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思想の切れ端

“CLASS” -CCGS01UNI C- [KHADI 400-Count]
Color:WHITE Size:FREE ¥96,800-(tax included)


CLASSの400番手のカディを使用したシャツ:CCGS01UNI C。
驚くほど薄くて、軽い、デカい、つまり、涼しい。これからの洋服。
ただ「驚くほど薄くて、軽い、デカい、つまり、涼しい。」だけの洋服ではない。

カディとは手紡ぎのインド綿を使用した手織りの綿布。
以前、PERIOD FEATURESの津村さんが人間の手作業の限界は500番手だと言っていた。主にシャツやストールに用いられるそうだ。
実際に、500番手のカディを黒く染めたストールをCLASSから仕入れたことがある。当時はそんな物だとは知らなかったので「真っ黒のストール、いいな!なんかすげえ生地だな!」くらいの認識で仕入れた。お客さんもそう言って買っていってくれたので間違ってはいないはずだ。数年後巻いているのを見て「懐かしいですね」というと「夏は汗吸うし肌寒い時はなんか暖かくて重宝している」と言っていた。
で、CLASSのデザインチームと会う際に「あのストール、またやりたいですね」という話がたまに上がるけれど、残念ながら500番手のカディを今用意するのはあまり現実的ではないそうだ。

ちなみに、日本で一般的に流通しているカディは60〜100番手、150〜200番手あれば上等とされるらしい。
その上カディは糊付けされた状態で納品される。糊を落とさない(番手が上がれば糊を落とした状態でも)と自分が買ったそれが本当にそれなのか判断しづらい。つまり、信用出来る相手がいなければ、実際に本物を触ったことがなければ、迂闊に手が出せない。
それを考えると、このシャツに用いられる400番手のカディがここにあるのは熱意でしかない。
その熱意の理由は指や肌を通して確かに伝わってくる。
「驚くほど薄い、驚くほど軽い」に加えてCCGS01UNI Cは驚くほどデカい。
つまり、涼しい。これからの洋服なのだ。
ただ、それだけならCLASSである必要はない。



反英独立運動の際、マハトマ・ガンディーは「カディは単なる布ではなく、思想である」と述べ、自国産業の復興と国民の連帯のシンボルとしたのはよく聞く話だ。が、僕のような余所者には正直よくわからない。けれど、PERIOD FEATURESの津村さんやCLASSのデザインチームの熱意≒カディという布を介して、結果的にガンディーではなく彼らの思想の切れ端を受け取っている。

CLASSのデザインチームは「その洋服を見た時、着た時、触った時に自分が何を感じて何を考えたか」を思い出話のように口にする。それを耳にする度に、僕は「いいな」と思う。
僕もお客さんがそう体験できるような物を用意したい。

CLASSのデザインチームが自分達の作る洋服に込めているのは作り手が断定した何かではなく「着て見て触って、その人が何を感じるか、その人がどう着るか」という自由度だ。
彼らの公式インスタグラムに上がる「こう着てください」が全く存在しないわかりづらいビジュアルもそこに繋がっている。
商品説明やコーディネート提案といった断定に繋がる要素は彼らにとって不要なのだ。
ただ、それだと不親切なので代わりに僕らが程々にやろうと思っている。
誰かの言葉でなく自分の言葉で、誰かの感覚でなく自分の感覚で。


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NICENESSのアーキュレイテッドシャツ:ELMES。
アーキュレイテッドってどういう意味だ?と調べてみたところ「関節のある・連結された」という意味だそう。で、どこが?


インディゴ染めのコンパクト糸とリネン糸を高密度に打ち込んだシャンブレー素材で製作。
1920年代〜30年代のシャンブレーワークシャツをリファレンスとし、1999年にアメリカの老舗デニムブランドが提案した革新的な立体裁断や非対称ステッチ、ねじれたシルエットなどの実験的アプローチを大胆に取り入れて再構築。
クラフト・アート・ワークウェア・モード、アーティキュレイテッドシャツ。

-NICENESS 公式HPから引用


確かに、アーキュレイテッドしているみたい。ツイストとも言える。


さて、使われている糸や斜行しているボディ、加工などもそうですが、「色がいいな」と思って仕入れました。古着と比べるのもナンセンスですが、経年劣化で着て洗ったらすぐに破れてまたお直し、という面倒が無いのも現行の加工物の良い点ですね。最近はその補修のサイクルにちょうど直面してげんなりしているので尚更こういうものがよく見えます。どっちか、でなくどっちの良さも知っている。
つまり、クラフト・アート・ワークウェア・モード、アーティキュレイテッドシャツ。

“NICENESS” -ELMES-[Articulated Shirt]
Color:ICE BLUE Size:M,L ¥69,300-(tax included)




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いいんだよ


NAMACHEKOの第二便到着。遅い、遅いですね〜。桜はもう散りましたね。
「遅いけど、まあいいか」と思うしかないというか、海外ブランドがこっちの都合なんて考えているわけもないし仮に考えてたとしても遅いものは遅いので予め「遅いけど、まあいいか」という前提で仕入れをすることで負の感情を回避。
で、その「負の感情の回避の仕方」というのは人によって違うと思うけど、僕の場合は「洋服として欲しいものは欲しいけど、いらねえものはいらねえ」という当たり前の方法を取り入れています。
こうすることで全部「まあ、遅い可能性を考慮した上でも欲しいと思った俺が悪いか」と、自分のせいに出来る、すなわち相手のことを嫌いになる可能性を削る。納期に関しては期待しない。
早く届いたらめちゃくちゃラッキー。健康的でいい。

“NAMACHEKO” -ASTILO JERSEY ANORAK-
Color: CARBON Size:XS,S,M made in Italy


これは割とオンタイムで届いた気がする。ラッキー。
ハーフジッププルオーバーというダディな雰囲気が気になって着てみたら、何故かダディな雰囲気にならなかったという奇跡のバランスに惹かれて「中台、俺これめっちゃ好きだわ。たくさんオーダーしてもいいと思う?」と聞いたところ「河上、いつ届くかわかんないし、みんながこれ着てたらみんなこの洋服が着づらくなるから程々でいいんだよ」というわけで程々にオーダー。
これはこの洋服だけに言えることじゃないけれど「今日もこれでいいや、というかこれがいいや」みたいに毎日着て毎日乾燥機に突っ込むことでどんどん好きになれそうな顔付き。
ワンシーズンに一枚そういうのに当たると嬉しい。このハーフジッププルオーバーが僕だけじゃなくて誰かにとってそうだと嬉しい。
首元と肘当ては既にムラっぽく色移りした加工を施した別布が添えてあるので、仮に汚れても「どうでもいいか」と思えそうな親切設計、というわけではないけれど、最初からピカピカではないというのも今はとてもよく見える。

“NAMACHEKO” -MIDIA JACKET-
Color:ANTRACITE Size:XS,S made in Italy


既に完売したNANAMI JACKET同様、僕の心にグサリと刺さったMIDIA JACKET。
共に短丈のフライトジャケットがモチーフ。
MA-1やL2-Bが少し着づらくなった僕にとってそれに代わるもののように思えました。
フード付きなのも嬉しい。フードの形が良いのも嬉しい。
ヨーロッパな紺がはちゃめちゃに褪色したブルーグレー。
クロップド丈でコンパクトに見えるけど、太いアームホールかつラグラン袖。
使われているウォッシュドコットンは洗われてクタクタ、キュプラの総裏。
春だけではなく秋や冬でも活躍が期待できる現実的な日本仕様。
「中台、俺これめっちゃ好きだわ。春残っても秋にこれがお店に並んでたら安心するなあ。たくさんオーダーしてもいいと思う?」と聞いたところ「河上、いつ届くかわかんないし、みんながこれ着てたらみんなこの洋服が着づらくなるから程々でいいんだよ」というわけで程々にオーダー。

“NAMACHEKO” -TRIREME COAT-
Color:BLACK Size:XS,S made in Italy


NAMACHEKO流ロングカーコート:TRIREME COAT。
ロングポイント、コクーンシルエット、特徴的な前後のヨーク。太番手の強撚コットンを織ったようなジャリっとした黒い表地に対して、ハリのあるシャツ地のようなパリッとした白い裏地。裏につけられたテーラード要素というよりもワーク的要素を感じる機能的なポケット。
男らしさの中のエレガンス、というか強さと儚さ、硬さと柔らかさ、現実の中の美しさを感じる実にNAMACHEKOらしいバランス。
「中台、俺これめっちゃ好きだわ。残っても秋にこれがお店に並んでたら安心するなあ。たくさんオーダーしてもいいと思う?いや、たくさんオーダーする!」と伝えたところ「河上、いつ届くかわかんないし、みんながこれ着てたらみんなこの洋服が着づらくなるからさ、程々でいいんだよ」
というわけで程々にオーダー。
ちなみに、勢いに任せがちな僕らの程々が本当に程々なのかは知らない。


2025年の6月、灼熱のパリファッションウィーク。
NAMACHEKOのアポイントは帰国前日。そしてその日の予定はそれ一件のみ。
何もなかった古着屋を後にし、レンタサイクル:LIMEを走らせながら「前向きな内容だといいね」という気持ちで彼らのアトリエに向かった僕らの気持ちを到着前よりずっとずっと熱くさせてくれたNAMACHEKOのコレクションは今回で完納。
日本はこれから確実に暑くなるけれど、まあそんなことは毎年そうだし、別にいいんだよ。

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SCのCK


コットンニットって、いいですよね。
MANHOLEといえば、コットンニットがよく並んでいる印象でした。
河上さんは以前「手に取る前まではいつ着たらいいかわかんねえ洋服なんだけど、いざ気に入ったものを見つけて着てみると、いつ着てもいい洋服なんだなってことに気付いた。それから好きになった。ウールのニットは調子に乗って「えいっ!」って洗濯機に突っ込むと急に縮んだり急に痩せたりするけど、コットンだとそういうのも少ないし。このお店はテーラードジャケット多いし。ジャケットのインナーはカットソーよりもニットの方が落ち着くことの方が多いんだよなあ。多いってだけで別に絶対にニットがいいってわけではないけど」と言っていました。
要するに、好きだから並べていて、なんでもいいわけじゃなくて、選ばれているということです。


Stefan Cookeのコットンニット。

WHITE(白/灰/紫)
GREY(濃灰/灰/赤)
NAVY(紺/桃/白)

以上の3カラーウェイズ。
そして当然、100% COTTON。コットンニット、と一口に言いましてもよく古着で見かけるようなベーシックで比較的ガシッとしたコットンニットとは全然違うハイゲージのコットンニット。
自然とドレープが流れる、薄手のコットンニット。
ドレープが流れる、なんてふつうコットンニットを見てもあまり思いつかない描写だったはずですが、自然と出てきました。これはそんなコットンニット。

WHITE

NAVY

GREY


先ほど、「これはそんなコットンニット。」なんてちょいキザなパンチラインを宣ってしまいましたが、ぼくの認識ではコットンニットは気取らない。ざっくり、ロンTとスウェットの間くらいの感じ。だから良いんですよねちょうどよくて。このコットンニットも当てはめるとすればもれなくそこ。しかし、これは改めましてSTEFAN COOKEのニット。カットソーではありません。


どこか、このカラーパターンからはスポーティな雰囲気が漂います。スポーツウェアではありません。時折見とれるドレープからは、その薄手の生地の表情も相まって気品さえ感じます。でもこれはあくまでコットンニット。そういうバランス感覚が全体に行き渡り。これはそんなコットンニット。
商品名は「LINEBACKER JUMPER」でした。うん、その通りだ。


要するに!こんなコットンニットはそうそうなさそう。特別に感じます。
中台さんはステファンクックのことを「古着でこんなのあったら最高だよなって思わせてくれるブランド」として形容していました。あるかもしれないけどやっぱりそうそうなさそうです。ちなみに、気付くと嬉しい英国製。だからなんだってわけでもないけれど、気付くと嬉しい英国製なんです。
ひとつひとつが元々特別なオンリーワンですからなんて言われたらそりゃ全部そうなのかも知れませんが、そんな気を遣う必要を感じさせません。
これは良い。固有な直感そのまま、「コットンニットっていいですよね〜」くらいの柔らかさで着ちゃいたくなってください。

“Stefan Cooke” – LINEBACKER JUMPER – MADE IN THE U.K
Color: WHITE, NAVY, GREY Size: S, M
¥85,800-(tax included)




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吉田 悠人

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定番と消耗

“CLASS” -CCGS16UNI B-
Color:SUN BLEACH BLACK Size:1,2 ¥39,600-(tax included)


CLASSには所謂「定番的な品番」は存在しません。
が、この形のカットソーだけは唯一、ほぼ毎シーズンコレクションにラインナップされています。
それって定番的品番じゃないの?というのはもっともな言葉ですが、このカットソーはCLASSにとって定番ではなく消耗品的な立ち位置だそうです。
「うん。で、それってどう違うの?」という疑問が湧いてくるのも自然ですが、前提というのはものすごく大切なことなんだよなあ。何でもかんでも後付け出来るけど、前提だけは後付けが出来ない。


今回の「PEEL OFF YARN MERCERIZED COTTON HIGH GAUGE JERSEY」は本来ツルピカサラサラになるはずのマーセライズドコットンの糸をあーやこーやしてあーやこーやしたクタクタカットソー。個人的にこれから受ける印象はヴィンテージのそれではなく90年代のデザイナーズブランドのそれです。カットソーというシンプルな構造の洋服ながら、CLASSが見てきたもの、好きなもの、興味があるもの、形にしたいもの、それらのバランスを確かに感じられる洋服です。

さて、ほぼ毎シーズンコレクションにラインナップされる、ということはすなわちMANHOLEにもずっと並び続けているということになります。
カシミヤのもの、キャメルのもの、コットンのもの、ジャカードのもの、変なコットンのもの、変なワッフルのもの、ストッキングみたいなもの、ステンレスのもの、コットンのものかと思いきや裏毛がヘンプでステンレスのもの同様なんかのタイミングで物理的な刺激を感じるものなど。
適当に記憶を辿っただけで色々な生地のものを並べてきたんだなあ、という一方で当然完全に忘れているものも中にはあり、お客さんとの「そのCLASSのカットソー、なんでしたっけ?」で「あー、そんなのありましたねー」というやり取りは結構嬉しいし楽しい。
ただのファントークなんですが、本来消耗品として残らないはずのものが、残っているという。

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