なんでこうなったのかわからないジャケット。
きっと、このジャケットの製作を依頼された毛抜き合わせの工場の人も「なんでこの人はこんな作業を自分たちに依頼しておいて、最終的にこんなことをするんだろうか。」という疑問を押し殺しながら、頑張って作ったに違いない。
なんでこうなったのかはわからないけど、洋服の良い点は「なんでこうなったのかはわからないけど、ちゃんと目の前に物はある。」ということだ。
作った人(デザイナー)の頭の中を開くことは出来ない。
仮に開けて中身を覗いてみても、きっと理解は出来ないしする必要もない。
だけど、洋服は目の前にある。
目の前にあるそれ。
手に取る人にとってかっこよければ買えるし、かっこよくなければ買えない。
単純明快で清々しい。
そこから先、作った人にはわからない領域。
そのデザインに対してどう思うか、どう意味を見出すのか、わからないものがわからないものとして終わるのか、どこかに(自分なりの)答えを見つけ出すのかは着る人にしか考えることが出来ない。
裏地のつかない軽いふんわりとした仕立てを目的とする毛抜き合わせのダブルフェイスストレッチウールのジャケットに、ぐるりと縫い付けられた重たいダブルジップ。
余裕がある時に、使い方を考えてみてください。
少なくとも今の僕にとっては。
ジップを開かずとも、このジャケットの面白さを感じることが出来ています。
というか、ジップを開けた時のことを考える余裕がない。
だって、開けなくても十分格好が良い。

” CLASS “
– CCCS02UNI A –
Size : 1/2/3
Price : ¥171,600-(tax included)
いずれジップを開けた時。
パーツを外した時。
その外したパーツを付け直した時。
再度、ジップを閉めた時。
改めて「なんで、こうなった。」の「なんで」の部分に新しい答えが生まれるのではないでしょうか。
MANHOLE official instagram
河上 尚哉
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892
シェイクスピアと、ハム太郎
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
今日で会社を設立してちょうど3年(お店を開けたのは約半年後の2019年8月17日)。
一年先のことはおろか、一ヶ月先のことも一週間先のことも考えられない僕ですが。
昨日と今日、そしてほんの少しの明日のことだけ考えていたところ、気付けば3年経ってました。早い。
思い返すと、毎日楽しかったです。ハッピーです。
どんなお店にするのか。
日々どんなレイアウトにするのか、お店を綺麗にするのか、どんな物を置くのか。
どんな什器を買うのか。お客さんにどんなことを話すのか。どんな見え方を目指すのか。
全部自分たち次第。
さて、そんな何も考えていない僕らですが、「選ぶ」と「選ばれる」という行為に対しては、常に何かしら考えていたような気がします。
毎日MANHOLEで繰り広げられる、僕らが「選んできた物」を更にお客さんが「選んでいく」という光景を目の前にして。
日々、自分が外で取捨選択をしながら積み重なっていく、疑問。
果たして。
既に選んできた物を更に選ぶ必要はあるのだろうか。
そういえば。
僕らが選んできた物も、時系列はどうあれ元を辿れば誰かしらが既に選んできたものではないだろうか。
もしかすると。
自分で「選んでいる」つもりでいても、誰かに「選ばされている」だけなのではないのだろうか。
そんなことをダラダラと考え続けた結果、「少なくともまず、自分は選ばなければいいのかもしれない。」という答えに一度辿り着きました。
自分は選んでいないけど、誰かは選んでいく新感覚セレクトショップ。
自分が共感出来る、あるいは全く共感できない思想を持つ人が作る洋服を、選ばず全て並べるお店。
いいかもしれない。
ただ、冷静に考えると自分がそれ(選ばない)をやってしまうとお客さんにもそれ(選ばない)を強要させてしまう超危険なお店がこの世に誕生し、そしてすぐに消えることになりそうなのでこの考えは捨てました。そんなの誰の為にもならない。
やっぱり僕らは日々選んで、日々捨てて、日々選ばれていくのです。
自分の、他人の取捨選択を受け入れる、それが楽しいのかもしれない。
時には考えるのを諦めることも大事。
自分で選んで決める。
自分で選んで決めない。
自分で選んで決めたはずなのに、誰かの反対があって決めない。
自分で選んで決めないはずなのに、誰かの反対があって決める。
自分で選ばずに、信用してる誰かに選んでもらって決める。
自分で選ばずに、顔も見たことのない誰かの薄い情報を信じて決める。
選び方/決め方にも色々ありますが、目の前の誰かが「僕らが選んだものをどう選んでいくか。」を見るのが刺激的で、たまに不安で、時に悲しく、いつも楽しい。
CLASSのタグ、今シーズンはこんな感じ。
これもデザイン。
見る人によって、見る場所によって、見る時によって受け取り方が違うけど。
常に頭の中身がこんがらがった僕にとっては「自分が何者であるかを、名札で決められたくない。」という意思と同時に、(もしかすると僕のように)頭の中身がこんがらがった自己を、感じる。
さて、今シーズンのCLASS。
(当たり前だけど)ちゃんと選んで決めました。
ただ、「選ぶ」という行為を行う以上、「ただ、並べる。そして、ただ無くなる。」という不毛な流れを一度断ち切ってみたかったので、選んだものは全てめちゃくちゃな数量でオーダーしておきました。
きっと、暫くはいつお店に来ても常にある状態が保たれていると思います。
毎日、12時〜20時の間はいつも開いていて誰でも来ることの出来るMANHOLE。
きっと、暫くはいつも並んでいる僕らが選んだCLASS。
「いつ目に入っても嫌な気持ちにならない。仮に売れ残ったとしてもいずれ日の目を見る。目にする人、目にする場所、目にする時で受け取り方の変わるデザインがされたもの」という、僕らのCLASSの洋服に対する素直な感想を反映させた内容になっているはずです。
取扱店であれば、どこでも同じものを見ることが出来るけど。
MANHOLEだからこそ伝えられること。
それを僕達は誰かに、伝えたい。
選ぶべきか、選ばざるべきか。
僕の暇な時間と比例して湧き出る疑問の堂々巡りは今後もきっと続くけど。
昨日はそんなに悪くない1日だった。
今日はとっても楽しかった。
明日はもっと楽しい1日だといいなあ。
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河上 尚哉
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物として格好がいい、ジョッパーブーツ。
名前、というかスペルもいい。Jodhpur boots。
Joまではわかる。その次にd、更にh、そのさきはpur。
計算が合わない。
違う言い方でジョドファーブーツ。
これも、ジョドまではわかるけどファーの計算が合わない。
ジョドウパーブーツなら僕の日本語ローマ字変換脳でもなんとなく計算が合うけど、語呂が悪い。
ちなみにジョッパーブーツに対する簡単な説明はwikipediaが教えてくれます。
知っていてもいいけど知らなくてもいい、すごいどうでもいい情報です。
F.LLI GiacomettiのJodhpur boots:FG337。
甲革はUTHA CALF。
ハンドソーングッドイヤーウェルテッド製法。
さて、物として格好がいいジョッパーブーツ。
フロントクロスするストラップとサイドに配される尾錠により、何と合わせるかを考える必要がある物にも見えます。
が、単純に考えるとただのスポーツ由来の靴。
かくいう僕も以前はこの靴が何と合わせるかを考える必要がある物に見えたのか。
「物として格好がいいけど、どう合わせればいいかわからない靴だなあ。」と、思っていました。なので、毎回ピックアップはするけどオーダーが出来なかった。
今はちゃんと「スポーツ由来なのでそんな大したことない靴」に見えます。
そもそも、ストラップが見えなければただのプレーントゥ。
ジョッパーブーツだからこそ出来ることは、まず履いてみてから考えてみてもいいかもしれないし、あまり意識しなくてもいいことなのかもしれない。
スポーティな生地のスラックス。
ボロボロのデニムやコーデュロイの5ポケットなどはイメージしやすい。
なので、MANHOLEではジャージやスウェットパンツと合わせて提案したい。
スウェットパンツやジャージの裾からは本来覗かないはずの。
歩いている時、座った時、足を組んだ時や靴を脱いだ時にチラッと見える、クロスしたストラップや尾錠。

” F.LLI Giacometti “
– FG337 – [Jodhpur boots]
¥140,800-(tax included)
由来付き、文脈ありきの特徴的なディテールが目に入ると。
ついつい考えてしまったり、ついつい見せたくなってはしまいますが。
まずはそこを意識せず、なんでもないような態度で履いてみてください。
そうすることで、この靴の奥ゆかしさを感じることが出来るような気がします。
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冬はまだまだ続きます。
昨日、鶴田さんから紹介があったULTERIORのタートルネックニット。
「簡単にサラッとお願いします!」と、伝えたところ昨日の内容が上がっていた。
もう、僕から書く事がないので補足だけ。
タートルネックニットは気になる部分が気にならなければなんでもいい。
本企画は気になる部分が特にない。良いバランスだと思います。
サイズは3/4/5の3サイズ。
便宜上「ニット」と呼んでますが、首元/袖付け/サイドシーム等全てカットソー縫製。
色展開。
悩んだのですが、タートルネックニットという言葉からまず連想される色が黒だったので、とりあえず黒を一色だけ作ってみました。
いつ買ってもいいんだけど、いつ買っていいかわからない。ウールのタートルネックニット。
正直言ってなんでもいいんだけど、決してなんでもよくはない。ウールのタートルネックニット。
真冬と春の間、良いと思います。
(例えば)冬にしか着ることの出来ない、ツイードジャケット。
(例えば)日本だと夏以外は着ることの出来る、ウールギャバジンのジャケット。
(例えば)日本だといつ着たらいいのか全くわからない、リネンカシミヤのジャケット。
黒のタートルネックに目が行く人はあまりいない。
だからこそ、合わせている他の洋服に、目が行くはずです。
冬はまだまだ続きます。けど、春もその内やってきます。
何も考えたくない時、何かを考えたい時、いかがでしょうか。

” ULTERIOR “
– FINE WOOL GUERNSEY TURTLE NECK –
¥39,600-(tax included)
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タートルネックが好き。
タートルネックを初めてお洒落アイテムとして認識したのは、中二か中三くらいの頃だったと思う。当時、整髪料の広告に出ていた小山田圭吾がホワイトジーンズ姿に黒いタートルネックを着ていて、それは僕がヨーロピアンファッション(主にパリ)に興味を持つきっかけになったような気がする。
って、歳がバレんぞ…。
(別に隠してないけど)
タートル好きの僕は今日もタートルネックを着ています。
鶴田です。
今日はイギリス製の赤いタートルネックにユルモコのジャケット。胸元にはBLESSのピンズをごちゃごちゃ付けて。
おじさんの割にはかわいいと思うんですけど、どうでしょう…。
かわいくはないか…。
ともかく、10代の頃はタートルネックを着れば大人になれると思っていた。
(ので、学ランの下に黒いタートルネックを着て通学していた)

” ULTERIOR “
– FINE WOOL GUERNSEY TURTLE NECK –
¥39,600-(tax included)
店内にひっそりとある、黒いタートルネック。ULTERIORがMANHOLEのために作ってくれたこれは、インラインの白いモックネックを見た河上が、「黒いタートルネックが欲しい」と適当に別注したもの。皮膚が薄く毛穴が多い羊からごく少量のみ採れる「メリノオプティモ」と呼ばれる、カシミアのような肌触りの素材感はそのままに、モックネックよりもサイズバランスを少しコンパクトにしてインナーにも着やすくなっている。河上にしては、至極まっとうな注文だなあ…。文句ないじゃん。
店内にあった古着のライダース。逆三角形のボディ、カラッカラのカチッカチに乾いたレザー、デザインも80’sな感じでなかなかにイナタイ…。ちょっと黄味がかったグレー色も絶妙におじさんっぽくて危険な香りがする。
おじさんの身体とおじさんライダースの間にメリノオプティモを挟むと、素材に滑らかさが出た。あー、よかった、危機一髪。カサカサだらけになるところだった。
一枚で着てもバランス取れてます。MANHOLEの店内に、こんな気の利いたアイテムがあるとついつい見落としてしまいがちだけど…。地味にいい仕事をしてくれる。でかしたぞ、河上。
グレーのおじさんライダースやRIOSのウエスタンブーツが放つ、曲者特有の妖しい光は、すべてこの黒いタートルネックが吸い込んでくれるような抜群の包容力。
なんでも受け止めてくれる懐の深さに対して、袖と裾に配された二段リブはガンジーセーター由来のものなのか?ちょっと男っぽい印象で、シンプル&ハイクオリティの中にチャーミングな顔をちらちらと覗かせてくる。
「大人の〇〇」みたいな謳い文句で普通に毛が生えたようなアイテムをひたすらにプロモーションする流れが横行するようになって、早ウン10年。何をもって大人とするかなんて人それぞれだし、といつも思ってしまう。そもそも自分が「大人」になれているのだかどうかも未だに判らない。でも、黒いタートルを着れば大人になれるような気がしたのは僕にとっての事実。もしかしたら黒いタートルネックは、実年齢に関係なく、大人と子供のはざまで揺れる人が惹かれるアイテムなのかもしれない。河上も33歳だし。そういえば、「大人は判ってくれない」のアントワーヌ・ドワネル君がブタ箱に放り込まれたときに着ていたのも、黒いタートルネックだったな。
ということで、「俺は大人だ」と威張っている人や「大人になんて絶対になりたくない」と一生ピーターパンで通すつもりの人だけでなく、「俺って何者なんだろう」と揺れている人のご来店こそ、心からお待ちしています。
FIN
なんて。
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