さが表に出てくれました。
もちろん、着心地のよさにも。

” cantate for MANHOLE”
– COWE TRACK PANTS –
Color : Beige / Grey
Size : 44 / 46 / 48
Price : ¥73,000+TAX-
素材の良さ/生地の良さ/作りの良さがしっかりと面に出てくれた分、価格にも反映されてしまいましたが、納得の行く一本だと思います。
古着特有の不真面目なノリの良さと、質を重視した真面目な現行ブランドの良さ、両方が伴った洋服。
cantateというブランドにしかできないこと。
それは、僕らの薄っぺらい説明を耳で聞いて頭で理解するよりもまず、着てみることで実感が出来ると思います。
買う前の素材がどう、生地がどう、付属がどう、作りがどうという情報の大半はただのロジック。
その本質的な良さは、日常的に着ていて後から気付くもの。
大切なのは、その場で実際に着て直感的に良いと思えるか。
この価格を出して、欲しいと思えるかどうか。
僕は作りの話を聞いてある程度頭で理解が出来るようになったけど、実際に洋服は作れない。
生地の良し悪しは、ある程度手で触れて理解が出来ると思いたいけど、実際に生地は作れない。
結局、相手の仕事を信頼しながら最終的に自分の目と手を信じるしかないのです。
良いパンツが出来て嬉しいなあ。
皆さんも気に入ってくださると嬉しいです。

” CLASS “
– SOCKS –
実はCLASSにもジャケットを作ってもらっていました。
これも7月23日に販売を開始する予定です。
2019AWシーズンにリリースされたテーラードジャケット:SOCKS。
様々な箇所に違和感を覚えるジャケット。
「納期はいつでもいいですよ〜。値段もお任せしますよ〜。」なんて、CLASSのデザインチームを信じるあまり僕がとても適当な話の進め方をしてしまったので、ちょっとバタバタさせてしまいました。反省してます。もうちょっとしっかりやろう。
明後日納品予定。
結局値段もまだ把握できていないけど、おそらく14万円近辺。
今回ビジュアルの撮影に使用したのはサンプル。ベージュのヤクウールの生地のタイプ。
MANHOLEではウールジェントリートップフラノのグレーの生地で作ってもらっています。
まだ製品を見ていないので到着が楽しみです。
詳しくはまた明後日お知らせします。
前回も協力してもらったコタローくん。
彼は役者希望らしい。そろそろ本気を出してくれることをおじさんたちは期待していますよ。
撮影してくれたのは中台の友達のカメラマン:春日太希さん。
ただのイケメンだと思っていましたが、カメラを握ると本物でした。
洋服もコタローくんもかっこよく撮ってくれてありがとうございます。
人の知らない一面を見るのはやっぱり楽しい。
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こんにちは。
MANHOLEの河上です。
今シーズンも内覧会を開催致します。
期間は7月23日(木)、24日(金)、25日(土)、26(日)の4日間。
プレスや業界関係者に向けた内々の場では無く、全てのお客様に向けた内覧会です。
MANHOLEもオープンしてから一年が経とうとしてます。
色々なことが始まっては終わり、様々なものが入っては消え、何かを受け取って何かが無くなっていく代わりに、自分たちの中に形としては残らないものが少しずつ増えていった一年間でした。
この感覚は自分たちでお店を始めなければ味わえなかったと思います。
新しいことを始めれば始めるほど、
新しいものを入れれば入れるほど、
新しいひとに会えば会うほど実感すること。
「僕らはなにもしらない。」
中台に対して僕が仕入れたものの情報共有をしないのは、僕が彼の「自分とは違うものの見方をしてくれること」を楽しみにしているから。
僕が既に知っていると思っていたものが、彼の手で僕が知らないものに変化していきます。
それがとても楽しい。
悠人をバイトで雇った理由は、「彼が何も知らない」から。
中途半端に知ってしまっている僕と中台には見えなかった部分に、彼だったら手が届くかもしれない。
そういう意味でも、彼の「何も知らない。」というのは僕らにとって可能性でしかありません。
MANHOLEに来てくださるお客さんも、10代から60代の方まで様々。
洋服を見に来てくれる人ももちろん多いけど、僕に会いに来てくれる人、中台に会いに来てくれる人、悠人に会いに来てくれる人、知り合い伝いに来てくださる人、お客さんの口コミで来てくれる人、他のお店の店員さんの紹介で来てくれる人、お客さん同士で仲良くなる人、僕らだけじゃなく他のお客さんにも自分の悩みを打ち明ける人、うちのお店をチャージも持ち込み料金もかからない居酒屋だと思っている人。
洋服だけじゃない、生活に根付く様々なこと。生活に根付かない様々なこと。
みんな、「僕らがなにもしらない」ということを気付かせてくれます。
取引先の方もそう。
みんな丁寧に色々なことを教えてくれるけど、どちらかというと「知らないことを教えてもらう」度に、「僕らはなにもしらない」ということも同時に教えてくれるのです。
以前は「知らないことは恥ずかしいこと」だと思っていましたが、最近は「知らないことは楽しいこと」だと思うようになりました。
変に知りすぎて受け入れられなくなるよりも、知らないくらいがちょうどいい。
僕らに常に必要なのは、受け入れることと、その為の少しの心の余裕。
知らないことを形にする為に知り、その知る過程で知らない事を増やしていくことなのかもしれません。
以前発売を告知したcantateのジャージも内覧会のタイミングで販売を開始します。
オンラインストアも同時期に公開する予定です。
明日以降、詳細を紹介していきます。
今日は朝から告知の為の撮影をしてました。
店舗の賃貸契約から1年ちょっとが経とうとしています。
徐々に近隣の方々とも打ち解けてきました。
そういえば僕らはこのお店の近くのことも何も知らない。
いつもお店に引きこもって撮影しているけど、そろそろ僕らも外を知るタイミングなのかもしれません。
※特に入場制限などは設けませんが、場合によっては入店をお待ち頂く可能性もございますので何卒ご了承ください。
直接ご連絡頂ければ、お客様の来店状況などもご案内致しますので、お気軽にお問い合わせください。
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河上 尚哉
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