好きなものは変わらない。
Wed.2.16.2022
ヴィンテージのメタルボタン、ririのジップ、謎のコットン生地に切り替えられた、これまた謎のリネン生地。 いなたいラグラン、洋服自体の身幅はあるのに異様に細く作られた裾幅、絶妙に使いづらいポケット。 このように、各所に散りばめられた「なんで」のバランスの集合体がFRANK LEDERの洋服。 このデザイナーは、ただ売れる物やただかっこいい物を作るだけの人でも、ただ家がかっこいいだけの人でもない。 着る人に疑問を与え考えさせる、FRANK LEDERです。
今回仕入れたVINTAGE FABRIC EDITIONのBOMBER JACKETは、正にFRANK LEDERらしいバランスの洋服。 昔と今、比較しても雰囲気が変わらない。 ディテール全てがかっこよく整っているわけではないけれど。 だからこそ、その時々で変化する、どこかなにかの際立ったかっこよさに目が行きます。 そんな、変わらないブルゾンの変わらないバランスが今。 良いのではないでしょうか。
フロントジップを開くとAライン。 フロントジップを閉めて、ウェストベルト部の釦を閉めるとブラウジングが出来る作り。 身頃に使われているインディゴの生地は、シャツにも使われそうなライトウェイトのコットンヘリンボーン。どうみてもリネンなんだけどフランク曰くコットンらしい。 別にどう着ても良いと思いますが、「タンクトップに合わせたらいいかもしれない。」と思いながら仕入れました。 というか、僕が今年の春夏に仕入れたものは大体「タンクトップに合わせたらいいかもしれない。」と思いながら仕入れています。 その割にタンクトップを仕入れるのを忘れました。どうしよう。
” FRANK LEDER ” [VINTAGE FABRIC EDITION] – BOMBER JACKET – Color : INDIGO Size : S/M/L ¥74,800-(tax included))
様々な物を見るごとに、新しい物を受け入れるごとに「好きなもの」が徐々に増えていく中で。 彼の作る洋服が僕の中で「好きじゃないもの」に未だ変わらないのは、彼の作る洋服があまりにも変わっていて、あまりにも変わらないから。 好きなものは変わらない。 日々変化する自分との距離を測る、物差しのような洋服。
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春の三茶で一番のコート
Tue.2.15.2022
こんにちは。連休明けの中台です。 久々の連休で、ずいぶんだらだら過ごしてしまいました。 僕が休みの間に、NICHOLAS DALEYから入荷したレインコート。
大きな襟とネックの開きに違和感。 それ以外は割と素直でクラシックなマックコートなんだけど、独特な色の組み合わせでいつも新鮮さを感じさせてくれるのがNICHOLASならでは。 レインコートにしては随分洒落てる。 このコートも、僕の近所である三軒茶屋では一番(春部門)になれるだろう。 で、どこらへんがレインコートなのか。
ドライワックスドコットン生地。 よくあるベトベトのオイルドジャケットとは違う、ドライな質感なので日本の気候でも何も気にせず着用出来る。 存在感のある生地なのに、軽い。 ワックスにムラがあってペイントみたいになっているのもご愛嬌。 気になる方にとっては不良品かもしれないけど、ワックスドコットンなんて最初はそんなもん。気にせず使えて僕らにとってはラッキー。
NICHOLAS DALEYらしい、オーバーサイズ。 Sサイズで身幅85cm。 “オーバーサイズ”には食傷気味になってきているけど、決してオーバーサイズが悪いわけではない。 このコートに関してはオーバーサイズであることが魅力の一つになっている。 着た時に感じられる迫力や華やかさはこのサイズ感だからこそ。
” NICHOLAS DALEY “ – OVERSIZED RAIN COAT – ¥126,500-(tax included)
NICHOLAS DALEYの洋服は、理屈を並べても良さを伝える事が出来ない。 BLOGで細かく説明をするような洋服じゃないのかもしれない…と思うのが正直な気持ちだ。 吊るしで見たときの迫力、羽織ったときの躍動感、外で光を浴びたときの色。 この洋服からは、音楽を聴いているような楽しさを感じる。 雨が降っているときに着た際は、地面に、傘に、コートに落ちる雨音のリズムが足される。 今まで散々洋服を買って着たはずの僕らでも、いまだに”初めて”の感覚を思い出す。 それがNICHOLAS DALEYのコートの魅力だと、僕は思う。
連休2日目に買ったレコード WARPの新鋭…レベル高っ
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NICENESSから素敵なニットが届いた。 こんなに素敵なニットを見ると、春が待ち遠しくなるなぁ。 って、鶴田です。 編み込み柄も、ネックラインも、肌触りも特徴があるけれど、あくまでもサラっと着てしまえそうな自然体のルックス。 僕が洋服屋に入ってから、まぁまぁ長い年月が過ぎて、まぁまぁ色んなものを見て、着てきたつもりだけど、 こういうアイテムを作らせたらNICENESSは流石だなぁ、といつも感心してしまう。
カディ素材のシャツやスウェットパンツと合わせてざっくりと着てみた。気持ちイイ。
ところどころに漁師用ニットのディテールが見え隠れしているけど、トライバルな編み込み柄のせいかフィッシャーマン一辺倒な全体感にはならない。あとは、素材。柔らかなシーアイランドコットンを糸の芯に使いつつ、その周りをリネン糸・シルク糸で巻いてあるらしい。柔らかと滑らかとザラザラが同時に感じられるこのタッチは、癖になりそう。
やっぱり、気持ちイイ。
河上も着てみた。彼は、このニットを「タンクトップの上からざっくり着たら気持ちイイだろうなぁ」と思って買い付けたらしい。 「で?どう、感想は?」
「チョー、気持ちイイです。欲しいです」
良かったね、河上。 そうそう、このロールネックニットというアイテムは僕が15~16歳のころに流行ったので、個人的には少し懐かしさを覚えてしまう。当時はオフ白やベージュなどナチュラルカラーのものが多く、それにスウェットパンツを穿いて足元はイエローヌバックのティンボを合わせる着こなしが代表的だった。 偶然、今日は僕も河上もロールネックのニットにスウェットパンツを合わせているけれど、当然ながら90年代前半と今とでは時代の空気感が違うし、僕らの着こなしも違う。勿論、NICENESSのこのニットは当時の焼き直しなんかじゃないし、2022年の空気感を存分に含んだアイテムだと思う。デザイナーがデザイナーたる所以は、現在の空気感や現在の空気感の中で生きる自分自身に敏感であるという点にある。それは時代に対する「肌感覚」。
「肌感覚」が時代とともに変わる一方で、時代が変わっても変わらないのは人間の「皮膚感覚」。 それは衣服が身に着けるものである以上、永遠の命題でもある。 ファッションは着心地がすべてではないけれど、 僕や河上がこのニットを(気持ちイイ)スウェットパンツとコーディネートしたのは、きっと着心地の必然に引っ張られたからだと思う。 それでも着こなしは同じにならない。お互いが、お互いの肌をもっているから。 「肌」と「皮膚」。 似て非なる二つの感覚を頼りに、僕らは洋服を着ている。
” NICENESS “ – REYNOLDS – Color : Ecru / D.Navy Size : M/L ¥74,800-(tax included)
だからこそ、NICENESSが作るアイテムのように「皮膚感覚」と「肌感覚」を兼ね備えた洋服を見ると、いつも僕は感心してしまう。 このニットは肌と皮膚の両方で感じてみてほしい。
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かぶる人、かぶらない人。
Fri.2.11.2022
こんにちは。 河上です。 FRANK LEDERのハット、本日から発売します。 商品説明は中台が、世界観は鶴田さんが作り上げてくれました。 僕からはほんの少しの補足だけ。
さて、僕は帽子をかぶらなくなってから暫く経つけど、中台が「いいと思うんだよなあ。」と言っていたので仕入れてみることにした、FRANK LEDERのハット。 かぶりたい人はかぶってみてください。かぶりたくない人はかぶらなくていいと思います。 最近の僕にとって。 MANHOLEに並ぶ商品は「僕が身につけるか、身につけないか。」なんていうのは本当にどうでもいいことで、大切なのは「そこに存在するか、しないか。」だと感じています。 そこに存在しなければ、手に取るきっかけは暫く訪れないけど。 そこに存在さえすれば、手に取るきっかけはいつでも訪れる。 僕のように帽子をかぶらなくなって暫く経つ人。 鶴田さんのように帽子はかぶるけどフェルトハットはかぶらない人。 中台のように自分が気に入ればどんな帽子でもかぶる人。 そういう人が、いつでも手に取ることが出来るようになればいい。 昨日が違っても今日がそう。 今日が違っても明日がそう。 洋服なんて本当に、それくらいのものだと思う。
顔立ち/髪型/背丈や体格、格好も、そしてもちろん性格も。 全部、バラバラ。それでいい。 MANHOLEです。
” FRANK LEDER ” [ MANHOLE EDITION ] – RABBIT FELT HAT – Size : 58 / 59 / 60 Color : Charcoal / Brown ¥63,800-(tax included)
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生きる。 死ぬ。 生きる。 死ぬ。 生きる。 死ぬ。 FRANK LEDERは、浪漫主義派のデザイナーである。文明の進歩や合理主義に対して、あくまでも主観や感受性を重視したクリエイションで彼は拮抗しようとする。シーズンごとに設定されるテーマ性を帯びた御伽話には木こりや吟遊詩人、大工、肉屋、詐欺師、囚人など、清く正しいホワイト現代社会の中で忘れ去られてしまいそうな人々が主人公として度々登場する。 19世紀から20世紀前半にかけてたしかにそこにあったはずのもの、しかし今では誰も思い出さないようなもの。特定の事象がすべての人の記憶から消え去るとき。それは、その存在の死を意味する。 とりわけ、過ぎ去った時代の中で中心的な役割を果たした美しい古典を賛美するのではなく、路傍の石のように忘れ去られていくいびつな存在の死に対して、FRANK LEDERは強くフォーカスする。 こんにちは、鶴田です。
ロマンチック、という言葉について考えるとき、僕はしばしば死について考える。目の前にある冷めた現実を離れ、妄想を膨らませ、情緒に浸り、過去のある時代・人物について考えるとき(たとえそれが架空の世界だとしても)そこには何世代にも渡る歴史の積み重ね、つまり「生と死」の繰り返しが横たわっている。浪漫はいつも、死の隣り合わせにあると言ってよい。ヒンターランドへ続く獣道を掘り起こせば、野垂れ死に、行き倒れ、名もなき人々の屍が累々と姿を現すことだろう。
過去に起こった死について考える。それはいかにも消極的な行為に思えるが、哲学者・池田晶子の言を借りれば「この世に100%は存在しない。絶対確実100%は、我々の死亡率だけである」。 すべての人が必ず死ぬ、と考えるならばもう一つ。それは「すべての人は生まれてきた」という対の事実。過去を振り返り礼賛するだけの懐古趣味ではなく、死の中に生を見つけることができるのだとしたら、失われた大地に想いを馳せることはその地を得た人々の生き様について考えることでもある。そういった意味で、FRANK LEDERの世界観とは単なるノスタルジーにまみれた美辞麗句ではない。もしもFRANK LEDERが単なる古典主義者であったとしたら、彼は今頃とっくにファッションデザイナーいう職を辞していることだろう。
ほんの70~80年前まで、大人の男性たるもの外出するときは必ず帽子をかぶって出かけるような生き物であったが、いまやラビットファーのフェルトハットは古典主義の男性を除いて、誰も身に着けることのない大げさなものに成り下がってしまった。僕から見ると、それは過去に起こった死についてのみ考える行為に思える。失われた大地について延々と語り、それを肴に酒を飲み、過去の死を再び模倣するような古典主義に未来はない。だからこそ、古典としてのフェルトハットは二度と蘇らず、只々その死を深めていくことになる。 しかし、見よ。
年長者たちが垂れ流す能書きを意にも介さず、目の前にある生と格闘する若者にとって、ほとんど初めて相対するFRANK LEDERのフェルトハットとは「ジェントルマンの必需品」や「1861年から続く老舗帽子屋への憧憬」でもなければ、ましてや「セレブリティ発火で5年前に大流行したロングブリムハットの残骸」でもない。そして、これはもはや年齢や性別の問題ですらない。 「浪漫」とは「夢や冒険に心を躍らせる甘美で感傷的な気分」のみを指す言葉では決してないと思う。 僕にとっての「浪漫」とは「心の赴くままにまかせる」ことである。 「浪(ろう・なみ)」 「漫(まん・みだりに・そぞろに)」 すなわち、さすらうこと。 過去の他人に自分を重ね合わせるのではなく、今の自分を別の世界へ連れていくこと。心を自在に動かすこと。 閉じこもることではなく、出ていくこと。
” FRANK LEDER ” [ MANHOLE EDITION ] – RABBIT FELT HAT – Size : 58 / 59 / 60 Color : Charcoal / Brown ¥63,800-(tax included)
死ぬ。 生きる。 死ぬ。 生きる。 死ぬ。 生きる。 死ぬ。 生きる。
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