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2021/09



なにかが出ている






僕らはなにも(値段が)高い洋服が欲しいわけではない。

かと言って安い洋服が欲しいわけでもない。
自分の買い物において「お買い得感」はさして重要じゃない。
頭で納得するだけではなく、体が収まり、心も満足すればそれがいい。

その際出会った「それ」が高い洋服だった場合。
「これはこれくらいしてもしょうがない。」と、クオリティ云々/雰囲気云々/売る店、売る人、作る人云々/その時の状況云々を取り巻く全体的なムードを。
頭で受け入れ、体で楽しみ、心で許すことの出来る自分になりたいのだ。
出来ることならば「これはこれくらいしてもしょうがない。」と判断した結果、買うことの出来る自分になりたい。

表向きはクールに装っているけど内心ドキドキしながら、明日からの生活のことなんてどうでもよくなるような、歯を食いしばりながらカードを差し出すような、帰り道に高揚感と罪悪感とやる気が入り混じるあの複雑な感情を覚えるような買い物がしたいし、そういう買い物に相応しい物を探したい。

漠然と欲しがることは誰にでも出来るけど、実際に欲しいものを探すのは誰にでも出来ることではない。
目の前の物を欲しがることは誰にでも出来るけど、実際に買うことは誰にでも出来ることではない。
考えることは誰にでも出来るけど、実際に何かを決めることは誰にでも出来ることではない。

僕らは自分で動いて得た五感と五感以外の何かを信じて判断し、この先に起こる様々なことを決めて次に動いていかなければならない。

音楽を聴くこと、本を読むこと、写真集を買うこと、映画を見ること、美術館に行くこと、旅行に行くこと、車を運転すること、運動をすること、食事をすること等、普段の生活において日常的に、あるいは非日常的に行うことは、自分の五感と五感以外の何かを成長させる為の手段となる。

日々洋服を着る/あるいは着ないと「選ぶ」ことは、その手段を楽しむ為のサポートとなり、いずれ手段に取り替わり、時には目的にすら変化する。

僕らは安かろうが高かろうが、洋服が好きだ。
お金になんて、負けていられない。






今日紹介するのはCLASSのEULALIA。
なにかが、出ている。

昔の僕だったら値札を見た瞬間にそっとラックに戻していたはずだ。
吊るしのカジュアルシャツで19万円に税。

が、今はその「なにか」を漠然と感じることが出来たからお店に並べることにした。






ミャンマー/インレー湖で作られる蓮繊維で織られた布:ロータス。
このシャツはロータスの生地を用いている。
シルク47%、ロータス53%の混紡糸。取り外し可能な襟はカシミヤ。

「蓮は泥より出でて泥に染まらず。」
泥沼に生えながら一滴の泥も纏わず開花し、泥水の中で育つからこそ美しく大きな花を咲かせる蓮華は、仏教のシンボルだ。
極楽浄土に生える花。苦しみや煩悩が泥、蓮華は悟り。

特に煩悩にまみれてそうな人間が働くMANHOLEに、このシャツが並ぶことになったのは何の因果か。
唯一汚れの数が少なかったはずの悠人も、最近は煩悩にまみれている姿をよく見かける。





ロータスは、高僧が袈裟に使う生地。
きっと、この生地で作られる洋服の着方にルールやシーズン性なんてない。
着たいときに着たいように着ることが出来る。
買った人ならば。



” CLASS “
– EULALIA – ¥209,000-(tax included)




僕らは洋服が好きだ。
着たことが無いものは着てみたいし、見たことが無いものは見てみたい。
触ったことが無いものは触ってみたいし、聴いたことが無いものは聴いてみたい。
欲しいものは欲しいし、欲しいものが無かったときなんて今までの人生において一度も無い。
「欲しいものが無い。」なんて言っている人から買う洋服はきっと最高につまらないと思う。
だから、僕らは自分が欲しいものを常に探す。洋服以外の物でもなんでもいい。
幸いなことに、たくさん溢れてくる。お金は常に無い、けど楽しいからそれでいい。

煩悩にまみれ、煩悩に悩まされながら動き、煩悩の先に向かうことで形に出来る何かがある。
例えば、洋服のデザイナーさんだったら最終的に自分が作る洋服へ。
僕らだったら自分たちの日々作り上げる店へ繋がる。
残念ながら、まだまだ終わりは見えない。



泥にまみれた僕らが、悟りの花を咲かせる日はいつか訪れるのだろうか。





「スピリチュアルなシャツです。」
CLASSのデザインチームは笑いながらそう言った。

洋服は自分の心の内側にある形にならないぼんやりとしたものを輪郭づける術となり、きっかけとなり、人の言葉を理解する手段にもなる。

洋服には「洋服という物」以外の要素が詰まっていることがたまにある。
その「なにか」を自分で受け取り、考え、自分の外の動きに繋げることが出来れば僕たちは。

もっと、目の前の物を、楽しめるのかもしれない。







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河上 尚哉

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パンツが好き




僕はパンツが好きだと思う。
中台もパンツが好きだと思う。

まず、パンツを穿かないと外に出られない。
いや、仮に穿かずに外に出られるようになったとしても、僕はきっとパンツを穿いて外に出かけると思う。パンツのおかげで外に出ることが出来ている。パンツが無かったら僕は家でずっと漫画を読んでると思う。

僕は家の中ではほぼ全裸なので、パンツを穿いた時点で外に出かけるスイッチが入る。
ベルトが必要ないくらいのサイズ感のパンツを穿くとなんだか気分がいい。
中学生の頃に気にしていた、お尻がぷりぷりする感じもおじさんになった今はなんだか逆に気分がいい。あー、お尻ぷりぷりでよかった。
お尻ぷりぷりを気にしていたが故にウェストもヒップも大きいパンツをベルトで締め上げて穿くような穿き方は長い間やっていたせいか妙に落ち着く。
ウェストのサイズを気にするのすら面倒になったタイミングで手にしたイージーパンツは「これはイージーパンツです。」という名前によってちゃんとした物っぽく見えるけど、根本的にはウェストの大きいパンツをベルトで締め上げて穿く行為の拒否感を和らげる為の便利な洋服だと思う。好き。
「大きいパンツのウェスト余りを横に逃すとあまりもたつかない。」ということを昔発見した時はウェストさえ通ればどんなパンツだって穿けるような気がして楽しかった。
でも、これはミリタリーやスポーツウェア等のサイドアジャスターと同じ発想。
昔の人がちゃんとディテールとして形にしている。
もっと遡ればただの布をただの紐で固定していた名残。昔の人には敵わない。

一言に「パンツ」と言っても色々ある。
書き上げていくとキリがない。
頑張って書こうと思ったんだけどパンツがゲシュタルト崩壊を起こしそうになったからやめた。
そのパンツが作られた当時の「目的」の先に、シルエットやディテール/機能や当時の気分がある。

現代人の僕らは「昔から目的や気分を元に作られてきた、目の前にある穿いたことのないパンツ/穿いたことのあるパンツ」を穿きながら日々洋服を着ることで。
今この時この場所で、自分が、隣にいる人が、あわよくば道行く大勢の内の誰か一人の気分が良くなるように過ごす事が出来る。
機能やシーンやディテールも全く関係がない、今は休日も平日すらも関係がなくなった東京の街で。
それが出来ることはなんて楽しく幸せで、なんて素敵なことなんだろうか。

今日も僕はパンツを穿いて外に出ている。
当たり前なんだけど、それを当たり前以上にする楽しさは自分で能動的に「穿くこと」でしか味わえない。





最近買ったパンツたち。
ポケットの形、角度/変な付属。見ているだけで、楽しい。
穿くと、もっと楽しい。
裾幅/膝幅/ワタリ幅/ヒップ寸/プリーツの深さ/股上の深さ/クリースが入るか入らないか/裾の処理は何か。
そういう繊細な部分だけでもパンツは、変わる。
その上に生地や、作る上でのテクニック、ディテールなどが覆い被さる。
ただの「パンツ」なのに、なんて選択肢が多いんだろう。

パンツ選びで大切なのはシルエットやサイズではなく「穿く人がかっこよく穿けること」。
そもそもシルエットの良し悪しの基準って一体、何?



” m’s braque “- Cinch Back Wide Baggy –




今週末から発売する、m’s braqueのシンチバックワイドバギー。
今日紹介するのはNAVYのウール地のモデル。

と、言っても僕は既にこのパンツのかっこよさを知っているので、やはり書くことはない。
けど、きっとしばらく続くワイドパンツの流れを途切れさせず、飽きさせず、流行り廃りで終わらせない「何か」があるパンツだと思います。
だから、復刻して作りました。





ただのネイビーのパンツなので、合わせ方は特にない。
ただ穿くだけ、ただ何か洋服を、靴を、合わせるだけ。

そうしている内に、自分にとってしっくりくるバランスがきっと、見つかると思います。
あと自分にとってしっくりこないバランスも見つかるはず。





試して欲しいのがシャツやニット、いや、パンツのウェストに入る洋服ならば全て思いっきりタックインする着方。
その限界も、自分で一度試してみなければわかりません。
タックがあるかないかで出来ることは違う。





「太いパンツ」が売り場に飽和する中で、お客さんの口からも「太いパンツはたくさん持ってるので。」という言葉がちらほら聞こえるようになりました。

ただ、僕たちは昔から太いパンツを穿いていた。
「細いパンツ」が売り場に飽和する中でも、無理矢理太いパンツを探して穿いていた。
(ちなみに、今そんなに太くは見えない今回のm’s braqueのCinch Back Wide Baggyは十年前、相当に太いパンツの部類だったと思う。)

それでも、まだ、飽きない。
十数年前と履いてる靴、合わせてる洋服も違う。
数年前と履いてる靴、合わせてる洋服も違う。
更に、一概に「太いパンツ」と言っても。
裾幅/膝幅/ワタリ幅/ヒップ寸/プリーツの深さ/股上の深さ/クリースが入るか入らないか/裾の処理は何か。
そういう繊細な部分だけでもパンツは、変わる。
その上に生地や、作る上でのテクニック、ディテールなどが覆い被さる。
ただの「太いパンツ」なのに、なんて選択肢が多いんだろう。

結局、飽きる飽きないはその「繊細な部分」から生まれる違いをどれだけ楽しめるかに左右されるのではないだろうか。
結局、流行に流されるか流されないかは、流行の入り口からどれだけ深くその物を好きになれたかに左右されるのではないだろうか。
洋服の場合はその上に「その人の体型が生み出すシルエット」と「その人が持っているもの」と「その人が好きなもの」などが覆い被さる。更に「自分の感覚の外側にある物」を受け入れ始めたら、そのただの「太いパンツ」の選択肢は広がり続ける。
結局、飽きるか飽きないかは全部自分次第で、目の前の物のせいではないのだろう。




” m’s braque “– Cinch Back Wide baggy –
Size : 36 / 38 / 40
Napping Glen Check ¥ 53,900-(tax included)
Navy Wool ¥45,100-(tax included)




僕らは、飽きてもいいと思っている。
別にパンツのシルエットが太かろうが細かろうが、その時穿きたいものをその時穿きたいように穿ければどっちでもいい。

ただ、いつか飽きるのであればとことんやりきってから飽きたい。
僕らには暇な時間しかない。
その時間を何かに注ぎ込むことで、暇な時間は何か別の時間にきっと、変わる。




※” m’s braque “– Cinch Back Wide baggy –は9月25日(土)から販売を開始します。
オンラインストアには同日正午に掲載予定です。




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河上 尚哉

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こんにちは。
MANHOLEの中台です。


本業で忙しいのか。
お店に顔を出すこともなく、最近会ってないよしろうからCALLのブルゾンが届きました。
そろそろMANHOLEのアルバイトにも復帰して欲しいところですが、彼が元気に過ごしているならそれでいいです。





一応BLOGを書く前に、電話で「何か伝えたいことがあったら教えて。」とよしろうに連絡してみたところ、こんなLINEが返ってきた。

本気で取り組んでいるからなのか、笑いなしの真面目なやつ…。
こういうんじゃなくて、もっと作った人にしか残せないコメントを期待してたんだけどまあいいや。
文末の「よろしくお願いいたします!!」もなんか嫌だなあ。

説明は分かりやすいので、参考にさせてもらいます。




詳細はよしろうの説明文通り。

シンプルなフロントに対して、バックスタイルには個性があるデザイン。
無地で真っ白というプレーンな印象が着ていくうちにどう変化していくのか、気になるところ。

サイズ次第では「ブルゾン丈のコート」のような着方も出来るので、色々と重ねてみてください。
この生地の洋服を、秋冬シーズンにリリースしたかった理由がなんとなくわかると思います。










ぱっと見はデザイン性の強い洋服に見えるけど、かなり機能的で各デザインにちゃんと意味がある。
偶然雨も弾いてくれるようなので、とりあえず何かの上に羽織ってみると、自分にとってしっくりくるバランスが見つかると思います。




特に何も考えずに着てみた。
なかなか良い。
確かに爽やかな着心地だ。
僕に足りない要素が詰まっている。



” CALL “
– Stand Collar Blouson –
¥60,500- (tax included)



相変わらず、身内が作る洋服は褒めづらい。
素直に褒め言葉を書いても、何だかチープな言葉に見えてしまう。

褒めづらいけど、CALLの洋服はMANHOLEに並んでいる。
実際に羽織ってみることで、僕らが今感じていることがお客さんに伝わったらいいなあ。




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中台 竜郎

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真夏の最中、書くことがなさすぎてなんとなく紹介したm’s braqueのシンチバックワイドバギー。
製品が届いてから暫く、いつお店に出すか悩んでいたところ。

昨晩唐突に夏の終わりを肌で感じたので、今週末から発売予定。
暑がりな僕でも、靴下履いてショーツを穿くのをやめたら、割と頭が切り替わりました。
切り替わりすぎてこの前ベロアのジャケットを着て近所まで出かけたら汗だくになりました。

…まだまだタンクトップ一枚で何かを羽織る気軽さからは抜けられそうにはないけれど、そろそろ、ちゃんと洋服着たいですね。






飾りのインプリーツ。
腰回りはコンパクト、ワタリから裾までストレートに落としたm’s braqueのシンチバックワイドバギー。
裾幅28cm。裾の処理はタタキ幅5cm。

ただの太いパンツですが、ただの太いパンツ以上の印象がある洋服だと思ってます。






気に入ってるので、特に書くことがないことに気付きました。
と、いうか先日なんとなく書いたせいで余計に書くことがありません。

が、とりあえず、気に入ってます。
気になって気に入ってくれそうな方は、是非穿いてみてください。
きっと気に入ると思います。





あえて書くことがあるとすれば、タックインしたくなるパンツのように感じる。
室内でテーラードやブルゾンを脱いだ後ろ姿、かっこいいと思うんだよなあ。



” m’s braque “
– Cinch Back Wide baggy –
Napping Glen Check ¥ 53,900-(tax included)
Navy Wool ¥45,100-(tax included)





去年の春くらいから、なんだかネイビーがよく見えるようになったのでネイビーの生地でも作ってみました。


ただただ鬱陶しかった夏も、終わる頃にはただ寂しい。
今日はなんだか気の利いた一言も出ないので、今週中に改めて紹介します。

それではまた。





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河上 尚哉

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ベルト一つで






こんにちは。
MANHOLEの中台です。

MANHOLEではスタッフ全員がもれなくベルト問題を抱えている。

僕は太ってしまったので、ベルトをしなくても穿けるパンツが増え、しまいにはベルトをどこかに失くしてしまい、MANHOLEの試着室にあった河上の細長いベルトを借りパク(返さないとね…。)している。

河上は色々なベルトを持っているし、よく買っているのを目撃するけど、全然納得していない様子。買ったものを使っているのを見たことがありません。

悠人に至っては、謎の革ベルト(ださい。)をしている。あれは捨てた方がいいと思うな。

そういえば、よしろうも。
この前会った時に、元々かっこよかったんだけど使い過ぎてめちゃくちゃに細くなってしまった、レザーのメッシュベルトをしていた…。あれは早く捨てた方がいいと思うんだよなあ。


そんな中、今日届いたNICENESSの新しいベルトがかっこいい。
このベルトならば、僕らのベルト問題に終止符を打つ可能性を感じます。





左右サイズの異なるダブルバックル仕様のジョッパータイプ。

腰の丸みに合わせて緩やかにカーブしているパターンなので、馴染みがいい。
夕方頃に訪れる、ベルトへの嫌悪感もこれなら軽減されそう。
日によってフロントに位置するバックルの大きさを変えることが出来る点も気が利いています。

素材や工程に至るまで、僕らの想像よりも多くのこだわりが詰まっているだろうけど、それはきっと実際に使っていく過程で自然と現れてくるはず。






たまたま、バックルをダブルで見せられる丁度いいブルゾンがあった。
このようにバックルを必ずしも見せる必要はないけど、見えると楽しい。
見せたり、見せなかったり、気分でやってみてください。






いつになく渋い河上。

ベルト一つで、見た目は大きく変わらないかもしれないけど、自分の内側に何か変化を与えてくれるのかもしれない。


” NICENESS “
– DIZZY –
SIZE – 30 / 32 / 34
¥39,600-(tax included)





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