エグイスティックソックス
Wed.8.26.2020
こんにちは。 MANHOLEの河上です。 「これは絶対にデザイナーさん本人が欲しい(作りたい)という理由だけで作ったんだろうなあ。」なんて物をたまに見かけます。 いらない人はとことんいらないんだろうけど、気分にフィットする時は値段気にせず欲しいと思ってしまうもの。
ソックスはCorgiのものしか置いてなかったMANHOLE。 「流石にCorgiのソックスだけだと提案的にも値段的にも不親切だよなあ。」なんて思っていたけど、別にそんなに本気で探す気も無かった。 そんなタイミングで出会ったNICENESSのソックス。 パッと見ただけで明らかに良い。 聞けばカシミヤワッフルソックスらしい。 甲側にカシミヤを使用し、底側をコットンで編み立てることでカシミヤソックスの課題である毛羽立ちを抑えているそうだ。 通気性と耐久性を考慮したうえで、 履き口を2重で編み立て、ゴムの締め付けを無くした新しい履き心地。 冬場でもサンダルを履きたい僕は、冬場でサンダルを履いていても寒くなさそうなソックスを探していた。 Corgiで作ろうと思っていたけど、それは置いておいてこれは良さそうだ。 もしかするとサンダルと合わせたら流石に寒いかもしれないけど、そういうことじゃない。 値段を聞く前に「これ、絶対に買います〜。」なんて調子のいいことを言ってしまった。 値段を聞いてびっくりしたけど、バレたくないから平静を装った。 一足¥15,000+TAX-。 打ち間違えじゃ無い、一足¥15,000+TAX-だ。 色展開は3色、サイズもS/M/Lで3サイズある。 と言っても、欲しいと感じた気持ちは嘘ではないからまあいいか。と思っていたけど、冷静に考えたらこのソックス1足でスニーカーが2足くらい買える値段であることにお店に帰ってから気付いた。
本当に欲しい気持ち半分、見栄を通してしまった気持ち半分のソックスが昨日届いた。 50sのミリタリーソックスをベースに、新しい解釈でつくられたホールガーメントのカシミヤワッフルソックス。 とりあえず売り場に並べてみた。 やっぱり良い。 売り場映えもなんかしている気がする。 あとは共感してもらえる人を探すだけだ、…いないかしれない。
” NICENESS “ – BOONE – [CASHMERE WAFFLE MILITARY SOCKS] Size: M / L ¥15,000+TAX-
デザイナーさんには常に「自分が良いな、と思ったもの」を作って欲しいと思うしそれを応援していきたいと思う。 「良いと思うんですよね〜。」と言いやすいようで、言いづらい日本では、共感してくれる人の存在が少なからず必要で、僕らは信頼のおける人にとってそういう存在にもなりたいと思う。 僕たちは僕たちの良いと思うもの、人に試して欲しいものを「良いと思うんですよね〜。」とお客さんに紹介することが出来るエゴイスティックな商売をしている。 エゴイスティックな商売をするためには、それを許してくれる優しいお客さんと同じくらい、エゴイスティックな物作りをしてくれる人が絶対に必要で、絶対的に信頼のおける存在になって欲しいことを期待してしまうし、その期待すら裏切って欲しいとも思う。 なんて偉そうなことを書いているけど、本当は、冷静に考えるとエグい値段のソックスに僕はまだまだビビっている。
MANHOLE official instagram 河上 尚哉
〒107-0062 東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
M : info@manhole-store.com T : 03 4283 8892
こんにちは。 MANHOLEの河上です。 FRANK LEDERのデリバリー第一便が届きました。 マシンニット2型、ハンドニット1型、シャツ1型、ウールのブルゾン1型、ウールのカーディガン1型。 個人的にもFRANK LEDERは長く見続け、買い続け、お客さんに渡し続けているブランド。 FRANK LEDERのせいで行ったこともないドイツの事を3年間くらいずっと考えていた時期もあります。 良くも悪くも急激な方向転換をしないブランドでもあり、デザイナーの気分やアトリエの環境や市場の動向などに合わせて静かに、少しずつ変化を続けてきたマイペースなブランドのような気がします。 設立から時間の経ったブランドにありがちな話だなあ、と感じるのですが「FRANK LEDERは昔の方が良かった。」という感想を僕はここ数年、毎年誰かしらから伝えられて返答に困る瞬間があります。 確かにブランド設立からしばらく続いた「この人の頭の中はどうなってるんだろう?」みたいな静かに激しく爆発していたクリエーションは、ここ数シーズン表面的にはすっかりなりを潜めているように感じます。 ただ、僕はまだ「FRANK LEDERは昔の方が良かった。」という風には感じず、「昔のこれがかっこよかったね〜。」くらいにしか思ってません。 自分と同じように、デザイナーの気分や状況、周りの環境も変わっていくのです。 僕らに出来るのは、毎シーズン「その人に期待をし続け、良いと思うものを探す。」という事だけ。 もちろん完全市場主義に変化した場合や、様子がおかしいなあと感じた場合や、良いと思っていた部分が致命的に変わってしまった場合、僕らの意識はこのブランドから離れてしまうかもしれませんが、そうでない限りは「昔の方が良かった。」という理由で諦めてしまうと、自分の気分の変化をデザイナーに責任転嫁しているようで心がもやもやするのです。
FRANK LEDERのマシンニット。 糸や編み方を変えながらリリースし続けているもの。 シンプルな作りながら、ブランド特有の生地感や色、雰囲気を纏っているので定期的に仕入れています。 「今回もマシンニット良いのあるといいなあ。」と、期待しながら見に行くと絶妙に「コレジャナイ」感が出ている物をリリースしているタイミングもありますが、全然期待しないで見に行くと気分にフィットする物が見つかるから不思議です。
今回は特に色が気に入りました。 映画の中に見るような、くすんだブルーとバーガンディ。 クルーネックと、タートルネックの2色2型。 あとはサイズ感も良い。 大きすぎも小さすぎもしない、一枚で着てもジャケットのインナーに用いても成立するくらいのサイズ。 毎回イメージしたバランスよりも小さく上がってくるので、MANHOLEではMとLのみオーダー。 僕はこのニットも家で洗うので、そういう意味でも毎回少し大きいサイズを買っています。
” FRANK LEDER “ – MACHINE KNIT – ¥48,000+TAX-
「昔の方が良かった。」と感じる方がいる一方で、今売り場に並んでいる物を「かっこいい。」と感じて買ってくださる方もいらっしゃいます。 デザイナーが変わった/生産背景が変わった/アシスタントが変わった/お金が無くなった/ライセンス化された等。 ブランドが変わってしまう:「昔の方が良かった」に繋がる要因は数多くあるかもしれませんが、FRANK LEDERの場合はそれを感じさせない。 設立当初にこんな主張を掲げたブランドが、マインドを変えてまでブランドを存続させる理由が無い。 だからこそ、来シーズンも期待を胸に、良いと感じるものを探してみたい、と思えるのかもしれません。
今シーズンのMANHOLEでの買い付けは「これはいい、これは無い。」と、僕が切って貼って出来た隙間を「ブランドの事はよく知らないけど、俺はこれが好きだ。」と中台に埋めてもらった内容だと思います。(まだ全然届いてないけど。)
MANHOLEでは「昔の方が良かった。」ではなく、「昔を経て今がある。」と、感じてもらえるような紹介の仕方をしていきたいのです。 少なくとも、FRANK LEDER自身がFRANK LEDERである事に飽きてしまうまでは。
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こんにちは。 MANHOLEの河上です。 靴が届きました。F.LLI Giacomettiのチャッカブーツ。 男性的な印象のディテールが詰まっているはずなのに、優雅な上品さを感じる靴。
3アイレットのチャッカブーツ。 トゥの形状はセミスクエア。 底付けはハンドソーンノルベジェーゼ。 木型はTANINO TR。 インサイドストレート/アウトサイドカーブ、高いヒールに合わせた木型設計。 この靴の何を気に入って仕入れたかというと、全部気に入って仕入れました。 ブーツはブーツでも、脱ぎ履きの楽なチャッカブーツ。 丸みを帯びたセミスクエアトゥだけど、ノルベジェーゼのすくい縫いの糸で甲が低く見える点も面白い。 ヒールも男性的な積み上げなのに、高いヒール設計のせいか男らしさよりむしろエレガントな印象を覚えます。 甲革は前回のシングルモンク同様、チャールズ・F・ステッド社のスーパーバックを採用。 フレンチに憧れたイタリア人が作ったようなデザイン。 木型の名前であるTANINOもここに繋がるような気がする。 ソールはヒドゥンチャネル。 堅牢なノルベジェーゼ製法で底付けされていますが、この木型のチャッカブーツはサイドと甲、踵で足がフィットした上で足首で靴を前に持っていける為、下ろしたてでも履き馴染みは悪く感じないはずです。
横顔の綺麗な靴。 鼻面も長くヒール高もあるので、「フレアパンツに合わせたいな。」と思いながら仕入れました。 まず試してみるフレアパンツは、デザイナーズやメゾンブランドなどを選ぶ必要は全くありません。 適当な古着で大丈夫です。
数シーズン継続的に紹介していたモンキーブーツ 。 ある程度行き渡ったし、僕がずっと履いていた物は先日どうしても欲しそうだった若者に奪われてしまいました。サイズも奇跡的にちょうど良かったし、まあいいか。 「何かモンキーブーツの代わりになるものは無いかなあ。」と思っていたタイミング。 このチャッカブーツはちょうど良い気がする。 モンキーブーツに足入れした時の直感的なものも感じることが出来た。 何より着脱が楽で、踵で高いソールを感じる瞬間が心地よい。
” F.LLI Giacometti “ [ FG564 ] – Chukka Boots – ¥110,000+TAX-
靴は小さな面積に細かなディテールがたくさん詰まっている。 靴のバランスが変わると、合わせたいパンツも変わる。 「なんか違うんだよなあ。」なんて思う気持ちは、靴を変えると大抵収まってくれる。 靴を買うのは楽しくてやめられない。
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外国人が表現する”日本”は、日本人にとって外国以上に外国的だと思う。 そこに嘲笑/敬意/憧憬など、どんな感情が含まれようと僕らにとってそれは日本では無い。 これは日本人が思い描く”外国”もきっと同じ。 他人に受け入れられるか受け入れられないかは置いておいて、やってる本人や受け取る人が満足できればそれで良いのかもしれない。 かくいう僕は、あまりにも表に出すぎた” 和 “があまり得意じゃない。 常にそこにあるものだからこそ、綺麗に飾り立てて値段がついているのに違和感を覚えてしまう。 静かに厳かに、丁寧に手入れをされてそこにあるものに対してお金を払うのは別に悪い気がしない。 身につける本人が意識できないほど、自然に溶け込んでいてほしい。 いずれどこかのタイミングで気付く瞬間にこそ、本当の和を感じられるような気がする。
こんにちは。 MANHOLEの河上です。 MANHOLEがオープンする際もラックに並べていたBLESSのカシュクールパーカー。 普遍的なプルオーバーフーディを、BLESSらしい自由な解釈により全く新しい洋服に見せてくれている。 「全く新しい」と言っても、特にこれ見よがしなテクニックなどは感じさせない。 今まで無かったのが不思議なくらい、自然にそこにある。 特徴的なのはフロントの前合わせのディテール。 2019年に仕入れた当時は、カシュクールモチーフのフーディだと思っていたので全く意識もしなかったけど、最近仕入れ直して日本的な和のディテールだと感じた。 改めて自分が何も考えていないことを思い知らされる。悲しい。 去年はまともに紹介する間も無く売れてしまったけど、このフーディはフーディなれど、ブルゾンのような、ジャケットのような。中庸な使い方の出来るBLESSらしいデザインである。 中に何を合わせようが、上から何かを羽織ろうが、着る人の思いつきにペースを合わせてくれる。
” BLESS “ [ V-hood sweater ] ¥79,000+TAX-
外国人が表現する”日本”は、日本人にとって外国以上に外国的だと思う。 そこに嘲笑/敬意/憧憬など、どんな感情が含まれようと僕らにとってそれは日本では無い。
これは日本人が思い描く”外国”もきっと同じ。 他人に受け入れられるか受け入れられないかは置いておいて、やってる本人や受け取る人が満足できればそれで良いのかもしれない。
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雨が降っている、遠くで雷の光が見える。 普段は気が滅入るような帰り道。 静かな雨と雷の音は、さっき聞いた音楽の余韻のようでなんだか心地がよい。
こんばんは。 MANHOLEの河上です。 文盲なだけでなく、音盲の僕。 さっきまで、ライブ配信に出演するというお客さんに誘われて、裏の” 月見ル君思フ “ でライブを聞かせてもらっていました。 関係者のみ、機材だらけのイレギュラーな空間。 文字通り舞台裏から覗き込むライブ感の強い演奏は、こんな深夜にブログで気持ちを消化したくなるくらい、とても楽しかった。 悠人と、悠人の友人:アミン君と、僕。 本当は予定があったのに僕のパワハラで2時間近くライブに付き合わせてしまった悠人とアミン君とも、「楽しかったね〜。」なんて話しながら三人ともニコニコと帰ることが出来た。(はず。ごめんね。)
正直、僕はあの場に招かれたのが申し訳なく感じるほど「演奏がどう、生音がどう、機材がどう。」とかが全然わからない。圧倒的に経験が足りない。知識もない。 そんな何も知らない僕でもあの場を心地よく楽しむことが出来たのは、目の前で演奏している人たちが本当に楽しそうで、アドリブの強い場面でも感動してしまうくらい息があって、その度に最高に楽しそうにしていたから。プロフェッショナルだと感じる。 知識や経験はこなすためではなく、楽しいことをより楽しむ為にあるんだなあ。なんて、明日のやる気を知らない音楽から貰ったような気がする。 知らない誰かに知らない何かを楽しんでもらうために、僕らももっと今の環境を楽しまなければならない。 タイミングよく、遠くの雷は涼しさも連れてきてくれそうな予感がする。
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