帽子が好きな中台から「キャップにはノリが必要。特に不要なのは高級感」という教育(?)を自然に受けてきたので、帽子、特にキャップを仕入れる際はとても慎重になりました。
高級感はわかるけど、ノリってなんだよなって感じですよねー。言葉で説明出来ない良さがノリですねー。こんにちは、河上です。
さて、自分で被るものは「なんかピカピカしてんな」とか「なんか高級感があるな」とか「なんか固いな」とか感じた瞬間に洗濯乾燥機にポイーしてクタクタにしちゃえば大体解決するんですが、お客さんに渡すとなると全部が全部そうするわけにはいかない。ましてやデザイナーズブランドのそれなんて「このままだと被りづらいので、とりあえず洗濯乾燥機にポイーした状態で売り場に並べることにしました!」とか、勝手にやったら怒られそうだしな。楽しそうだし、喜ぶ人もいそうだけど。
“STEFAN COOKE” -PEGASUS TRUCKER CAP-
Color:RED, BLACK, BROWN/GREEN Size:OS ¥22,000-(tax included)
というわけで、
Stefan CookeのPEGASUS TRUCKER CAP。イギリス製。
BLACK, RED, BROWN/GREENの3色展開、サイズはワンサイズ、価格は税込22000円。
アジャスターの下にはスナップ釦が付属。
ベルトをアジャストする際に役立つ気の利いたディテール。
フロントにペガサス、バックに26年秋冬刺繍。
ブランドのロゴが型押しされたレザーパッチ。
文字で見ると「ザ・デザイナーズブランドのキャップ」というデザインですが、実際に物を見るとキャップが好きな人が作ったキャップなんだろうな、と僕は思いました。
コレクションの品揃えとしてとりあえず作ったキャップではなく、実際に被って日々を過ごしているから作れる雰囲気。
BLACK,REDと共に並ぶ、BROWN/GREENという好きじゃなきゃ作らない、作れない配色からも感じるリアルさ。
「シャキッとした格好良いもの」だけが格好良いものの全てではないということを、Stefan Cookeはきっと知っているんだろうなあ。
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河上 尚哉
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892
「マストバイ」なぞという身勝手な謳い文句は何があっても使うまい!と心に決めてここまでやってきたものの、まさかタブカラーシャツの黒いベルベットバージョンが登場するとは。
そそくさとそもそも言った覚えもない前言を撤回し、これは買うしかあるまいマストバイ。
なぜならぼくはタブカラー吉田。こんにちは。
このシャツの良いところをひとことで言うと、テキトーなところ。
このWaters Tabという型番は、MANHOLEオリジナル、数少ない定番のひとつ。
わたしのクローゼットにもありますわ、という方も少なくないのではと思います。嬉しいことですね。
なので、「タブカラー」「比翼」「ドレスシャツ」といったような一見めんどくさそうで近寄りがたく感じられる要素、ディテール満載なのにもかかわらず、ほったらかして着ることができるのがこのシャツの魅力だということはもはや気づいている方のほうが多いのかもしれません。
もし、初めましての方がここにいるとするならば、改めまして、そういうことです。ちなみに、ぼくは初代Waters Tabを目にも止まらぬ速さで購入したことから、タブカラー吉田と名乗っています。
とは言いましても、「テキトーに着る」とは?
せっかくなのでこれまでのタブカラーを振り返ると、サックスブルー、ポプリンオフホワイト、コットンネル多色チェック、そして今回。このブラックベルベットとなります。
これは個人的な感想ですが、今回のベルベットが一番テキトーに着やすい気がします。
なぜかというと、黒いベルベットのシャツなんて着たこともなければ、合わせ方なんてものも当然知らないから、です。
知らないものへの向き合い方は大きく分けて二つあって、一つは事前にめちゃくちゃ調べたりして備えることですが、もう一つは知らんけどとりあえずGO。
そして、これは自分が自分のものとして着る洋服であって、商談相手でもお見合い相手でもない(どっちも未だ知りませんが)ですから、とりあえず着るべし。つまり後者。
ぼくなんて初めてこのシャツを手にしたとき、タブカラーがネクタイを立体的に見せるためのものなんて知らなかったですよ。まあそれは我ながらどうかとも思いますが、それ以上にそれでよかったと思います。
つまり、どうやって着ようがテキトーに仕上がる、けれど黒いベルベットだからとりあえずなんかかっこいい気がする。これはすごく嬉しいことです。
なぜ嬉しいのかというと、ぼくという人間は、自分の格好を考えるのはちょっと面倒……でも格好はつけたいという〇〇野郎だからです。みなさんはこんな卑下をする必要はありませんが、似たような欲はあるのではないでしょうか。
テキトー界の親玉的存在:パーカーも、この表情。
ある意味、今上に着ているこのパーカーとは逆みたいなもんですね。
縮みまくったり歪みまくったディテールに存在価値を見て生まれたパーカー。
対して、元々意味のあったディテールに魅力を感じながらも、それらの意味合いのみを取り去ったシャツ。
なんて頭で考えていても、意味がないんだから仕方ありませんよね!
河上さんの言っていた軽やかさというのもこういうことなはず。
テキトーにいきましょう。
そしたらきっと自ずと気分が良いので、そこに意味があるのかもしれません。なんちゃって。
“MANHOLE” – Walters tab – [Snap tab-collar shirt]
Color:BLACK / Size: 40, 42, 44 ¥46,200-(tax included)
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吉田 悠人
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MANHOLEオープン当初から遊び続けているベルベットという素材。
「次は何作ろうかな」なんて考えていたところ、ネルシャツが今の日本の気候にしっくりくる、というのを感じたタイミングで「そうか、ネルシャツが起毛コットンっていうことは、起毛パイルのコットンベルベットをネル生地に置き換えてみるか」と思いつきました。
ただ、「コットンのベルベット」とリクエストを出すと大体送られてくるのは、ベルベットではなくどちらかというとモールスキン。悪くないけどコレじゃないんだよなあ。
で、去年の秋。ネルシャツついでに「モールスキンじゃなくてベルベットなコットン生地ってないですかね」とイタリアのシャツ屋さんにリクエストを出したところ、ちゃんとベルベットなコットンの起毛パイルを送ってきてくれました。
流石世界の高級縫製工場、探せばなんでもあるなー。
「ネルシャツと合わせて2月末納品だと嬉しいですね〜。いけます?」と聞いてみたところ「行ける」とのこと。というわけで、作ることにしました。
形は以前から気に入って作り続けているMANHOLEオリジナルのタブカラーシャツ。
2月中頃。連絡が来ない。まあ、まだ寒いしな。オッケーオッケー。
3月中頃。「注文が立て込んでいて遅れる」と連絡がある。うーん、まあギリOKかな。
4月中頃。「出荷します!」と連絡が来る。うーん、送ってもらってももう暑いから無理だろうな。
流石ナポリって感じですが、僕の心は以前彼らにしっかりと鍛えられたので納品が遅れてすぐに販売が出来ないくらいではめげない。夏が暑くなる、ということは冬は寒くなる。寒くなるまでしばらく寝かせればOK。
“MANHOLE” – Waters tab – [Snap tab-collar shirt]
Color:BLACK / Size: 40, 42, 44 ¥46,200-(tax included)
その時気に入っているカットソーやスウェットやニット、その時気に入っているパンツに足を通し、その時近くにある靴下を穿いて、その時気に入っている靴を履いて、このシャツを羽織ればOK。
このシャツにおける「ネクタイを立体的に見せるためのタブ」は、ただのアクセサリー。
このシャツにおける比翼仕立ては「釦」というシャツらしい記号を隠すための存在。
このシャツにおけるスナップ釦は「ベルベットやドレスシャツに付随するエレガント」が持つ気恥ずかしさをプチプチっと殺すための機能を持つ。
2026年。
「本来こうだった」とされるドレッシーな素材やそれに付随するディテールには、現在進行形で形骸化されながら尚、存在する意義があると僕らは思っている。
つまり、形骸化されて尚、それ自体が持つ視覚的な魅力は実在するということだ。
意味のある素材や意味のあるディテール。
それ自体が担ってきた役割には敬意を払いつつ「それはそれ」と、重たい思い込みだけ脱ぎ捨てて今、軽やかにベルベット。
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河上 尚哉
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こんにちは。例によって、すでに河上さんによって紹介のなされたDechampsのクルーネックカーディガンを吉田が見つめ直しておりますものの、一体全体このBLOGには意味はあるのでしょうか?
まず、正直見つめ直す必要もないくらい、このカーディガンはどう見てもかっこいいしかわいい。
そしてこの服の外部、つまり作られた経緯であったり、他の洋服との合わせ方なんかも、すでに言葉と写真によって説明されています。とはいえ、それらは「着てこそ洋服」というシンプルな前提のもと、いわばフックのような役割を背負っているに過ぎません。いくら着用写真を眺めて、「いいですね〜」とか「このスタイリングが好きです」などと言おうにもそれは洋服を楽しんでいることにはならないと思います。だったらこのBLOGそのものに意味なんかないじゃないか!というはじめの問いに答えるなら、答えはNO。意味なんかありません。もうフックとなるような情報も残されていないし!だからといって、ぼくが今このBLOGをほっぽり出してしまっては、せっかくこのページにただいまご来場いただいている皆さまにがっかりされてしまうんじゃないかという自意識過剰な妄想のもと、見つめなおしていこうではありませんか。
「着てこそ洋服」、つまり「見てるだけじゃ洋服じゃないぜよ」とも取れるような大言壮語したそばから大変僭越ですが、このカーディガンは見ていて楽しい気分になります。そう、意味のないBLOGだからこそこうやってあたかも前言をひっくり返すようなことをしても大丈夫なのです。そして実は、別にひっくり返しているわけではありません。だって着ている状態でもちょっと顎を引いて目を動かせばそこにはこのカーディガンがあるし、鏡にも映りますしね。電車、特に地下鉄なんかでは景色が暗いトンネルなので、ドアのガラスに多少映りますよね。鏡を気にするのはちょっと気恥ずかしいのですが、あのガラスへ映る感じはこっそりちょっぴり好きなんですよね。想像してみてください。そこにこの色鮮やかなトレジャーボタンがキラッと光るのです。
そうです、ぼくが改めてこのカーディガンを見つめ直して気づいたことというのは、「ボタンめっちゃかわいい」ということです。
いや、ボタンがかわいいという感想は初見から持っていました。このことはもはや当然といっていいでしょう。そもそも、Dechampsのカーディガン自体は以前もお店に並んでいたし着たこともあるので、ある種太鼓判の押された「こりゃいいでしょう!」的なアイテムだという認識がぼくにはあります。だから今回の入荷において「初めてのもの」として映ったのはこのトレジャーボタン。即座に某マロ風の感想さえ浮かんでくるくらい、一目で綺麗。だからこそ、その第一印象に留まっていました(それで十分だとも思います)。そう、宝石箱や!
なので、いざ今BLOGで言葉にしようと思うと、ふざけているわけでもなく「かわいい」しか出てきません。
このまま、「かわいいは正義でしょ!」と逆さダブルピースをしたり、ブルー、オレンジ云々と色を列挙して徒に色にまつわる無駄話をしようかとも考えました。でもすぐに脳内ボクが却下してきます。「そんなんいらん」と。いや、色にまつわる無駄話は自分でも少し気になるかもしれません。とかはストップ。
一昨日のBLOGで河上さんが最近の心情として呟いていた、誰かほかの人にどうにか思われたいわけではないけど的な話、ぼくも個人的に共感します、と同時にその「誰か」の可能性について、考えているうちに、さっき自分が電車の窓に映る話をしたことを思い出し、ぽわわんと連想、電車でたまに遭遇するあの状況に思いを馳せました。なんか視線を感じるぞ?と思ったらなんかあの赤ちゃんがこっち見てる!めっちゃ見てくる!的な経験、ありませんか?じーっとこちらを見てくるその目はとりあえずキラキラしている。「誰か」が赤ちゃんだったら、なんだか無性に嬉しく感じませんか?「それ、Dechampsのトレジャーボタンですよね!」例えばそんなふうに言葉が先に来るのではなく。輝きに目が楽しませられる。きらーん。
そう、誰か他の人にどう思われたいわけではないけど、結果的に誰かが好意的に見てくれることは嬉しいですよね。
単純に、というか純粋に、自分の目に楽しく映る洋服は欲しくなる。そして欲しくなった洋服の対価を払い、自分の手で着るというのは大人の特権ですが、このボタンを目にして湧いてくるこの気持ちは、けっこうピュアだなと思ったんですよね。もちろんこのボタンに限った話ではありませんが、このカーディガンはそんな気持ちが動かされる洋服のようです。
“Dechamps” [MANHOLE EDITION]
– Leopard Cardigan with Treasure Buttons –
Size: M, L / Color: Leopard, Melange Brown/Blue / ¥152,900 (tax included)
そんなDechampsのLEOPARD CARDIGAN。
MANHOLE EDITIONである「with Treasure buttons」モデルではない、通常通りの仕様のものもオーダーしています。
河上さんは「別注を思いつく前、つまり通常の仕様のものを見た時に既に『良いな』と思ったから数枚オーダーすることにした。別注だから良いわけじゃないんだよなあ」と言っていました。
“Dechamps” – Leopard Cardigan –
Size: M,L / Color: Leopard /¥152,900-(tax included)
そう、あくまでも釦はオプションなのです。
・・・本当に意味のないBLOGになった気もしますが、まあBLOGなんてそんなものですよね〜。
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そういえば、以前「パリに住んでる人にとって、豹柄ってどんな印象なの?」とCamilとMirjaに聞いたことがあります。僕の質問に対して、二人は困った顔をしていました。
「うーんと、日本だと関西のおばちゃんってイメージが(少なくとも我々世代までは)強いんだけど、パリってみんな普通に着てるじゃん?さっき電車を待っている時なんて豹柄の人がいなくなったと思ったら豹柄の人が現れて、更にその豹柄の人と別の豹柄の人がすれ違っているのを目撃したし、その前は豹柄の人と豹柄の人と豹柄の人が待ち合わせをしていたのを目撃した」という僕の補足に彼らは頷いた後、「そうだね、割と普通の柄なんじゃないかな」と、言っていました。
僕は「あなたにとってチェックとかストライプってどんな印象の柄ですか?」みたいな質問をしたわけですね。そりゃあ困るわ。
と、いうわけで豹柄は彼らにとって普通だそうです。
そういえば豹柄、いつの間にかMANHOLEにも定期的に並ぶようになりました。
僕らにとってもカモ柄を普通に着るくらいには普通になったのかもしれない。
ちなみにここでいう「普通」とは、何もない1日だからとか何かがある特別な日だからとかではなく、着たい時に着ることが出来る、という普通。
“Dechamps” [MANHOLE EDITION]
– Leopard cardigan with treasure buttons –
Size: M,L Color: Leopard ¥152,900-(tax included)
ここ2,3年くらいで自分の中に変な欲があるのに気付きました。
それは「自分がお洒落だな、と思うもの。かっこいいな、と思うもの。欲しいし着たいし、買うし着る。けど、別にそれを着ていることで誰かに『お洒落だな』とか『格好いいな』と思われたいわけではなく、それを着ている自分が、自分にとって『普通』でありたい」という欲。
自分にとって落ち着かないわけでも退屈なわけでもない状態が普通。
さて、DechampsのMANHOLE EDITION。
思いついた時に「普通の洋服に合わせて、普通に着たいし、普通に着ることが出来そうだな」と思いました。Dechampsの二人や僕にとっての普通ではなく、着る人それぞれにとっての普通として。
かといって「豹柄は普通じゃないよ!」という方を「いや、普通ですよ」と説得するつもりは毛頭ありません。そういう方は一度、梳毛ウールのものを見てみてください。
“Dechamps” [MANHOLE EDITION]
– Wool cardigan with treasure buttons –
Size: M,L Color: MELANGE BROWN/BLUE ¥152,900-(tax included)
Dechampsのアトリエで日々を過ごすCamilとMirja。
去年の夏頃だったか「中庭に生えてる梅の実がとても美味しいから、良かったら食べてみない?」と、尋ねてきた。「じゃあ食べちゃおっかな」という僕と中台。梅を収穫するCamil。洗ってくれるMirja。
みんなで梅を食べた。美味しかった気がする。し、その「普通に生活している感じ」がとても良いな、と思った。彼らは彼らの普通の生活の中に起こる一つ一つの出来事を、楽しんでいる。
このカーディガンに付けられた色とりどりのスナップボタンは「今日はこれが着たいな」と、普通に手に取る洋服を彩ってくれる。そうしている内に時たま起こる意図せぬ色合わせもまた、普通の生活の中に起こる一つ一つの出来事のように、着ている人を楽しませてくれるのではないだろうか。
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