やっぱりタンクトップ
どうも、こんにちは。タンクトップ河上です。
またタンクトップを作りました。
いやー、自分でも思ってるんですよ。だから、またタンクトップです。
あ、でも今度は5色で383枚とか作ってません。流石に僕もそこは抑えました。
今度は2色で100枚ちょっとです。
2022年もいろいろな洋服を仕入れて、いろいろな洋服を作って、お客さんにもいろいろな洋服を買ってもらって、僕もいろいろな場所でいろいろな洋服を買ってきたけれど一番着たのはタンクトップ。
そろそろタンクトップタンクトップ自分でもうるさいので早く飽きたいんだけど、中々飽きさせてくれないのがタンクトップ。だって、毎日着るんだもんタンクトップ。無くてもいいけどあったらいいのがタンクトップ。嘘がないのもタンクトップ。飽きてもいいのもタンクトップ。
取引先の皆さま、中台、鶴田さん。
僕が「あのー、タンクトップ作りたいんですけど」って相談してきたら止めてください。止められることも視野に入れ、どうにかタンクトップを作ってもらえるようにあの手この手を用意していきたいと思います。どうか2023年もよろしくお願いいたします、タンクトップを。
形は前回と同じ形。
生地はノスタルジックメッシュと名付けられたウールジャージー素材。
前回はサラサラがっしりでしたが、今回はフワフワとろとろしてます。
がっしりしたコットン生地も良いですが、これくらい肌あたりの良いウール生地も好きになれるのではないでしょうか。ウールの肌着、最高です。
カラーはWHITEとCHARCOALの2色展開。
サイズは2番と3番の2サイズ展開。
細い自信がある方は2を。不安な方は3をお選びください。
僕は全色全サイズ一枚ずつ買って毎日交互に着て毎日普通に洗ってますが、今のところ致命的な問題は起きていません。
乾燥機さえかけなければ、洗って大丈夫だと思います。
タンクトップに着方もどうも無いですが、タンクトップにしかない特徴はあります。
ジャケットの下/ベストの下のシャツのように。
カーディガンの下のカットソーのように。
ブルゾンの下のスウェットのように。
コートの下のニットのように。
ニットやスウェットの下のTシャツのように。
タンクトップ、合わせてみてください。
別にMANHOLEで売っているタンクトップじゃなくても構いません。なんでもいいと思う。
タンクトップの上に着ることの出来ない物はない。
既に持っている洋服も、タンクトップの上に着ることで感じられる良さもあるはずです。
重ねていきましょう。
「またタンクトップですか?」と言われるのを恐れず、CLASSのデザインチームに「ウールのタンクトップ、どうですか?」と声をかけて正解でした。
僕は相変わらず何もしていないけど、自信だけはあります。
発売は1月4日から。
2023年もMANHOLEを、そしてタンクトップをどうかよろしくお願いいたします。
それでは皆さま、良いお年を。
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河上 尚哉
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僕は、パンツが好きだと思う。
中台もパンツが好きだと思う。
鶴田さんもパンツが好きだと思う。
まず、パンツを穿かないと外に出られない。
いや、仮に穿かずに外に出られるようになったとしても、僕はきっとパンツを穿いて外に出かけると思う。パンツのおかげで外に出ることが出来ている。パンツが無かったら僕は家でずっと漫画を読んでると思う。
僕は家の中では半裸なので、パンツを穿いた時点で外に出かけるスイッチが入る。
ベルトが必要ないくらいのサイズ感のパンツを穿くとなんだか気分がいい。
中学生の頃に気にしていた、お尻がぷりぷりする感じもおじさんになった今はなんだか逆に気分がいい。あー、お尻ぷりぷりでよかった。
お尻ぷりぷりを気にしていたが故にウェストもヒップも大きいパンツをベルトで締め上げて穿くような穿き方は長い間やっていたせいか妙に落ち着く。
ウェストのサイズを気にするのすら面倒になったタイミングで手にしたイージーパンツは「これはイージーパンツです。」という名前によってちゃんとした物っぽく見えるけど、根本的にはウェストの大きいパンツをベルトで締め上げて穿く行為の拒否感を和らげる為の便利な洋服だと思う。好き。
「大きいパンツのウェスト余りを横に逃すとあまりもたつかない。」ということを昔発見した時はウェストさえ通ればどんなパンツだって穿けるような気がして楽しかった。
でも、これはミリタリーやスポーツウェア等のサイドアジャスターと同じ発想。
昔の人がちゃんとディテールとして形にしている。
もっと遡ればただの布をただの紐で固定していた名残。昔の人には敵わない。
現代人の僕らは「昔から目的や気分を元に作られてきた、目の前にある穿いたことのないパンツ/穿いたことのあるパンツ」を穿きながら日々洋服を着ることで。
今この時この場所で、自分が、隣にいる人が、あわよくば道行く大勢の内の誰か一人の気分が良くなるように過ごす事が出来る。
機能やシーンやディテールも全く関係がない、今は休日も平日すらも関係がなくなった東京の街で。
それが出来ることはなんて楽しく幸せで、なんて素敵なことなんだろうか。
今日も僕はパンツを穿いて外に出ている。
当たり前なんだけど、それを当たり前以上にする楽しさは自分で能動的に「穿くこと」でしか味わえない。
今までリリースしてきたSADEのPT09。
SADEデビューコレクションにラインナップされていたPT01をベースに、2019AWシーズンからMANHOLEなりの修正を影山さんに伝えてアップデートしてきた形。
変なウェストバンド、変な股上の深さ、変なフロントボタン、変な腰回りの設計、見ていて楽しいパンツ。
穿くと、もっと楽しい。
裾幅/膝幅/ワタリ幅/ヒップ寸/プリーツの深さ/股上の深さ/ダーツの位置/ポケットの形/裾の処理は何か。
そういう繊細な部分だけでもパンツは、変わる。
その上に生地や、作る上でのテクニック、ディテールなどが覆い被さる。
ただの「パンツ」なのに、なんて選択肢が多いんだろう。
パンツ選びで大切なのはシルエットやサイズではなく「穿く人がかっこよく穿けること」。
そもそもシルエットの良し悪しの基準って一体、何?
今週末から発売する、SADEのPT09-改。
PT01のアイコン的ディテールだった太いウェストバンドを削りました。
PT09のアイコン的ディテールは「小さなヒップ、絞った膝幅、広がった裾」であり、もう太いウェストバンドは削ってもいいかもしれない、と思ったので影山さんに「ここ、削れますか?」と相談したら「削りましょう!」と言ってくれました。
何故か僕らのアイデアをすんなり受け入れてくださる影山さん、いつもありがとうございます。
ヒップから下はPT09のまま。
ベルトループレスのサイドシンチ式。
持ち出しに二つのフック。
フロントの印象はとてもすっきりしてます。
生地は2種類。
SADEオリジナルの多色使いのメランジ(MIX GREY)と、英国製高密度ベネシャンのネイビー。
「ただのパンツ」が売り場に飽和する中で、お客さんの口からも「パンツはたくさん持ってるので。」という言葉がちらほら聞こえるようになりました。ただ、僕たちは昔からパンツを穿いていた。
「ただのパンツ」が売り場に飽和する中でも、無理矢理気分の良いパンツを探して穿いていた。
それでも、まだ、飽きない。
十数年前と履いてる靴、合わせてる洋服も違う。
数年前と履いてる靴、合わせてる洋服も違う。
更に、一概に「ただのパンツ」と言っても。
裾幅/膝幅/ワタリ幅/ヒップ寸/プリーツの深さ/ダーツの位置/ポケットの形/股上の深さ/クリースが入るか入らないか/裾の処理は何か。
そういう繊細な部分だけでもパンツは、変わる。
その上に生地や、作る上でのテクニック、ディテールなどが覆い被さる。
「ただのパンツ」なのに、なんて選択肢が多いんだろう。結局、飽きる飽きないはその「繊細な部分」から生まれる違いをどれだけ楽しめるかに左右されるのではないだろうか。
結局、流行に流されるか流されないかは、流行の入り口からどれだけ深くその物を好きになれたかに左右されるのではないだろうか。
洋服の場合はその上に「その人の体型が生み出すシルエット」と「その人が持っているもの」と「その人が好きなもの」などが覆い被さる。更に「自分の感覚の外側にある物」を受け入れ始めたら、その「ただのパンツ」の選択肢は広がり続ける。
結局、飽きるか飽きないかは全部自分次第で、目の前の物のせいではないのだろう。
僕らは、飽きてもいいと思っている。
別にパンツのシルエットがどんなものだろうが、その時穿きたいものをその時穿きたいように穿ければどっちでもいい。
ただ、いつか飽きるのであればとことんやりきってから飽きたい。
僕らには暇な時間しかない。
その時間を何かに注ぎ込むことで、暇な時間は何か別の時間にきっと、変わる。
※SADE -PT09 -は1月4日から発売を開始します。
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河上 尚哉
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河上がジャケットを作りたいと言い出した。どんな感じの?と僕が尋ねると、河上は「コートみたいに細長い襟型のジャケットです」と答えた。続けて「なんていうか、こう、ひゅいっ、ひゅいっとした感じの襟です、分かります?」と言いながら両手を使って謎の図形を空中で描き出した。僕は「あぁ、分かる気がする」と返した。
こういった抽象的な言葉、あるいは断片的なイメージから商品企画が始まることは多々ある。
MANHOLEの場合は、特に。
今回、この「襟がひゅいっとしたジャケット」という断片的なイメージをぶつけた相手はSADEのデザイナー・影山さんだった。影山さんは僕らの断片的なイメージをいつだって真摯に汲み取ろうとしてくれる。熱心に話を聞いて、メモを取ってくれる。ポケットの数や、全体のコンストラクション、サイズ感にいたるまで細かく取材してくれる。
とはいえ、今回の企画は取っ掛かりがあまりにも抽象的で漠然としていたため「さすがに2回以上は念入りにサンプルチェックしないといけないかも」なんて思っていた。
それからしばらくが経ったある日、影山さんが店を訪ねてきてくれた。手持ちの袋の中には「襟がひゅいっとしたジャケット」の1stサンプルが入っていた。影山さんはいつもどおりの謙虚な姿勢でソレを取り出すと、僕らの前に掛けてくれた。
「……出来てる」
僕と河上は目を丸くした。初回サンプルにして既に、僕らがイメージしていた形のほとんどが目の前に出来上がっていたのだ。その後は僕と河上で交互に試着をしながら「いや、これ、めっちゃカッコいいですね」とベタ褒めしたところ、影山さんは照れ臭そうに「そうすか、ありがとうございます」と笑った。
その後、僕らから最終的にお願いした細かい修正箇所をメモに書き込むと、影山さんはMANHOLEを後にした。
かくして「襟がひゅいっとしたジャケット」改め、SADEの「JK10」は完成した。
まず特徴的なのは襟型。たしかに「ひゅいっと」している。他にも胸と腰に取り付けられた4パッチポケット、ノーベントでふんわりとフレアした蹴回しなど独特の雰囲気。個人的にもっともびっくりしたのは前留めのボタンスタンス。「こんな二つボタンジャケット、見たことない」という影山さんのアイデア。意外性はあるけれど、なぜかこの形に乗ると落ち着くディテール。
スクエアなフロントカットはサファリジャケットみたいなムードだけど、全体感としてはサファリの男っぽさをほとんど感じさせない。むしろ、ちょっと中性的な、にゅるっとした曲線的なフォルム。でも、肩回りはしっかりとカッコいい感じ。
生地は多色使いのメランジで、影山さん渾身のオリジナルファブリック。全体でみるとココアブラウンのようにマイルドな色調だが、近づいて見ると赤青黄色をはじめとするマルチカラーの洪水である。
それぞれを見ると不思議なディテール満載だけど、俯瞰で見れば本格的なテーラードアイテムだと思えたので、袖丈をお店で採寸し長さを微調整した上でボタンを付けられるように、一定数量だけは袖口をアンフィニッシュで納品してもらった。
いま、自分で書いていてまさにそう思ったのだけれど、このJK10は「部分的に見た時と全体的に見た時とでイメージががらりと変わる」ジャケットだと思う。嘘っぽいんだか本格的なんだかよくわかんない。整い過ぎてはいないけれど、ガチャガチャに乱れているわけでもない。未来的にも見えるし、古典的だとも思える。
この、とらえどころのなさ。SADEの、影山さんの真骨頂だ。
誰もが二面性を持っている。どちらが本当かなんて無理やりに決める必要はなく、どちらも自分の面だと思えばいい。JK10はそんな顔をしたジャケットだと思う。
そうそう、ジャケットの仕上がりがあまりにもカッコよかったので、せっかくならばとJK10とセットアップで着用できる組下パンツの生産もお願いした。パンツの形はフレアシルエットのPT09をベースに幅広のウエストバンドを狭くし、よりすっきりと穿けるようになったと思う。
セットアップで着てもいいし、それぞれを単品で楽しむのも良い。最近ではなんだか世の中的にもテーラードアイテム推しのブランドが増えてきたような気もするけれど、SADEが作るテーラードアイテムには世間一般の流れとはまた一味違ったテーストを感じることができる。ショルダーラインや着丈やディテールや副資材やハンドメイドや○○年代調スタイルや生地の原産国や、そういった切り口の定型文。そういったものから解き放たれた自由さを感じることができる。
抽象的な地点からスタートしたこの企画が、不思議な存在感のジャケットに仕上がったとことはむしろ自然なことなのかもしれない。初めからはっきりとした答えなんてなかったのだから。このジャケットがかっちりしているのか、ふざけているのか。古典的なのか未来的なのか。このふたつボタンのディテールはどこから来たのか。そんなことはどうでもいい。
この感覚はJK10の1stサンプルを見たときに僕らが思わず感じた「……出来てる」にすべて集約されるような気がする。それは、河上が両手を使って空中に書いた「ひゅいっとしたジャケット」のフォルムを影山さんが具現化した瞬間だったのだ。
※SADE -JK10 -は1月4日から発売を開始します。
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12月27日で年内の営業を終えました。
今年もありがとうございました。
来年も僕らの楽しい時間が、MANHOLEに関係する皆さまにとっての楽しい時間でありますように。
それでは皆さま、よいお年を。
と、締めるところですが、相変わらず年末はやることがないのでMANHOLE Blogはもう少し続きます。
それではまた。
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CLASSのモックネックカットソー:CCCA18UNI A。
ノスタルジックメッシュと名付けられたウールジャージー素材。
どこらへんがノスタルジックかは受け取る人次第だと思いますが、確かになんだかノスタルジックな柄が入っているし、光にかざすとノスタルジック。透かせて写真を撮ってみるとノスタルジック。年末はどこかノスタルジック。
ふわふわとろとろと動く、捉え所のない質感。
中台がクルーネックタイプを以前このBlogで紹介していました。
モックネックのモデルはクルーネックタイプとは全く異なるバランス。
着丈はクルーネックと比べ短く、身幅もクルーネックほど大きくない一方でアームホールは太いです。
この、異なるボディバランスのクルーネックとモックネックが同じ生地で用意されたカットソー。
当たり前のようにそれぞれ一枚で着ても良いのですが「どう着ればもっと良く感じるんだろうか」と眺めながら考えていたところ、一つの答えに辿り着きました。
クルーネックとモックネック、一つずつ買って重ねると良いと思います。
悠人はモックネックの上からクルーネックを。
僕はクルーネックの上からモックネックを重ねています。
ウールのカットソーという肌着としての特徴、デザインされた一枚の洋服としての特徴。
両方を活かせるのではないでしょうか。
一枚で着ると肌が透けるWHITE。重ねたら当たり前のように透けません。
一枚で着ても肌が透けないCHRCOAL。重ねたら当たり前のように更に透けません。
洗えるとはいえウールのカットソーなので、着た後に陰干しさえすれば毎日のように洗う必要はありません。日によってころころと使いまわしてください。
「同じ生地の形違いを買う」という行為は割と贅沢な話ではありますが、一枚買うともう一枚、欲しくなると思います。
僕と中台はこの生地の洋服を買ってよく着ています。
秋は一枚で着ていましたが、冬時期は肌着としても最高。
ウールのカットソー、まだ着たことのない方は試してみてはいかがでしょうか。
想像以上に親しみ深いものになるはずです。
このカットソーの場合、品質表示タグに「DO NOT WASH」と書いてあったので試しに洗ってみたところ、洗った方が風合いがよくなりました。
何回洗っても致命的な問題は起きないので、乾燥機さえかけなければ普通に洗って大丈夫だと思いながら僕らは扱っています。
CLASSのノスタルジックメッシュウールカットソー。
洋服としてパッと見のわかりやすさはあまりないけれど、着たら理解できるわかりやすい洋服。
ずっと売り場にあっても嫌いにならない。ふとした瞬間に目に入るノスタルジックです。
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