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2022/01




今季、F.LLI Giacomettiの名品番:FG166を仕入れてみた。

返りの良いブレイク製法。
グルカサンダルのデザイン上、この靴はパーツ数が多く革の取り都合が良い。
その為様々な革を用いることが可能で、仮に希少な革を甲革として選んだ際もそこまで値段が跳ね上がらない。更に原皮が小さい物も甲革として採用が出来る点もこの靴の遊びの可能性を広げている。
各パーツの端は丁寧にカンガルーレザーを挟んで処理している為、伸び留めとしての機能と共にシューズ全体のクオリティを高めている。

軍物としての粗野で実用的なシューズを、イタリアの高級本格靴工場の手により見事にファッションピースとして完成させた名作、それがFG166だ。

近年様々なシューズブランドがそれぞれのシューズブランドならではの強みを活かしてグルカサンダルをリリースするようになった上、それを追いかけるようにガワだけが真似られた廉価版も見かけるようになってきた。
が、メンズシューズの「グルカサンダル」を一つのジャンルとして確固たる物にした立役者はF.LLI GiacomettiのFG166と、それを長い間売り場で履いてきた販売員だ。

ファッションシーンにおけるグルカサンダルはこのFG166こそが本物でありオリジナル。
それ以上もそれ以下もない。





今、MANHOLEには鶴田さんの私物のFG166と僕の私物のFG166が置いてある。

鶴田さんのFG166は10年以上履いたもの。
甲革はデーゲルマンの型押しカーフ。

僕のFG166は5,6年履いたもの。
甲革はデュプイの型押しカーフ。

僕がF.LLI Giacomettiのグルカサンダルを知ったのは、約10年前。
鶴田さんをはじめとする、僕がかっこいいと思う先輩たちはほとんどみんなこの靴を履いていた覚えがある。
真夏はもちろん、春でも秋でも真冬でも。
時に素足に、時に合わせる靴下を変え。
様々な人の、様々なパンツの足元を彩るグルカサンダル。


おそらくその光景は10年経った今でも、変わらないだろう。




今季、F.LLI Giacomettiの名品番:FG166を仕入れてみた。

この靴を知ってから10年経った今。
MANHOLEで提案するならば、こんな感じが良い。

取り扱うお店が変われば、当たり前のように提案の仕方も違う。
僕らはこの、名作シューズの新しい顔をお客さんに見せたい。




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河上 尚哉

〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室

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こんにちは、鶴田です。


昨日、河上が紹介していたCLASSの細いパンツ。 ノープリーツ、ざらっとした手触りのナチュラルストレッチウール100%。


” CLASS ”
– CCCS06UNI A –
Color : C.Grey
Size : 1/2/3
Price : ¥52,800-(tax included)





ウールのテーラードパンツが劇的に細くなったのは1990年代半ばにPRADAのメンズコレクションがスタートした辺りだったと記憶している。その細さは「ノープリーツ・裾幅19㎝」みたいな数値的記号となってクラシコイタリアへ飛び火することで、モードのみならずクラシックウェアの世界へ浸食し、最終的にはスリムなスーツへ姿を変えて世界制覇を果たした。

イタリアのパンツファクトリー・INCOTEXには「N30」というモデルがある。20年前くらいに僕も穿いていたが、あのモデルはノープリーツ・細身のテーラードパンツをイタリア人が完成させた瞬間だったように思う。直線的なシルエットの中に立体的なつくりを内包させつつ、玉縁やベルトループも細く巻いてあり、パンツ専業メーカーがイタリア人らしい美意識を詰め込んだ品番だった。


一方で、CLASS。





実際に穿いてみたら、予想通りに細い。というか予想よりも、更にちょっとだけ細い。 ちなみに、斜め方向に伸縮するナチュラルストレッチなので、穿き心地は実際に快適そのもの。



膝下も普通に細い。フレアやワイドに慣れていた人こそ新鮮な見え方を発見できるはず。それにしても、どこかがおかしい。しっかりと細いんだけど、手ごたえがないというか。たとえばINCOTEX 「N30」など、一般的な細いドレスパンツから感じられるような、統制された緊張感が、ない。



「細いけど、シリアスじゃない」というのが、このパンツを初めて穿いた瞬間に僕が感じた率直な感想だった。「シリアスじゃない」ので、ジャストレングスに裾上げして直線的なスリムシルエットを出そうと躍起になるよりも、むしろ少し長めの丈に裾上げして生地を多少たわませる方が気持ちいい。



例えば、トップスはシャツ+コート+ジャケットのレイヤード。



ガタガタのレイヤードに、2クッション入れて穿く細いパンツ。気分がいい。


イタリア人がパンツに求めたシルエットの完成美を、意図的に、そして絶妙に回避しながら作られたかのようなこのアイテムは「シャープですっきりしていなくてはならない」というスリムなウールパンツの呪縛から、僕らを綺麗さっぱり解放してくれる。



アウトサイドシームに見える部分、実はダーツ処理になっている。インサイドにしかシームはなく、外側は丸い作りということ。細いけど、くにゃっとして見えるシルエットの印象はここからきている(と思う)。きっちりとセンタープレスして穿かなくてもいいと思える柔軟さ、気楽さ、懐の深さ。そして、答えの無さ。



スリムなノープリーツパンツにはあまり見かけない両玉縁のポケットは見た目にちょっとした違和感を与えている。



ほら、手ェ大して入んないじゃん。タイトだから。でもそんなこと気にならない。そして、タイトに穿いた結果、ポケットが笑った(開く、という意味)としてもそれも気にならない。


そう、このパンツはまるで「不完全な美」を追い求めているようなパンツだ。イタリア人が考える「完成美」はそれに当てはまる体型の人だけを受容する。しかし、このパンツはシルエットが多少くにゃくにゃしようが、ポケットが笑おうが、河上みたいにお尻がプリプリしようが、そのすべてを受容する。


「こうでなくてはならない」という既成の概念をごく静かに覆しながら、 CLASSのパンツはMANHOLEの店内でひっそりと待っている。他人に与えられた「完成美」をしなやかに拒否し続ける人を。







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鶴田 啓

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こんにちは。
MANHOLEの河上です。

今日紹介するのはCLASSの細いパンツ。
ただ細いだけでなく、絶妙に今、世の中から必要とされていない形。


” CLASS ” – CCCS06UNI A –
Color : C.Grey
Size : 1/2/3
Price : ¥52,800-(tax included)



こんな形は今、東京のセレクトショップには並んでいない。
一部デザイナーズブランドには並んでいるのが想像出来るけど、ここまで一見無味無臭な物を探すのも難しいと思います。



生地はウール100%のナチュラルストレッチ。

ノープリーツ。真ん中のサイズで股上25.5cm/ヒップ96cm/ワタリ幅27cm/裾幅17cm。
スッキリ、ではなくぴっちりしています。

一体、誰が買うんだろう。



僕が、買いましょう。

別にパンツのシルエットが太かろうと、細かろうと。
その時穿きたいもの、着たいもの、履きたい靴。
それぞれ気分良く合わせることが出来れば、それでいいと思います。

このパンツを合わせる為に、無理に洋服を買う必要は全くありません。
ここ数年続いたリラックスしたムードの服の持つ新しいバランス、見つけてみませんか。
ここ数年続いたリラックスしたムードに押されて履かなくなったボリュームのあるシューズを改めて、活躍させてみませんか。

持っている洋服、持っている靴。
まだまだ全然遊び足りていないはずです。
なんでもかんでも物のせいにせず、(自分がかっこいいと思う物であれば)なんでもかんでもかっこよく着ることの出来る自分を、一緒に目指して行きませんか。




自分が何を必要としているのかさえ分かっていれば。
仮に今、世の中から必要とされていようが、されていまいが。
何を選んでも特に問題ないのではないでしょうか。



「もしかしたら今、自分しか必要としていないかもしれない。」
そう思ったのでMANHOLEに並べることに決めました。勧め甲斐のある洋服です。


でも、このパンツの魅力は当たり前のようにそこにはありません。
見れば見るほどにちょっとした違和感。
一見無味無臭、だけど思わず目にとまる。




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河上 尚哉

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昨日の河上曰く、
「なんでこうなったかわからないジャケット」。
こんにちは、鶴田です。



実際に着てみたらこうなった。







ばらばら寸前、じゃん。
なんで、こうなった?
それは堀切さんのデザインのせいでも河上のブログのせいでもない。


全部自分のせい。


このジャケットにジップが付いているせいではない。「ジップが付いた服があるのなら、開けてみたい」と普段から思っている自分のせい。そして、そのジャケットは僕の目の前に現れた。



3年前に買った、同じ仕様(毛抜き合わせにダブルジップ搭載)のベストを重ねてみたのも、ぜんぶ自分のせい。誰に望まれたわけでもない、指示されたわけでもない。







” CLASS “
– CCCS02UNI A –
Size : 1/2/3
Price : ¥171,600-(tax included)



ジップが開いていても閉じていても、もしもあなたがこのジャケットをカッコいいと思ってしまったのならば、その先の行動はすべて自分のせい。

なんで、このジャケットはこうなった???

本来は見せたくない部分を見せてみようと思ったから。
ラペルのロールをいびつに崩してみたかったから。
胸の立体感をジップのカーブで表現できると思えたから。
馬乗りのサイドベンツをジップで代用したかったから。
毛抜き合わせの柔らかい生地がジップに負けるのが美しく思えたから。

作り手の意図に対して想像できる理由はいくらでもある。
しかし、受け取り手の理由は一つしかない。


「カッコいいから」と、ただそれだけ。


カッコよさの基準を、自分の中で醸造できる人。洋服の着方を人のせいにしない人。感性を発現させるために他人の理由を必要としない人。そんなカッコいい人にこそ着てほしい、カッコいいジャケット。



ユダヤ人の格言にこんなものがある。

「人は転ぶと、まず石のせいにする。石がなければ、坂のせいにする。そして、坂がなければ、履いている靴のせいにする。人はなかなか自分のせいにはしない」

「たしかにカッコいいけど、ジップをどう処理していいかわからないから選ばない」という理由は「転びそうだから歩かない」に等しい。

なんでこうなった?

そもそも洋服なんかを好きになった自分が悪い、と自己否定しながら歩く道はさぞ長くて辛かろう。目の前に落ちている石ころを蹴りながら歩き続けたら、坂道はいつの間にか峠を越えていた。蹴り方はどうだっていい。その丘から眺める景色は、歩き始めた者の瞳にだけ映る。





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鶴田 啓

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