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地味なパンツ



こんにちは。
河上です。

今日紹介するのは写真だけでも圧倒的な存在感のCLASSのファーブルゾンではなくこちら。



m’s braqueの地味パンツ。
MANHOLEでは地味に毎シーズンオーダーしてます。
地味ながら、いや、地味だからこそ地味に活躍するのですが、店頭ではやはり地味なのかこちらからお勧めするまで誰にも気付かれない。
現行のデザイナーズのデザインや用いる生地は実は相当お洒落なので、たまには地味なパンツを挟んでみてはいかがでしょうか。
「地味だから」と言って後回しにしているかもしれませんが、こういうパンツが毎朝のモヤモヤとした気持ちを解消してくれるはずです。



2インプリーツ、小ぶりなヒップ、膝下ストレート。



チェック、レースの僕です。38穿いてます。


黄色いベスト、ベージュのウルトラスエードのブルゾンの中台。
40穿いてます。


長袖のニットポロ。カーキのキャバルリーツイルの3Bジャケット。
このままおじいさんになれそう。



今日Blogの撮影途中、中台が「そういえば俺こういうパンツ持ってないな。買うわ。」と言って買ってました。

ドレスウェアとして定番的なグレーフランネルのトラウザーズですが、フランネル自体はスポーティな素材。
形がドレストラウザーズだからといって律儀にドレスシャツやテーラードと合わせる必要はありません。いつもの格好にさらりと合わせてみてください。
反対にドレスシャツやテーラードをカジュアルパンツと合わせてしっくりこない方は一度こういうパンツに立ち戻ってみてもいいのではないでしょうか。



” m’s braque “
– IN2TUCK TAILORED TROUSERS –
¥39,600-(tax included)





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河上 尚哉

〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室

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10年ちょっと前でしょうか。
洋服屋に入りたての僕、手の空いた時間は常に商品整理をするように言われてました。
パンツハンガーにかけられたパンツをかけ直したり、ジャケットの吊るされたラックの間隔を整え直したり、たたまれたパンツをたたみ直したり、ドレスシャツをたたみ直したり、薄いたたみづらいニットをたたみ直したりネクタイを並べ直したり靴下を並べ直したりチーフを並べ直したり片足しか出ていないシューズが片足だけ日焼けしないように定期的に右足左足入れ替え直したり。商品整理は無限で地味だけど結構楽しいです。
商品整理の自分ルールは人によって違うのでダブルスタンダードどころかクインティプルスタンダードくらいの感覚に揉まれながら商品整理していたのをたまに思い出します。

ある日、いつものように商品整理をしていた僕が退屈そうに見えたのか、先輩がチャコールグレー/ミディアムグレー/ライトグレーの3色のパンツを僕の目の前に並べ「河上、同じ型のグレーのパンツ。どう違うかわかる?」と、尋ねました。
こういう時は何も考えずに「全然わかりません!」とすぐに答えるようにしていたので、「全然わかりません!」と答えたところ、先輩はやれやれという表情を残し1色ずつ同じネイビーのブレザーをあてながら「グレーはトーンの軽さで与える印象が変わるから、若々しく軽快な印象を求める人にはトーンの軽いグレーを、反対に落ち着いた印象や重厚な印象を求める人には濃いグレーをお勧めするといいよ。」と、教えてくれました。すごくわかりやすかったです。

10年ちょっと前の僕は自分に若さも軽快さも必要としていなかったので、そこから自分でグレーのドレスパンツを選ぶ時はチャコールグレーを選ぶようになりました。
素直すぎたのか、ライトグレーのドレスパンツは嫌いになりました。我ながら極端なやつです。




去年の春頃、MANHOLEに並べたものを見返していた際。
このカバーオールだったり、このスノーパーカ、スウェットなどのカジュアルなものは仕入れてきましたが、ライトグレーのテーラードやライトグレーのトラウザーズはほとんど仕入れてこなかったことに気付きました。
少なくとも僕の生活圏内にあるブランドが吊るしで作ってるのもあまり見かけないので僕の好みどうこうの問題だけじゃないのかもしれませんが、ここで僕は10年前の自分の中の感覚をまだ引きずってるのかもしれないなあ、と思いました。
無意識の意識というのは結構強い。



ちょうどMANHOLE企画のテーラードを進行している最中だったので「無かったら作ってみようかな」と考えていた最中、renomaの展示会に行った際。ありました。
つるつるとした印象の青みがかったライトグレーのテーラードジャケット。
そういえばrenomaのデザインチームは普段何事もないようにこういう色のジャケット羽織ってるもんな。

試しに羽織ってみたらかっこよかったので仕入れました。MANHOLEに増えてきた色物との相性も良さそう。

ライトグレー、全然大したことないです。
無意識の意識というのは意識してみると結構弱いんですよ。



各バランスに80-90年代初頭の要素を感じる3つ釦のシングルジャケット。
肩パッドも入ってますが、みなさん肩パッドにもそろそろ慣れてきた頃ではないでしょうか。
が、僕がこのジャケットに魅力を感じているのは色。形は割とどうでもいいです。
裏返すと形はどうでもいいと思えるくらい、すんなり受け入れられるジャケットだということ。


紫色の鶴田さん。46着てます。


黄色とベージュの僕です。48着てます。


渋いチェックと黒タートル。僕です。46着てます。


黄色いスウェットに黒いアスコットタイの鶴田さん。48着てます。



見えてる面積は一番大きいはずなのに、不思議と合わせている物に目がいく洋服です。
コーディネートのしがいがあるのではないでしょうか。

「若々しく、軽快さのある」印象のライトグレーですが、その本質は文字の並びのみから見える軽率さではなく、一歩引いて周りを引き立たせる部分にあるのかもしれません。
この色の魅力、確かに10年前の僕にはわからなかっただろうなあ。



” renoma “
– Vivienne – [3B SINGLE BREASTED JACKET ]
Color : GREY
Size : 46/48
¥110,000-(tax included)




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河上 尚哉

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黄色い



「あっ!テニスボールみたいな洋服がはいってきたよ、河上~」
荷物をほどきながら僕は叫んだ。

こんにちは、鶴田です。



ほんとにテニスボールみたい。
黄色くて、ふかふかしてる。



そして、このシルエット。たっぷりとしたシャツに大きな曲線を描くパンツ。

バナナみたい?
いや、パパイヤ?
いや、レモン?
いや、カットパイン?



セサミストリートのデカい鳥(ビッグバード)?
幸せのハンカチ?
ブルース・リー?
というか、ユマ・サーマン(キル・ビル)?

プーさん?



マジック・オーケストラ?



そういえば、今は「黄色人種」って言わないんだよな。
YMOだって45年も前だから自虐的に「黄色」と名乗れたようなもんで。

少し前まで欧米では日本人のことを「バナナ」だと揶揄するジョークがあった。
外見は黄色いモンゴロイドだけど、一皮むけば白人文化に染まった「白」だってさ。



でも、意外とクラシックなんだよなぁ。
このシャツもパンツも。


“ RANDY ”

– WALTER –
( YELLOW WOOL/NYLON SHIRT )
¥55,000-( tax included )
– Lech –
(YELLOW WOOL/NYLON TROUSERS )
¥57,200-( tax included )



襟型も、大きくラウンドしたシャツ裾のカットも、カフの形状も、パンツの力強いシルエットも。ちゃんとメンズ服している。黄色い外見に騙されちゃいけない。



ポケットの内袋まで、黄色いけどね。



そして、こんなに黄色い洋服なのに、実際に着てみると中台も僕もそれほどいつもと変わんない、ってとこがウケる。おおふざけに見えて、大真面目。こういう洋服を飄々と作るところが実はRANDYというブランドの真骨頂なのかもしれない。





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鶴田 啓

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こんにちは、中台です。


今日はNICENESSのアルパカニット。
僕のアルパカの概念を大幅に飛び越えた、規格外のアルパカニット。
今まで僕が見てきたアルパカは一体何だったんだろう…。
アルパカじゃなかったのかな…。








僕の知っているアルパカニットは、フワフワの軽〜い質感。
柔らかくて触感はいいけど、編みも緩くて雰囲気弱め。
それはそれでいい。

対してNICENESSのニットは重い。
手に取るとずっしり重いはずなんだけど、着てみるとその重量感が心地良い。
矛盾するようだけど、不思議と軽やかさも感じられる…。
初めて体感する着心地かも。


以下、ブランドの説明文そのまま。


「原毛の色を活かすため無染色のアルパカ糸のみを撚糸したオリジナル糸を製作。大きく分けて10色ほどあるアルパカの毛色から6色を選び撚糸し、自然味豊かなグラデーションを活かして編み立てたアルパカスラブPOニットです。ビンテージのノルディックセーターに見られる求心編みの柄組をあえて裏目で使い、さらに多色な糸が見せる凹凸感と陰影を利用し、立体的な柄のように見せているデザイン。」


何度読んでも僕にはよく分からないけど、スゴそう。
圧倒的な雰囲気は写真でも伝わると思う。

しかし、目で見て触れて着てみてほしい。
そこにはきっと驚きがあるし、癖になるような肌触りは画面越しでは伝わらない。






チャコールとブラウンの2色。
どちらも落ち着いたカラーだけど、不思議とカラフルに見えてくるグラデーションの迫力。
どちらもナイスカラー。

自然な重みによって生み出されるシルエット、思いの外スッキリとした印象で好感が持てる。


” NICENESS “
– EGG –
Color : MIX CHARCOAL / MIX BROWN
¥89,100- (Tax Included)




着用写真も掲載する予定だったけど、なんだかバタバタしていたので諦めました。

僕らが着なくてもこのニットは最高だし、魅力は変わらない。
それに、試着した時にはもうこのBLOGのことなんて忘れてしまうだろう。

とりあえず一度お試しください。








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中台 竜郎

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前後不覚



ろれつが回らず、千鳥足。地面が揺れる、回る。そんな酩酊状態に陥るほど酒を飲んだのは、果たしていつが最後だったろう。

今日はそんなタイトルのブログですが、別に酒飲みの話ではありません。こんにちは、鶴田です。



CLASSから届いたパンツは、先日紹介したジャケットと同じ生地で二色展開。リフレクター糸入りのグレーと、ラメ入りのグリーン。ウエスト周りを見ると、前後でスクエアな段差がある謎のカット。そして、ジップ。そもそもこのパンツ、どちらが前で後ろなんだかよく分からないデザイン。とりあえず穿いてみる。



オーセンティックなバランスのニットからはみ出すレースシャツ。そこから伸びるスラリとしたシルエットが心地よい。膝下まっすぐ、裾幅25㎝のセミワイドストレート。



ロング丈のトップスも難なく受け止めるカッコいい形。膝丈のコートに合わせてもカッコいいだろうな。



シャツ一枚でサラッと。共生地のジャケットは紹介する前にすぐ無くなってしまったけれど、パンツ単品でも十分にインパクトがあるラメ入りのグリーン。

シルエットと生地はだいたい分かった。では、問題のウエスト/ヒップ周り。



ベルトループレス、ウエスマンレス、フロントジップレス。

股上、浅い。



段差があるカットのおかげで、椎間板あたりの位置まで駆け上がるハイバック。ヒップポケットはレス。そして、センターにはジップ。

鶴田も穿いてみた。



シースルーなウールカットソーを二枚レイヤード。インナーのタンクトップごと、三枚まとめてパンツイン。ベルトレスのパンツはタックインするトップス生地の分量をその都度変えていけば、意外と自在にウエストを固定できる。



そして、フロントスタイル。ウエスマンやベルトループは勿論、前開きが無いだけでここまでモダンな見え方になるのか、という感じ。モダニズム建築の思想がちらりと垣間見える。



セットアップで着てみると、パワーショルダーのジャケットとフラットなヒップラインのパンツが奇妙なバランスで成立しているのが分かる。

ちなみにヒップのセンターにジップを埋め込んだアイテムはどちらかというと女性服(婦人服のパンツやスカートなど)に多く、男性服で見かけることはほとんどない。



また、通常のローライズパンツは腰で穿く。パンツを腰で穿くとヒップは落ちる。しかし、このローライズパンツは前股上が浅いのに、後ろはハイバック。ヒップラインが腰の上部までジップでキリキリと攻め込んでくるので、全体のフィットは緊張感を保ったままだ。



しかし、このパンツ。「通常は前についているもの(ジップ)を後ろ側に付けてみました」とか「女性服のディテールを男性服に盛り込んでみました」とか、そんな小手先のデザインではない。堀切さんの自由な発想が男性服に新たなフィットを求め出したのだ。それを追求していく過程で立ち上がってきた矛盾をクリアするために、ジップというパーツが必然的に選ばれたのだろう。「男性服では通常、フロントに配されているはずのジップをヒップラインのフィットのために用いた」という方が正しい。



単なる逆張りデザインとはまったく異なる視点で生み出されたこのフィッティング。「逆だからいい」のではなく「前も後ろもどっちでもいい」というフラットな境地から見る景色は、深夜に泥酔して陥った前後不覚の状態と果たしてどう違うのだろうか。


“ CLASS ”
– CCCA09UNI –
Color : GREEN×BLACK / GREY×BLACK
Price : ¥88,000- / ¥101,200- ((tax included)



「前後不覚」とは「物事の後先も分からないほど、意識が正常に機能していない状態」を指すらしい。

しかし、僕は思う。

物事の後先の真偽そのものを真剣に考えたことがある人間が果たしてどれほどいるのだろうか。正常の中にある異常を真剣に考えたことがある人間が果たしてどれほどいるのだろうか。「『先入観に囚われてはいけない』という先入観にすらも囚われてはいけない」ことがデザイナーの使命だとしたら、僕にとって堀切さんは正真正銘、前後不覚のデザイナーだと思う。




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鶴田 啓

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